読売新聞のネット版によると、あの「アルプスルの少女ハイジ」が盗作だったことが分かったのだという。
かなりショッキングだ。
ハイジも、
ペーターも、
オンジも、
クララも、
ロッテンマイヤーさんも、
セバスチャンも、
盗作だったというのだ。
盗作。
この魅惑に満ちたビジネスは、もしかしたら人類最古の商売として春を売る商いに大変よく似ているのかも分からない。
地元スイスやドイツでは大騒ぎになっているようだが、盗作は世界どこでもごく一般的。
たまに新聞記者が他人の記事を無断引用してクビになったりしているけれども、それはご愛嬌。
この世の中には大胆な盗作作品で満ちているのだ。
例えばディズニーの「ライオンキング」。
これはまったくもって手塚治虫の「ジャングル大帝」のパクリで、実際に裁判になったものの被告がディズニーというアメリカのシンボルだけに日本側が敗訴したという事実が残っている。
スピルバーグの「Ai」も主人公のロボットの少年がサーカスに売られるところも「鉄腕アトム」とまったく同じで、これは裁判にはならなかったものの、
「あの、スピルバーグも」
と、見ていた私のショックはかなり大きかった。
ヨーロッパはともかくアメリカは創作大国であると同時に盗作大国でもある。
プロデューサーが無名の作家が持ち込んだ優秀な脚本をパクって、有名な作家の名前をかんむりに置き、ヒットさせてはぼろ儲けしているという例も少なくない。
これは20年ほど前アメリカに行った時に映画関係の仕事をしている日系人の親類から聞いた話だ。
かといって日本はアメリカほど盗作しないか、といえばそうではない。
人気コミック「沈黙の艦隊」の一部分が盗作だったことは一時大きなニュースとして扱われた。
アイドルの安倍なつみは他人の詩をそのままパクってテレビの画面から姿を消した。
映画「トラック野郎」の一部のシーンは米国映画「コンボイ」のパクリだったし、東宝SF映画「惑星大戦争」はもろ「スターウォーズ」のモノマネだった。
盗作ならずともインチキをする考古学者なんかもいたりして、誰が正直者なのかわからなくなることも少なくない。
ただ私の家族、ハイジの盗作について曰く、
「もし、その作品を盗作せんかったら永久に世の中で出なかった、ってことにもなるんとちゃう」
とのこと。
なんとなく尤もな理由ではあるが、納得はできない。
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