【大学の前納金返還訴訟、最高裁は入学金の返還認めず】
こんな記事が読売新聞のウェブサイトに出ていた。
基本的には入学金は身分保障、前期学費等は前期のサービス(授業)の対価という考え方のようだ。つまり、滑り止めだろうが何だろうが、入学辞退の時期や理由にかかわらず…入学手続きをしたら…その返還は認められない。ただし、入学前に辞退した場合は、前期学費等の返還は認められるとのことである。
まあ、妥当な判断だろう。
授業料の返還が認められた元受験生
上智大学の2002年度入試を受験、合格後、に入学金・授業料を納入。3月中に入学を辞退。
認められなかった元受験生
青山学院大学に2002年度入試を受験、合格。新学期が始まった後の4月下旬に退学届けを提出した1人と、早稲田大大学の特別選抜入試で合格。入学手続きをしなかった2人。
上智、青学を受験した元受験生についての判断は妥当だろう。早大については、読売の記事は言葉足らず(読んでも疑問符が残る)のような気がする。他のサイトも調べたら、毎日のウェブサイトに詳しく書かれていた。
特別選抜とは、AO(アドミッション・オフィス)入試のことで、一般入試については前納金のうち授業料の返還を命じる判決が多く、このケースは下級審でも判断分かれているようだ。
東京地裁判決(03年10月)
授業料だけの返還を命令。
東京高裁判決(05年2月)
受験した学部を第1志望とすることが早大のAO入試の出願資格で、(授業料を含めて)前納金の返還請求は許されない。
元受験生は、授業料+入学金(学納金も含むんだろう)全部返還してくれと請求したのかな。
早稲田はそれは困ると主張したのかな。
第1志望であることが出願資格ということは、普通の推薦入試と同じである。読売の書き方だと、「入学手続きをしなかった」とあるが、手続きはしたから、返還請求が為されたのだろう。この元受験生は、手続き後に早稲田に進学することをやめたと判断されたわけだ。これまでも、早稲田のAOは2学期中に合否を出している。3学期に一般受験でどこかを受験してそちらに進学したいのであれば、やはり大変きついいい方だけど、ちょっと無理がある…虫がちょっとよすぎるような気がする。
11月27日に同種訴訟の判決がある。返還が認めらるかどうかの詳細な基準が示されるようだ。注目したい。