ああ、もう、早速だよ。エンジンはかかってるのに、雪かきオーガ、回らない。ぐるぐる走り回れたからって意味ないての!Vベルトが外れてるか切れてるかだ、きっと。駆動力伝達部分のカバーを開けてみる。やっぱりなぁ、外れてるよ。これじゃエンジン空回りだ。はめりゃいいんだろ、はめりゃ。マイナスドライバー差し込んでみたり、バール持ち出してみたりして苦心惨憺30分。ダメだ、素人の手にゃ負えない。餅屋は餅屋、機械屋さんを呼ぼう。
去年の冬は雪知らず、除雪機もたった1度のお仕事で済んでたから、不具合なんてないって思ってたんだが、使わなくても機械は老いる、人間と同じ。ベルト伸びきっていて、はめたとしてもすぐ外れるでしょう、とのこと、仕方なく、交換を頼んだ。人間とは違う、交換可能だ。やれやれ、雪国で暮らすにゃ何やかんやもの入りなこった。
交換終えたのに機械屋の兄ちゃん、なかなか引き上げてこない。聞いてみたら、オーガのクラッチワイヤーが凍り付いて動かないって困ってた。ワイヤー覆うビニールチューブに水が入って、それが凍みているんでしょう、交換しますか?っておいおい、こちとら年金生活者だぜ、見くびっちゃいけねえよ、そんなことでいちいち換えてたら、日干しにならぁ、いいよ、お湯かけて温めりゃいいんだろ。それじゃ、今、クラッチが入った状態なので、エンジンかけるとオーガも同時に回りますから注意してください。あいよ、オーガが回る分にゃ一向差し支えねえさ。
その夜も雪は非情に降り積もり、翌朝、いやぁぁぁ!やっぱりなぁ、2年続きのめっけもん、雪無し暖冬ってわけにゃいかなかったか。そろそろ山形行きの時間も迫ってきた。この豪雪の中、車運転で往復する勇気は、端からない。列車で行って帰るのが、年寄りにゃ無難な判断。につけても、駅までは車だ。車庫から車道まで10メートル弱の雪を穿かなくちゃなんない。列車時刻まで1時間、お茶の子さいさいよ、蘇った除雪機あるもんね。
エンジン始動。うっむ?かからない?チョークは引いてるし、アクセルは始動位置にセットしたし、掛からぬわけは・・・だって、昨日、機械屋の兄ちゃんは簡単に始動させてたんだぜ。何度も、何度も回してみるが、うんともすんとも言わん。や、やっばいぞ!50センチ以上も積もった雪、スノーダンプでどけろって言うのか?そんな、酷な、って言うより、時間ない!
何故だ?どうしてだ?バッテリー上がったってことか?非常手段、車のバッテーリーから充電するか?って軽トラ、別の倉庫に入ったままだし、プリウスは充電不可だし。機械屋を呼ぶ、ダメだ、時間が足りない。どうする?どうする?どうするぅぅぅぅ?
も、もしかして、オーガのクラッチが入ったままだから、負荷が大きすぎてエンジンかからないんじゃないか?でも、昨日はかかったぞ、としても、この寒さだ。エンジンも縮こまってんのかもしれん。コタツ寄越せって駄々こねてんのかも。そうか、少しでも負担を軽くしてやれば、どうだ?ワイヤーの中の氷を融かすんだ。なにで?湯をかける、でも、ワイヤー長いぞ、それに、チューブの開始部分に湯かけたら、もっと水が入り込んで、この先さらに厄介なことになる。そう、兄ちゃん、水入ってると錆びます、って言ってたじゃないか。どうする?なんかいい方法ないか?
そうだ!ドライヤーどうだ?髪乾かすあれ。温風にしてワイヤーの端から端まで当ててやる。あれなら無制限で温めることできる。よしっ、小屋から延長コード引っ張って、スイッチ温風にして、どうだ?これでもくらえっ!
ドライヤーの温風攻撃、数分。クラッチがぁぁぁ、動いたっ!これでエンジンも身軽になったはず。よし、始動だ!
おおーっ、見事なエンジン音。心地よい響き!成功だ。大慌てで、車が出られる範囲だけ雪を吹っ飛ばして、車脱出。どうにか列車に間に合った。
ドライバーと延長コードは、きっとこの先もお世話になるだろう、ってことで、小屋の一隅に待機してもらっている。
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