ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

こうなりゃ奥の手だ!

2008-12-15 22:39:03 | 演劇

 置農演劇部東北大会出場記念公演『Let's Dance 1946』無事終了!よかった!

 何が良かったか?まず、赤字が出なかった。次にお客さんがたくさん入った。さらに、置農生も真面目に見てくれた。さらに、って言うより、これが一番大きいけれど、確実にレベルアップできた。

 まず、演技。主役のクライマックスの長せりふ、命を惜しむ兄の気持ちを思いやれず、特攻に追いやってしまった妹が、自分の過ちに気づいて自己を責めさいなむせりふ。これまでは、最初から最後までだらだらと泣きで通していた。だめだよ、それじゃ。それを前半抑えに抑え、兄の気持ちに行き当たって激情がこぼれ落ちるそんな言い回しに変えたいと思った。それがなんと本番3時間前。無茶だよね。可哀相に!できっこないじゃない!でも、何故か、やれるんじゃないか?って予感がした。3年生だし、これまでずっと主役で通してきた生徒だったから。

 何度も何度も繰り返させた。できない。ダメだ。どうしても泣きが抜けない。後は自分でなんとかしろ!って突き放した。結局、昼公演は迷いに迷ってめろめろ!終わった後、僕の罵倒に近いダメだしをとことんあびて、悩み続けた。そして、夜公演、やったんだよ、ついにできたんだ。いやぁ、僕も涙を抑えきれなかった。せりふに動かされた涙なのか、彼女の努力に感動した涙だったのか?

 僕のだめ出しを横で聞き、一人悩み苦しむ彼女を見ていた他のメンバーも、それぞれに考えたんだろうね、これまでになく心を込めた演技ができた。こういうもんなんだよ、レベルが上がるってことは。一人が真剣に自分の表現にぶち当たっていけば、それが他の役者の励みになるんだ。ということで、確実に演技の質が上がった。よかった!

 もう一つは、オープニングを全面的に作り変えたこと。面白くなかったからねぇ、これまでは。なんとか、明るく軽やかで笑いのこぼれる出だしを作りたいと思ったんだ。で、奥の手だよ、こうなれば。置農子どもミュージカルでお馴染み、かぶり物の登場!そう、リンゴのかぶり物をかぶらせてコミカルなダンスシーンで幕を上げることにしたんだ。

 いいのか、こんなことして?上手くいくのか?お客さん、和むどろか、逆に引いちゃうんじゃないか?悩んだ末の決断だったが、これが予期した通りの効果を上げることができた。このシーンそのものは笑いはとれなかったが、その後のギャグは、確実に笑いのクラッチが入って入っていたものね。笑いは、その最初の出足がとっても大切なんだ。それがこのリンゴのかぶり物お陰で、上手く行った。よっしゃ!!

 こんな大きな成果のあった記念公演。支えてくれた皆さんに感謝しつつ、いよいよ東北大会に向けて出発だ。残る稽古日はわずかに三日!でも、この三日で変身するよ、大化けするよ。そんな気がふつふつとたぎってきた。みなさん!期待していてください、って、この時期はいつだって元気はつらつなんだよな。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする