今年の東京モーターショーでアウディ、BMW、フォルクスワーゲン、ポルシェ、ボルボが出展を見送るのだという。
これを取り上げマスコミは、
「日本の自動車市場の地盤沈下」
「各メーカーの中国シフト」
などと報道して、さも日本がダメダメになっているような印象を伝えようとしている。
まったくもって嫌らしいとしか言いようがない。
どこの国のマスコミなのか疑いたいところだ、と見てみると朝日新聞だった。
そもそも展示会そのものに存在価値があるのかどうかから考える必要がある。
多額の予算を投入して展示ブースを構築して、お客を集めて製品の魅力をPR。
モーターショーの場合は各ブースで説明やモデルになっているコンパニオンを写真に収めることが来場者の目的になっているということも無くはない。
でもこのコンパニオンに会えることを除くとインターネットのWEBサイトでスペックや写真をチェックしているだけで製品の性能的な魅力は理解できるわけだし、展示会では試乗会などなかなかないので体験したければディーラーへ足を向ければいい。
畢竟、展示会の価値はどうなのよ、ということになってしまう。
日本のように一般消費者が製品を知り尽くして、ある意味飽き飽きしている場合は展示会はマンネリを打破しない限りあまり魅力的ではない。
飽き飽きしている耐久諸費材をわざわざ遠くまで見に来るわけがなく、それなら家でゴロゴロしている方がマシなくらいなのだ。
自動車だけではない。
私の所属する業界はいわゆる科学機器や分析機器の世界なのだが、ここでは展示会のマンネリズムはすでに20年近くの歴史があり、正直欲しい機器があればカタログチェックで現物をメーカーのショールームへ行って使わせてもらえれば済む話になっている。
年に一度の展示会はお客さんとのコミュニケーションというよりも、ライバル他社や卸業者とメーカーの宴会場前室的な役割でしか無く、それなら単なる交流会でいいではないか、ということになってしまうのだ。
自動車業界、科学機器業界はこのような状態だし、電気製品やカメラなどはお近くのヨドバシカメラやビックカメラへ行くと展示会場よろしくほぼ全種類の製品にふれることができるので、展示会は全く無意味になっている。
ということで、朝日新聞の嫌味な書き方は別にして展示会の存在価値に結論を出さねばならないときが来ているらしい。