<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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六本木ヒルズから東京都庭園美術館までの移動は来た時と同じルートを逆に辿ろうと思っていた。
が、気が変わった。
できるだけ初めてのルートを通って街の雰囲気だけでも見て回ることが大切だと思ったのだ。

考えてみれば家族で街歩きは久しぶりだ。
奈良や京都へ行くことも少なくないが、私は娘かカミさんかどちらかと二人で行くことが多く、三人そろっての街歩きは半年ほどまえに行った神戸以来かもしれない。
あの時は三宮の地下駐車場に車を駐めて、三宮センター街から元町のJR高架下の店を見てまわった。
夕食を南京町で食べたのだ。
中華を楽しみに行ったにも関わらず、その数日前に食べた横浜の中華街のある店とは比べ物にならないくらい普通の味だったのでがっかりしたことを思い出した。
正直言って餃子の王将の方が美味しかった。
横浜の店はたまたま呼び込みに引き込まれて入ったのだったが、予期していなかった美味さで店を出る時に声を掛けてくれた店の女の子に礼を言ったぐらいだったのだ。
横浜に負けているぞ、神戸!
と言いたい。

それはともかく、東京の街を歩くことは今回の旅の1つの目的のようにも思えてきた。
スマホで地図を見ると六本木から麻布十番まではすぐみたいだ。
麻布十番から地下鉄に乗ると白金台まで3駅。
そういえば10年前に乃木坂のソニースタジオで谷村有美のライブを聴いたあと飛行機の時間までたっぷり時間があったため浜松町まで夜の街を歩いたことがある。
あの時の距離を思うとかなり短い移動距離だ。

六本木ヒルズの裏手の坂道を下るとテレビ朝日の建物があった。
「お、テレビ朝日や」
「こんなところにあるんや」
と言った割にはそのまま通過。
麻布十番までは予想通り大して時間はかからなかった。
麻布十番というと数年前に放送が終了したFM番組「Saturday waitting bar AVANTI」を思い出すのだが、その話はまた別の機会に。

で、麻布十番から地下鉄で白金台へ。
これまで一度だけ庭園美術館から白金台駅まで歩いたことがある。
その時に美味しそうなローカルなドーナツ屋さんを発見したのだが、その場所がどこであったのか、果たしてそれは夢ではなく現実だったのか。
記憶がさだかでないまま庭園美術館方面にあるき始めた。

「ここらに美味しそうなドーナツ売ってた店があるんやけどな」
「へー、そこで休憩しょうか。それとも大阪へのお土産にする?」

などと言いながら歩いたのだ。
でもドーナツ屋は見つからない。

「ほんまにあったん?」
「ほんまやて」

と言っていると、

「あ、ここちゃうん?」

とカミさんが指差したのはドーナツプラントというチェーン店だった。

「ここ有名やで。お父さん、知ってたん?」

知らんわい。
私が記憶していたのはこんな感じのドーナツ店ではなく庶民的な感じがする手づくりドーナツ店だった。
だからカフェがおしゃれでドーナツをそこで食するようにはなっていなかったはずだ。

ということでチェーン店なら有名でもパス。
なぜなら、東京への美術館巡りの旅の最後は、美術館のカフェでちょっとゆっくりを予定していたからなのであった。
今回は庭園美術館のミュージアムカフェでお茶をすることにしていたのだった。

つづく

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