ステージおきたま

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繰り返して、知るセリフの重み!『COVID FOR TWO』公演まであと2日!!

2021-11-26 10:49:31 | 菜の花座

 あと2日!最後の詰め、連日稽古続行中だぜ。夜出かける、なんか辛いよな毎日となると。億劫の虫がぐずって、瞬間さぼろか?なんて、思わない、思わない!このラスト1週間で飛躍的に良くなるって知ってるからね。そう、出掛ける時にゃ気分沈みがちでも、帰って来る時には、気分高揚、しゃっきり体力で戻って来れる。ダメだしびっしりで、芝居も見違えるように生き生きとして来るから。

 昨夜の稽古での気づきは2点。

 一つは間の取り方で、まったく別の芝居になる!って発見?!うわっ、たったの2秒でこんなに違うのか?役者共々強く実感できたことだ。妻が離婚を決意する瞬間の躊躇いの間、これをわずかに長くしただけで、夫婦の間に深い深淵が広がった。芝居はコロナについての陰謀論をめぐっての諍いって、かなりコミカルな内容なんだが、きっかけはたわいなくても、ラストの1分間は夫婦の断絶、というかなり普遍的なシーンに作り替えることができた。間の大切さ、わかってたはずだが、改めてその深い意味を突きつけられた。

 セリフの意味が、繰り返しの稽古で立ち上がって来る、ってのも経験した。よくあることだけどな。どうも違うなぁ、役者のセリフにずっと引っかかってた。なんか、軽い。先輩ホームレス、失業中のフリーライターが同じくコロナ失職したホテルマンにかける言葉。

「おじさん。ホテルマンのプライドは捨てな。でも、ホームレスの自信はしっかりもってないとダメだよ。いいかい、こんなに人々を切り捨てる世の中なんだ、勝手に放りだした責任とれよ!って胸張っていなきゃ。」

 全体通して、ホームレス生活を気楽に受け入れる女性として、あっけらかんと演じることを指示してきたんだが、成りたてホームレスを元気づけるこのセリフ、実は二つの意味を込めて書いていたんだ。

 生活保護や各種支援で生きることを決して躊躇ったり卑下したりしちゃいけない、ってことと、そういう境遇に追い込んだ政治家どもの無能を許さんぞ!って怒りの表明だ。

 これ、この作品の一番言いたいことだったんだ、って気付いたんだなぁ、今さらだけど。この作品、軽やかに滑稽に笑いを追求したエピソードの連続なんだが、そこに共通して流れるのは、コロナとそれへの無策な為政者によって翻弄される庶民の生きざまなんだ。大いに笑ってもらって、楽しんで欲しい。だけど、最後には、そこはかとない怒りと、必死で生きる人たちへの共感の情が流れて欲しいと思っている。

 9つのエピソードの最後にこのホームレス二人のやり取りを置いたのは、言ってみりゃそのまとめみたいなものなんだ。人々を切り捨てる世の中に批判の目を向けつつ、どんな境遇でも自信をもって生き切ろう、これがメッセージなんだ。

 その視点をしっかりと前に出す必要性を思い起こすことができた稽古だった。セリフに込めた意味を作者自身がないがしろにしかけていた、危ねぇ、危ねぇ!

 書いた本人だから、台本の隅々まで理解してる、そんなことはないんだぜ。

 


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