本番前日、さぁさぁ、夜のゲネ実現に向け頑張ろうぜ。
まずは、積み残しのシーン明かり、カーテンコール分の幾つかを作ってもらう。その間に音響さんの音楽、効果音等のレベルチェック、おっと、最重要項目は足元マイクの音量調節だ。
菜の花座が持ってる3本のバウンダリーマイクをフル活用する。
・幽霊のツッコミセリフ?
・見合い相手に放たれる女たちの辛辣な品定め。
・そして、過去の禍々しい出来事の再現。
なっ、これは使い道として常道だろ、いや、違うか。
この最後のシーン、詳しく説明できないのが、うーん、残念!こればっかりはネタバレしたくない。今回舞台の極めつけなんでね。
ここは念には念を入れて、繰り返しチェックした。不思議な非現実の世界だし、その都度役者がどんなふうに演じるかわからないので、ここは音響さんの耳の感度がもろに問われる。ガンバレ音響!
続いて、シーンを追いながら明かりの確認。
済まんなぁ、この期に及んで役者の動き変えるなんて、なんちゅう演出なんだい、もうまったく。
演出の我が儘勝手に付き合って、新しいシーン照明を作ったり、手直したり、てんてこ舞いで頑張ってくれた。照明さんガンバ!
音と明かり確認をすべて終わらせて、いよいよ、ゲネ。
できたよ、ちゃんとラスト、カーテンコールまで。なんと、菜の花座にあるまじき真っ当なペース配分!
もうこれだけだって、気分浮き立つってもんだぜ。
いや、ゲネそのものは、シニアを中心に立ち往生続出、追突、空回りの連続で、いやぁ、ゲネで良かったぁぁぁ、級の出来だったが、傍観?の俺は、なんかなぁ、元気そのものだったんだ。
朝から夕のリハも夜のゲネも、ほぼ立ったまま付き合えたし、日ごろ滞りがちの頭脳の回転も小気味よかった。よしっ、よしっ、よしっ!
言葉もすらすら出て来るし、語彙もなかなか適切だし、役者に手とり足取りの演技指導の切れ味も、いいねぇ、冴えてるぜぇ、って、おめえが思ってるだけだろ。
何より、楽しく明るく振舞えているのが、大変心地よい。そう、こうやって演出できれば、役者たちだって、躓きの一歩を越えて行けると思うのさ。
と、まぁ、ランナーズハイならぬ、演出ハイで快適に乗り切った前日リハ、ゲネだった。
って、手前だけ気持ちよく酔っててどうする!
まっ、その成果のほどは明日はっきりするってことだ。
なんとか、この俺の絶頂感を役者にも伝染させて、ノリノリのウキウキで突っ走れるよう、頑張れ俺。