埼玉労働局の平成22年度 埼玉県内大学等卒業予定者の就職内定状況調査(平成23年1月28日)によれば、昨年12月1日現在の県内大学学生の就職内定状況は以下の通り。
1.大学の就職内定率
46.1%(10月1日現在より17.2%アップ)
男子44.5%、女子47.9%
2.大学院の就職内定率
66.2%
3.短期大学の就職内定率
55.6%(10月1日現在より30.5%アップ)
埼玉労働局が、管内の大学39校のうち35校、大学院31校のうち16校、短期大学全13校から、12月1日時点で学生からの報告等により把握している内定状況をとりまとめたもの。
「大学等の協力により可能な範囲で把握した数字」と資料にあるので、抽出ではなく、可能な限り網羅的にデータを出そうとしている。この点は実態把握のためには有効であり、評価できる。報告のない学生や連絡の取れない学生などは未内定として計上している。
厚生労働省及び文部科学省が公表している「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」は抽出調査として実施しているもの。この調査では、昨年12月1日現在、大学68.8%、短期大学45.3%である。
前回に比べてずいぶん改善したものの、大学はまだ半分に到達していない。大学は、卒業予定者のうち就職を希望しているのは77.5%であり、その46.1%が就職内定である。大学卒業年次の学生のうち就職が決まったのは35%程度。就職を希望しない学生は4700人を超える。こんなに大学院に進むとは思えない。やっぱり深刻な状況である。
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この報道発表には文理別就職内定率(12月1日現在)という資料も掲載されていた。
大学:
文系46.0% 理系46.3%
大学院:
文系30.6% 理系76.0%
大学+大学院:
文系45.8% 理系50.8%
短期大学:
文系52.4% 理系72.9%
大学だけでは理系に進んでも、就職内定率にはっきりした差が見て取れない。これはどういうことだ。
①見たまま。
②県内大学の理系学部等が就職指導がちゃんとしていない。
③県内大学の理系学部が就職に特に有利なほど、レベルが高くない。
④その他。
大学院の文理比較は明らかに理系が就職内定率が高い。ただ、これも文系理系の院生の数を見ないと、それほど有意とは言えないのかも知れない。また、大学院と言っても、修士課程、博士課程、専門職系全部まとめちゃったら、正直わけがわからないと思う。資料を見ても、大学院については修了予定者数がでていない。なかなか実態はつかめないものだろう。
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2010.12.05、「就職内定率 30%届かず」