7月25日に取り上げた、ワニではないかとされた、未確認動物だが、どうもスッポンということになったようだ。
新聞各紙のウェブサイトに記事が出ていた。長崎県の発表ということなので、報道発表を読んでみたいと思い、県のウェブサイト・報道発表を探してみた。
以下引用する。
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日付 平成22年8月11日
長崎県県央振興局建設部管理課
担当課長 吉村
直通電話 ****-**-****
発表文の右上にきちんと「いつ」「どこの部署」の「どんな職階」の「誰」が出した文書かわかるように、書いてある。
・・・あたりまえだ。
・・・埼玉県の行政文書とちょっと違う。でも、これが長崎県の公文書・書式なのだろう。
その下に表題(何の文書なのか)が書かれている。表題は文書左から7マス空けて、8マス目から書いてある。
諫早湾干拓調整池におけるワニと推定される生物(ここで改行)
について
以下内容。PDFファイルなのに、プリントアウトをそのままコピーしたものなので、テキストがとれない。
1 推定生物について
①当該生物については、当初目撃情報の提供者である(財)九州環境管理協会の情報によりワニと推定していたが、現時点においては、各種の情報を総合的に検討した結果、スッポンの可能性が高いものと判断した。
②理由
イ (財)九州環境管理協会が意見を求めた、爬虫類の権威である京都大学の疋田勉教授においては、吻(目から鼻先にかけての部分)の長さが5cm程度であれば、スッポンの可能性が高いとの意見であったこと。
ロ (財)自然環境研究センター(東京台東区)への写真による照会の結果、千石正一研究主幹を含む4名の研究員の鑑定ではニホンスッポンの可能性が高いという意見であったこと。
ハ 当初の情報では、吻の長さが10cmで体長が40~50cm程度(当初記者会見時情報は1m足らず)ということであったが、九州環境管理協会が現場における再検証を行い(県央振興局立会い)、吻の長さは3cm程度と推定されるという報告を受けた。
ニ 文献上も、諫早付近の河川やクリークにはスッポンが特に多いとされている。また、目撃当日において(財)九州環境管理協会職員が、目撃現場付近の茂みで、スッポンの卵殻5個を確認・撮影している情報も追加して報告を受けており、生態的にはスッポンの方が自然と判断されること。
ホ 以上を踏まえ、長崎バイオパーク伊藤副園長と協議を行ったが、総合的に判断するとスッポンの可能性が高いという意見であった。
2 今後の取り扱い方針について
現在、県において9箇所、国土交通省において5箇所の箱ワナを仕掛けているが、なんらの生物も捕獲できていない。
当該生物は、スッポンである可能性が高く、仮に、ワニである場合においても、目撃されたものは小型であり、危険性は低いと考えられるが、箱ワナの設置については、しばらくの間継続することとする。
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原文は、ひょっとするとB5の用紙にワープロでうったもののようだ。おそらくワードだ。
ワニかスッポンか決めるのに、ずいぶん手間がかかるなんて思わない。これは適切である。これだけ地球温暖化と騒がれている。調整池が冬場どの程度の水温を維持するのかわからない。もしもホントにワニだったら、諫早湾干拓調整池で、ワニが冬を越せないと断言できないのだがら、これくらい慎重にことを進めなければならない。箱ワナも、しばらくの間継続になるだろう。
②のロにある「千石昭一」さんって、TBSの『どうぶつ奇想天外!』の千石先生のようだ。
これはお役所言葉かなあ。
京都大学の疋田勉教授においては
~によれば
県において、国土交通省において
~によって
なかなか読みでのあるものでした。管理課・担当課長吉村さん(と、部下の方)、お疲れ様でした。
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2010.07.25、「役所の仕事」