萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚306

2014-12-26 00:27:06 | 雑談寓話
最終出社日7月金曜夜、自分の送別会後の帰り道、

「私たちお茶して帰ります、今日はおつかれさまでした!」
「トモさん、またメールするね。おやすみなさい、旅行気をつけていってきてね、」

って同僚山口さん(仮名)+花サンは笑って深夜営業もしているコーヒー屋方面へ行ってしまい、
で、御曹司クンと二人きりになった、

コレって花サンは絶対ワザとだろ?笑

なんて思いながら何となく歩きだした道、海に近いから風が強くて涼しかった、
とりあえず駅まで向かっている間、御曹司クンが無口でちょっと心配になった、

「妙に無口だね、酔っぱらってんの?笑」

とりあえず笑いにしておきたいな?
って思ったのに街燈と海風の道で真面目な顔が応えた、

「…そういうことにしていいよ、」

ぼそっとした喋り方、こんなの御曹司クンらしくない。
なんだろなって想って、なんだか違う空気に軽くSってみた、

「酔っぱらいは苦手なんだよね、置き去りにしてイイ?笑」

ある意味ホントに置き去りにする、だって今が最期で2度と会わないだろう?
そんな予定と笑ったらスーツの腕がっちり掴まれた、

「ほんとに置き去りにするじゃん、転職とかってもう毎日会えないじゃんバカっ、」

またバカって言うんだ?
もう何回言われたんだろう、こんな習慣も可笑しくて意地悪く笑ってみた、

「バカって言うけどさ、悪いけど大学も偏差値も多分おまえより上だよ?笑」
「そんなこと知ってるっ、頭だけがバカの尺度じゃないだろがっ解ってて言ってんだろこの弩Sバカっ、」
「性格的にもオマエより馬鹿じゃないと思ってるけど?笑」
「そんなこと知ってんよっ、どうせ俺のがホントはバカだもんねーだ、もうホンっトムカつく、」
「ムカつくんなら離れなよ?乗り換えたら電車別になるけどさ、笑」

なんて会話しながら改札とおって、
もう終電だなって電光掲示板を見ながら言ってやった、

「ほら、おまえの電車もう来るよ?気をつけて帰れな、酔っぱらい?笑」

ホント気をつけて帰ってほしいな?
そんな心算で笑って、掴まれた腕をほどいたら御曹司クンが口もと押えこんだ、

「…ごめん吐く、」

ホント世話のかかるヤツだな?
こんな最後に呆れながら仕方なしトイレに連れ込んだ、

「ほら、便器に向かって吐け、笑」
「ちょっ、その言い方なんか嫌だあっち離れててっ…うっ」

なんてカンジに描くの憚れるような事態に御曹司クンは陥り、笑
こんな吐かれるとサスガに心配で、コト済むまで待っててやった、

「全部スッキリした?笑」
「…口のなか気持悪、のど痛いし、」
「胃酸が逆流しまくれば喉も荒れるよね、ほら口シッカリ濯ぎな、笑」
「言われなくてもするっ、」

とか言いあいしながら御曹司クンは洗面台と首っ引きになり、
スッキリしたところでトイレ出て、自販機でスポーツドリンク買って渡してやった、

「水分出しきってるだろうから飲みな、口のなかサッパリするし、笑」
「…ありがと、」

まだ青い貌で受けとって素直にペットボトル口つけて、
そんな向こうで発車ベルは鳴り、で、切り替わった電光掲示板に笑った、

「ほら、窓口で精算するよ?笑」

アレに乗らないと乗換電車が間に合わなかった、
だから別手段で帰る方法を考えながらパスケース出して、そしたら御曹司クンが謝ってくれた、

「ごめん、終電逃させて、」
「いいよ、がんばれば歩いて帰れるし、笑」

笑って答えながら何キロメートルになるか計算して、
もう閉まる窓口でSuicaの入場取り消してもらって外に出て、歩きだしたら御曹司クンが言った、

「あのさ、俺がタクシー代出すから乗らね?」

その方が楽だろな?
でも方向が逆だから笑って断った、

「コッカラだと方向逆だろ?1時間も歩けば着くからイイよ、笑」

たぶん自分の脚ならそれくらいで着く、
夏の夜中だし大通りなら散歩して帰るのも悪くない、で、構わず歩きだしたら言われた、

「だったら俺も歩く、」
「おまえの家遠いじゃん、途中で野宿だよ?笑」

御曹司クンの家は都内某所、シャンデリアがあるとかいうお屋敷らしく、
そんなとこ住んでるんならタクシー代もケチる必要もない、だけど隣を歩きながら彼は言った、

「おまえと歩きたい、家まで行かないから歩かせてよ?」

これってもしかして?
そんな発言に笑ってやった、

「おまえ、コレ狙ってワザと飲み過ぎて吐いたんだろ?笑」

こいつ最初からその心算だろ?
そんな発言と行動に笑った街燈の下、うす赤い横顔が唇噛んで言った、

「おまえ結局は優しいって知ってるし、優しさに付け込んでも一緒にいる時間を伸ばしたいし…もう最後かもしんないし、」

ほら、こいつもホントは解ってる。
だから歩いても付いてくる心算なんだろう?その目的が解かるから笑った、

「おまえ、家の特定する気だろ?酔っぱらいなうえにストーカーかよ、笑」

まあそういうことだろうな?
そんな意図も解かるから笑ってやったら拗ねられた、

「ストーカーとか言うなよバカっ、それに特定したとこでオマエどうせ警察とか呼ぶだろ?」
「招かれざる客には呼ぶよ?笑」
「それくらい解かってますー解ってるから押しかけたりなんかしねえし、」
「ふうん?笑」

なんて会話しながら一緒に歩いて、そんな時間はなんだか懐かしかった、


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眠いです、しかも加筆あるのにナントナク書いてたら思ったより長いです、笑

Aesculapius 第X章「冬三夜 act.2 Angel's tale」加筆まだします、
第81話「凍結4」+Aesculapius 第X章「冬三夜 act.1 Angel's tale」読み直したら校了です。
雅樹22歳の冬の物語、2012.12.24-30に連作した「第X話 冬三夜 ―「Christmas Carol」side story S.P」の雅樹サイドです。

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