<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





「実は、明日、スカイツリーに納品があるんです」
「なんやて。スカイツリー?」
「そうです。」
「スカイツリーというと東京のスカイツリーやな?」
「東京の、って。他にスカイツリーがあるんですか?」
「大阪スカイツリー。」
「そんなんあったらパッチモン(大阪弁で偽物のこと)ですやん。」
「すでに通天閣がエッフェル塔のパッチモンや。エッフェル塔のパッチモン作る我が大阪。スカイツリーのパッチモンがあっても不思議はないで。」
「で、一緒に行きます?」
「もちろんや!」

ということで、東京スカイツリーに他部署の後輩のコネで納品のどさくさに紛れて登ってきたのであった。
登ってきたといっても歩いて登ったわけではなく、エレベータを使ったのは言うまでもない。
また、最上階まで行くことはできなかったが、下層階の地上350メートルの展望デッキまで登って東京の街並みを観察してきたのであった。

東京スカイツリーは地下鉄押上の駅を下車してすぐ。
B3番出口を出たところに工事用入り口があり、そこからトコトコ歩いていくこと約5分でエレベータのある1階ロビーにたどり着く。
いろいろあって、いざ行かん。

スカイツリーへ登るエレベータの中は広々としていた。
20人くらいは楽々乗れそうな大きさであった。
エレベータの表示は5階までは「2F」「3F」「4F」と続くのだが、「5F」を超えるとメートル表示になり、あっという間に350mの高さに達する。
あまりの速さに250mを越えた所あたりからブレーキがかかる。
高度の変化で耳がツーンとするのが、また凄い。
動きはスムーズで、ほとんどというか、まったく揺れない。
このあたりが日本製エレベータ技術の凄いところで、シカゴのシアーズタワーを登った米国製エレベータとは大違い。
あの時はあまりの揺れに恐怖を感じたくらいなのであった。

エレベータの扉が開くと脚もとの隙間から風が吹き込んできた。
350mという高さのエレベータシャフトからの風なのであった。
完成したとは言うものの、まだ開業していないスカイツリーは閑散としていた。
しかし、350m階のカーペットの向こうに広がる景色は絶景であった。
まるで、飛行機から眺めているような景色で、近くの錦糸町駅のビル群がはるか下方に建っていてミニチュアのよう。
遠くの官庁街や新宿のビル群も下に見える。
凄い景色だ。

私は最も眺めたかった浅草の浅草寺の方向を見てみると、あな小さや。
五重塔も花屋敷も、ミニチュアか錦絵のような風景なのであった。



ただスカイツリーの硬さも台北101で感じた時の凄さはなかった。
なんといってもあちらはタワーではなくてビル。
展望台の高さは地上500メートル。
私は夜、台北101の展望デッキに上がったのであったが、周囲の高層ビルが眼下に低く生えていて、その高度感を実感。
しかもあちらは近くに高松空港(四国のではない)があるため、飛行機が目線より低い位置から着陸、あるいは離陸する姿が見られ迫力満点で大満足したものであった。



ということで、偶然つかんだスカイツリー初体験。
雨でなかったらもっと良かったのに、と思う東京見物なのであった。



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