ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

褒めますおじさん

2025-01-11 11:30:29 | 社会
な、なんじゃぁ?
街中で一人スタンディングして、掲げたプラカードが、
「すごく ほめます」だとぉ?

うへっ、いんちき臭ぇ、新手の辻占い師かよ。黙って座れば、失せもの、先行きぴたりと当てます!っての、昔、路地横に出てたけど。

路上で褒める!って何を?初対面の人の良いとこ長所、短時間で見抜くってことだぞ。ホントかよ?
口から出まかせ、見え透いたお追従、ごますりなんじゃねえの?

まずは見掛け、外見、ったって、不細工は隠しようがないだろ。俺にしたって、鼻はぺちゃんこ横座り、皺縦横で、かな壺まなこ、禿ちゃいないが、斑グレー、ついでに体に目を移せば、ちんちくりんの胴長、短足。
無理だろ、これ褒めるのは。

なのに、このおじさん、褒めてくれるらしい、それもすごく!

外観から始まって、見かけの人柄へと進み、さらに対話を重ねつつ、相手の生き方や心構え、悩みなども優しく褒めてくれるらしい。

あっ、これ、カウンセリングじゃないか。
クライアントを否定せず、丸ごと受け入れいれるカウンセリングの作法。相談者はひたすら自分を曝け出すことで、心の中のわだかまりが溶けていく。

アメリカじゃ、このシステム、かなり重要な役割果たしているようだけど、うーん、このおじさんは、違うぞ、コミュニケーションの方向が反対だ。

相手をするおじさんがひたすら語りかけ、褒め続けるんだ。褒めて褒めて褒め生かされるって言うんだ、相手は。寒さの中で、沁みわたるスープのように誉め言葉が心も体も温めて行く。

褒め言葉のぬくもり、癒しの時。

これはすごい技の持ち主だぜ。
向かい合う相手の心に届く本当の優しさ、褒める内容は納得できるものでなくちゃならないし、それが受け取ってもらえるには、誠実な語り掛けが求められる。

これ、もはや、役者が作者を兼ねて即座に言葉を紡ぎだし観客を魅了するような神がかり的、即興芝居だぜ。
それも、溢れ出るのは、褒め言葉限定、ストーリーも興味を引き立てるようなリアルと適格性を備えていなきゃならない。
うーん、達人、いや、名優?いや、救い主・宗教者だな。

見知らぬ人に、いや、見知らぬ人だからこそ、褒めてもらって、認めてもらって、心地よく、自信を回復して行くってことだ。

自己肯定感の低さ、これが今の日本の問題の一つだってこと、このおじさんの存在が見事に照らし出しているな。

俺だったら、どんなふうに褒めてもらえるかな?
ひねくれ者だから、素直に喜びゃしないか、それとも、・・・


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