ラグビーワールドカップ日本大会が2ヶ月後に迫った。
オリンピックはこれまでも東京、札幌、長野と3回も日本で開催されていて来年は4回目の開催に至る。
だが、ラグビーのワールドカップは初めての開催。
それだけに非常に重要な国際イベントなのであるけれどもいかにせん、日本でのラグビーファンの人口は大きくない。
大会主催者はその魅力をPRするのに躍起になっているが、もともとテレビ放送なども少なくコアなファンはいるのものの野球やサッカーのようにはいかないのが辛いところ。
私の周囲にもラグビーにご執心な友達が東京にひとりいるにはいるが彼はオーストラリア人。
当たり前といえば当たり前。
そこで何か名案はないものか。
と、私も考えていたのだが電車に乗っているときにふとあるドラマを思い出した。
ラグビーが出てくるあの往年のドラマだ。
そのドラマとは「われら青春!」
半世紀近く前に日本テレビ系列で放送されていた青春ドラマの王道の一本で主演は中村雅俊、島田陽子。
脇役の柳生博と穂積隆信のコンビが有名で、学校乗っ取りを狙う教頭先生とその腰巾着という構成は漫才のネタになったくらいであった。
ドラマに筋はというと中村雅俊が演じる新任の沖田先生が舞台である太陽学園にやってくる。
そしてラグビー部を結成し生徒たちや魑魅魍魎的な先生たちと熱い物語を展開する、今ではまったく見ることのできなくなった熱血ドラマだ。
物語の骨格も先生とラグビー部員、または沖田先生が担当しているクラスの生徒らとの交流を一本完結型のドラマで描いている。
その一つひとつが熱い感動を呼び込むテーマをもっていて、正直私もこのドラマを何回と無く見てしまっていた学生なのであった。
例えば第1回。
ダメダメな生徒たちをラグビー精神で教育しようとした先生の試みは失敗に終わるかに見えた。
その終盤部分。
失念し、学校を去ろうと電車の駅でひとり失意に佇む先生の元へ生徒たちがやってくる。
「先生、いかないでくれよ」
生徒が先生に隣のホームからラグビーボールをパスする。
それを先生が受ける。
バックミュージックに主題歌の「帰らざる日のために」が流れ始める。
「.....俺はお前たちが好きだ〜!」
と、なぜか先生と生徒は線路越しに隣のホームからラグビーボールをパスしながら走り出す。
そして太陽学園ラグビー部は活動を再開するのだ。
とまあ、今見るときっと小恥ずかしいクサイドラマなのかもしれないが、もしかすると今見ても面白い可能性がある。
なんといってもクイーンの「ボヘミアンラブソティ」が若い世代に大ヒットするくらいだからこれだけ1970年代のクサイ青春ドラマが受ける可能性は大いにある。
青春とラグビー。
ワールドカップPRにはピッタリのドラマではないかと思った私はアホなのだろうか。