昨日から国会が始まった、安倍晋三首相の所信表明演説については、後日書くことにしようと思う。
ここでは首相がAPEC出席のため出かけた、オーストラリアでの発言…インド洋での海上自衛隊の給油活動の継続問題…について感想を書こうと思う。
「民主党はじめ野党の皆様のご理解をいただくため、私は最大限の努力を払わねばならないと考えている。そのために全力を尽くし、職を賭(と)していく考えで理解を得ていく」
「すべての力を振り絞って職責を果たしていかなければならない。そこで私の職責にしがみつくということはない」
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内閣総理大臣は、「やめる(または、そうとれる内容の言葉)」と言った途端にもうやめる人、消える人になる。その人は権力を維持する力も、政策を進める力も、もはや維持できないのである。「やめる」と言って、難局を突破できた例を、あまり見聞きしたことがない。思っていても口に出してはいけない言葉。それが出処進退のうち、「やめる」という言葉であると思う。政治家、特に一国の宰相が軽々しく口にしてはいけない言葉だろう。こんなことを言う者に、閣僚も官僚組織(ふつうの事務職も)束ねることはできないだろう。「うまく行ったら、やめないよ」ということでは、ないのである。
不退転の決意かも知れないけど、不退転(退かない)とは、政治的には退かず、前に進むのではなく、退くことも進むこともできない状況だと思う。幹事長や官房長官が火消しに大わらわになっているが、口から出た言葉はもう取り戻せない。
これは、もはや立ち往生である。
やはりこの方は訓練が足りないのではないか。