萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚45

2014-03-28 12:47:01 | 雑談寓話
こんにちわ、
今日はかなり温かいです、薄靄かかったような空の青も春っぽいカンジ。
で、この雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるので続きまた載せます、楽しんでもらえたら嬉しいです、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚45

明けて日曜は高校時代の友達とドライブだった。
そいつは運転好き×こっちはカメラ使いたいから一緒に出掛けるには都合良い相手同士なんだけど、
その日は天気も良くて道路コンディションも良かったから、ヤビツ峠から宮ヶ瀬→道志みちコースに結果なった。

ヤビツ峠→宮ヶ瀬湖→道志みち って言われて解かる人は走るの好きなタイプだと思うんだけど、笑
ヤビツ峠はカーブ+急坂+狭隘でいわゆる走り屋も割と多いルート、道志みちは神奈川から山梨県に抜ける山道ルート。
どっちも一遍に走るのは好きじゃないと疲れるだろってルートだけど、その日もいつも通り友達はテンション上げ↑でハンドルさばき笑ってた。

「予定外だけど道志まで入っちゃった笑 山中湖とか行っちゃう?チェーン積んでるし、」
「だったらあの店寄って、巨峰ジェラート食べたい、笑」

そんなノリで予定未定のまま県境超えて、富士山撮って、
まだ湖は凍っていなかったけど指冷えきるくらい寒くてさ、
それでも好きな店のアイス食べ行こうとしたら冬期休業だった、笑

「うわ肩透かし、冬ダメって忘れてたなー笑」
「じいさん三人でやってるぽいから仕方ないよね、笑」

なんて笑いながら諦めて、
ぐるっと山中湖一周しながら撮影ポイント寄り道しつつ道志まで戻ってさ、
道の駅に寄って寒いとき寒いモン食べるとかって馬鹿だなー言いあいながらアイス食べて、冷え切って、笑
頭冴えたとかナントカ言いながら宮ヶ瀬湖まで戻って車停めたら「熊鍋」なんて品書き見つけてイキオイ食べることになった、

「うわ脂身にクセある、俺ちょっと無理だーきりたんぽ担当する、笑」
「じゃ遠慮なく肉もらうね、笑」

ってカンジで遅い昼に食べた熊肉はお初だったけど体やけに温まるのが面白かった、
クマは精がつくとかいうけどホントなんだなーなんて感心してたら友達が言ってきた、

「俺さ、今年のクリスマスたぶんまた独りか野郎で集まるカンジ、凹」

ホント相変わらずモテないんだ?笑
こんな相変わらずが面白くて笑いながら訊いてみた、

「ホント相変わらず完全オヒトリサマなワケ?社会人の男がさ、笑」
「うーまあ何も無い訳でもないんだけどさー悶々苦笑」

なんて煮え切らない顔で言って来てさ、
そういう反応お初だから面白くてツッコんでみた、

「誘えるっぽい相手はいるけど好み違うってカンジ?笑」
「そんなカンジ、あ、ナニ言いたいか解かるからソレ以上言うなよ?」

もうソレ以上言わなくても解かるって貌で言われてさ、
でも面白いから言ってやった、笑

「選り好み出来るほどオマエってモテるんだ?ふうん、春が来たんだねオメデトウ、笑」

そいつ喩えるならムーミンっぽい貌なんだよね、いわゆる愛嬌あるけど美男とは言えない。
しかも趣味&思考がドウ考えても女の子に好まれない、そんなヤツだけど気の好い困り顔が笑った。

「あーほんとオマエ相変わらずSだよなあ、やっぱ俺ってソンナに非モテ?笑」
「歴史と経済と車の話しか出来ないヤツのこと、女の子は好きだと思う?笑」
「おもわねー笑 でもモテたいよーどうしたら良いか教えてくれー笑」

とか熊鍋の向こうで言ってくる。で、思ったまんま言ってやった、

「その茶髪まず安っぽいよね、服も自分に合うヤツちゃんと把握しな?髪も服も流行りモンやブランドで固めりゃ似合うってモンじゃない。
それから自分の話したいコト話すばっかじゃ無くて女の子の話ちゃんと聴け、人って頷いて聴いてもらえたら喜ぶし好きになったりするよ?」

ウチの高校、茶髪率が高かったんだよね。
金髪、オレンジ、赤、緑、青、銀髪にしてたヤツもいてさ、全く加工してないヤツ多分半分いなかった。
そういう流れで茶色っぽくしてるんだろうけど社会人男の茶髪ってトーン次第で微妙なカンジに思われる、だから指摘したら凹まれた。

「ソレって見た目から中身までダメだしされてんじゃん俺、凹」
「だね、でも努力次第なコトばかりだろ?笑」
「そうだけどさーこのままアウトレット行って服選んでもらいたくなるマジで、凹×笑」
「今の時間からってメンドクサクない?笑 っていうか見た目より会話をちゃんとしな、」

なんて会話で笑ってさ、そしたら友達が言ってきた、

「俺さー海外赴任になりそうなんだよね、それで一緒に暮そうって言ってくれるヒトがいるんだよ、」

なんか急展開だな?笑
そんな感想とサッキの発言+空気から訊いてみた。

「海外で同棲って結婚前提っぽいね、相手は気に入ってくれてんじゃない?同僚で一緒に赴任とかなんだろ、笑」
「そう、3つ上とかの先輩なんだけどさーなんでソコまで俺のコト気に入ってんのか解らないし逆に怖いっていうか、凹」

溜息まじりに言ってくる、
そんな貌がソイツらしくなくて高校時代が遠くなったなあ思いながら訊いてみた。

「あんまり美人じゃないカンジの先輩だね、付合いも未だ浅いんだろ?笑」
「単なる同僚ってカンジだよ、残業するモン同士だから飯一緒とか多いけど職場の話ばかりだしさー凹」

テンション下げながら話してくれるトーンは楽しさ0%ってカンジ、
恋愛相談にある浮ついたような幸せ空気があまりになくてさ、職場恋愛のメンドクサイ部分だけ出まくってた。
こんな相談事は数年前まで異世界だったけど、それが今は現実に友達の声で悩まれてるのが面白いな思いながら訊いてみた。

「おまえ、他に好きな人いるんだろ?だからセッカクの据え膳に迷ってんだろ、まあ食った後っぽいけどさ、笑」

こんな煮え切らないのは既成事実VSプラトニックがあるんだろな?
そんな予想に笑ったらムーミンは白状した、笑

「その通りだよお、ごめんなさいヤっちゃいましたよケダモノですよお、出来心で仕事差し支えてるよ悩んでるよ馬鹿だよ笑えよ、あははっ凹」

山の湖畔の飯屋でナニ叫んでんだろね?笑

なんて感想と周り見たら客あと一組だけいてさ、遠い席からナンダロって貌でコッチ見てた。
これ以上はご迷惑だろなって思ったから熊鍋さっさと空けてさ、会計割り勘で済ませて外に出てから笑ってやった。

「職場恋愛は地雷だって前に言ったろが?それも好み違うのにヤったってさ、単に童貞卒業を焦ったんだろ?ばかだなー笑」 

こいつ割と純情っていうか不器用なんだよね、笑
だからマトモに恋人いたことが無かった、で、友達は凹み笑いで白状した。

「うーその通りですよ馬鹿ですよお、あーもう海外までツいて来られたら俺完全に詰んでるよなあ、凹」

完全に詰んでる=先輩と同棲→結婚
って流れがあるんだろな思ってさ、だからヒント出してみた。

「ついて来られなきゃイイじゃん?そしたら解決だろ、笑」

あっさり答えたら友達の目が大きくなってコッチ見てさ、
その貌がまた面白いなあ思いながら笑ってカメラ準備し始めたら、友達に手を合された。

「おまえナンか良い案があるんだろ?お願い教えて!」
「それくらい自分で考えろ。甲斐性すこしは見せてみな、ドーテー卒業でオトナになったんだろ?がんばれ、笑」

ナンテ感じに軽くSって撮り始めて、放置された友達はボンヤリ遠く視ながら考え始めた。
よく晴れた冬の午後は光線が斜めに強く射して枯尾花が綺麗でさ、水面の漣も佳かった。
で、好きなだけ撮り終ってカメラ仕舞ったら友達また拝みこんだ。

「お願いだから教えてくれよ、俺いまホント解らねえんだって、お願い!」
「別の恋愛させればいいじゃん?笑」

さらっと答えて歩きだしたら友達びっくりした貌になった。
どういうことなんだろう?そんな貌がコッチ見るから思ったまんま言ってみた。

「前におまえ、後輩でカッコいいヤツ入って来たとか言ってたろ?そいつと彼女と3人で飲み行きな、で、何度か中座して2人きりにすればイイよ。
帰りも後輩に彼女送らせな、おまえは用事入ったとか適当言えばイイ。そうやって彼女と後輩の二人時間つくれば彼女そのうちソッチいくと思うよ?
彼女も男日照り寂しくてオマエの童貞ロスト希望と合致した感じじゃん?だったらイケメンとの未来期待させればソッチ執着して海外赴任も断るだろ、」

いわゆる当て馬を後輩クンにさせろって提案、
こんなアドバイス自分でドウなんだろ思いながら笑ったら少し焦ったみたいに聞いてきた。

「でもソレじゃ後輩に悪くないか?自分が嫌だからってメンドウ押しつけるみたいだろ、」
「その後輩モテるタイプなんだろ?だったら適当に躱すくらい出来るよ、もし逆セクハラやパワハラになりかけたら助けてやればイイだけ、笑」

その後輩の方がオマエより甲斐性あるんじゃない?
そんなトーン笑ったら溜息まじり言われた。

「ホントおまえって敵に回したくないなー相変わらず怖いヤツ、笑」

褒め言葉なのか貶されているのか?そんなセリフ高校時代も彼よく言ってくれてたんだよね、笑
コウイウのもナンカ懐かしいなって思いながら笑って訊いてみた。

「ソンナコト言うってコトは、コレ当たりそうなんだ?笑」
「おまえの言った通りなると思う、よく俺の話だけでソコまで想定できるよなあ、ホント怖いヤツ、笑」

感心×クサしながら笑ってくれる、その貌が少し安心した空気になってた。
ほんと悩んでたんだろなって感じが解かってさ、そういうのも高校時代から遠くなったなって思ってたら訊かれた。

「おまえの方は最近ドウなんだよ?秋に別れたとか言ってたよな、ソッチも年上だったろ?」

この質問なんか最近多いな?笑
そんな感想可笑しくて笑いながら正直にまた訊いてみた。

「バイセクシャルのひとに告白されたら、おまえドウ反応する?笑」

質問に気の好い顔が考えこんだ。
そのまま5歩くらい歩いて、それでコッチ向いて感心気に言ってきた。

「おまえが男にも女にも惚れられるってナンカ納得だなーこのまま高校に遊び行こ?センセイにソレ話してみろよ、笑」

ちょっと面白い先生がいるんだよね、笑
その先生の意見を聴いてみたいって発想は解かるなって思った、で、訊いてみた。

「日曜だけど先生ガッコに居んの?笑」
「部活で来てるはずだよ、大会近いからって俺も昨日はコーチやらされたんだ。今から行けばちょうど部活終わる頃だしさ、笑」

なんてカンジで急に母校へ行くことになった、予想外だけど、笑



とりあえずココで一旦切りますけどまだ続きます、
おもしろかったらコメントorバナー押すなど頂けたら嬉しいです、気が向いたら続篇載せます、笑

このあと第74話の続きか短篇連載かナンカの予定です。
小説ほか面白かったらバナーorコメントして続き急かして下さい、笑

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚44

2014-03-27 22:30:00 | 雑談寓話
こんばんわ、
雨予報どおりだった神奈川です、咲きかけた桜どうだったのかなと。
この雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるので続きまた載せます、楽しんでもらえたら嬉しいです、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚44

同僚御曹司クン告白から一週間後の土曜日、
麻里=2歳上女性で年下の彼氏持ちな友達に誘われてランチして、
そのあと公園で彼女はタバコ・自分はコーヒー飲みながら話してたんだけど。

「ね、最近は恋とかドウなの?秋に別れたとか言ってたよね、笑」

なんて恋愛トーク振ってくるから、

「バイセクシャルのヤツに告白されたら、どう想う?笑」

って質問返しで応えたら、
才色兼備と自他とも認める彼女らしく速攻してきた、

「えっ、ちょっとまって嫌っ!男同士の人にトモが告白されたってコト?!ウソ嫌っ!!」

ズイブン一息な叫び声だなあ、笑

なんて感想に可笑しくて笑っちゃってさ、
御曹司クンが言ってた現実と不安をライブで観たなった思った。
彼女は普通に女の人で恋愛楽しい+学歴職歴ソレなり持ってる所謂リア充な女性でさ。
だからコレが一般的な反応なんだろうなって思いながら笑ってたら、速攻2撃めが来た、笑

「バイセクシャルって男とも女ともエッチする人ってコトよね?そういう人にトモが告白されたってコトなのよね?ウソ嫌っ!ちょっと大丈夫?!」

なにが「大丈夫?!」って言いたいんだろう?笑
って考えちゃって尚更に可笑しくて笑っちゃって、そしたら綺麗な貌に拗ねられた。

「なによお、笑ってバッカでもうっ。コッチ本気で心配して訊いてるのに冗談だってこと?怒」

なんだか怒ってくれるんだよね、
その心配も怒ってくれるのも色々と可笑しくてさ、もう自分とのズレがあるんだなって気がついた。
でも勝手に笑ってるの悪いなって自分で片頬かるく叩いて納めて、それでも笑いながら訊いてみた。

「本気で心配ってさ、自分がヤられちゃったらどうしようとかソウイウこと?笑」
「バカっ、そういうことアカラサマに言わないでよっ、怒」

また怒られて、そんな彼女はツンデレモードに入りかかってた。
そういう彼女と自分との温度差を想いながら、それでも心配してくれる気持ちは有難いんだよね。
ここまでダケでも「バイセクシャル」に対する考えは自分と違う、けれどソレが友達じゃなくなる理由にはならない。
彼女は友達として自分を大事にしようとしてくれている、その心配と気持ちを思いながら話してみた。

「ソイツ自分には無茶出来ないよ?腕力的な問題も当然あるけど気持的に出来ない、それにバイだからってエロ目的ばっかりじゃ無いし、笑」

バイセクシャルでゲイ寄り男同士の場合、快楽目的だって思われがち。
そういう偏見があるってこと知ってはいたけれど、ソレが彼女の貌と言葉にリアルだった。
だから「ウソ嫌!」とか「大丈夫?」とか言ってくれる、でも違うんだよって笑ったら少し安心顔で訊いてきた。

「なにもされてないなら良かったけど、気持的に出来ないってどういうこと?」
「本気だから出来ないってコト、笑」

笑って答えた言葉に彼女はタバコを消した。
携帯灰皿にしまって真面目な貌でコッチ見て、しっかり話すぞって目で訊いてくれた。

「ねえ、その彼はトモのこと本気で好きってことよね?無理に迫れないくらい好きってホント大事でかなり本気じゃない?それで今どうしてるの?」

本気な相手をどうするの?
そんな質問はある意味で自分のこと良く解かってくれている。
だからこそ訊いてみたいなって思いながら正直に言ってみた。

「フツーに友達してるよ?前と変わらずメールとか電話して飲み行ったりしてる、自分が友達していたいから彼はその言いなり、笑」

言っていて、あらためて自分勝手だなって思った、
惚れられた強みってヤツでイニシアティブ完全コッチ持ち、そんな状況に彼女が尋ねた。

「ねえ、正直なトコ私ね、男同士とかって汚らわしいって思っちゃうんだけど。でも本気で好きだって人をテキトーするの可哀想だし、不誠実よ?」

汚らわしいって言葉、正直で良いなって思ったよ。
上辺だけ理解者っぽい貌して偽善者ぶるよりずっと良い、そういう彼女だから今回も訊いてみたかった。
きちんと飾らずに意見を言ってくれる、そんな友達に嬉しいなって思いながらコッチも正直なトコ言ってみた。

「向うが来てくれるから拒まないダケだよ?自分もソイツと友達やってるの楽しいから今まで通りは都合良いんだよね、でも去るなら追わない。
ペース乱さないで一緒にいてくれるなら大事に出来るよ、でもソレ以上を言われても出来ないし期待に応えるとか無理、踏込まれてもガード引くだけ、」

思ったまんま言ったら綺麗な貌が困ったようコッチ見てさ、
こんな困った顔してくれなくても大丈夫なのになあ思ってたら、彼女がすこし笑った。

「そういうトモだから私も誘えてるんだよね、今日もトモと出掛けるって彼に言って納得されて来てるもん、」
「ソレは会う第一条件だろ、変な誤解とか困るし、笑」

約束ちゃんと守ってくれて嬉しいなって笑ってさ、
そしたら彼女も笑って言ってくれた。

「今夜は呑もっ?そのバイな彼のコトちゃんと聴かせてよ、相談なんて立派なコト出来ないけど話して考え纏まるってあるじゃない、話してよ?」

なんだか予定ちょっと変更になりそう?
そんな空気が可笑しいまんま訊いてみた、

「夜は彼が待ってるんじゃないの?笑」
「向こうも出掛けてるはずよ。今夜は食べてくるかもって言ってあるし、トモ相手なら文句言わないわよ、」

もう今夜はシッカリ聴くわよ?
そういう顔で笑ってくれてさ、それで言ってくれた。

「トモは全く彼に気が無いんでしょ、だから恋愛トークにはならないけど。でも私にはバイセクシャルのコト聴く良い機会じゃない、でしょ?」

ちょっと意外なコト言うなって思った。
だからそのまま訊いてみた。

「麻里がソウイウコト興味持つって珍しいね、年下の彼がゲイに迫られたとかあったワケ?笑」
「そんなもん無いわよ、あなたに関わってる問題だからでしょ?」

すっぱり言って彼女笑ってさ、で、正直なまんま言ってくれた。

「トモから話聴いても結局は汚らわしいって想いそうよ?生理的に無理ってカンジだもん、でも何も知らないで批判するって嫌じゃない?」

こういう明快なトコ良いなって思う、
知っても理解出来ないかもしれない、でも知るチャンスを拒絶しない。
コウイウとこ面白くて好きだなって思いながら本音のトコで笑って答えた。

「話せるトコだけで良いなら話すよ、あと、22時には彼に迎え来てもらいなね?笑」



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山岳点景:春陽

2014-03-26 23:45:00 | 写真:山岳点景
モノトーンの光



山岳点景:春陽

春3月、けれど雪残る山は風が冷たいです。
それでも陽射しは眩しくて春っぽくなったなあと。
で、東京も桜の開花宣言が出ましたが今週末は花見も楽しいかもしれませんね、笑



いまAesculapius「Mouseion14」加筆してるとこです、眠いから途中寝落ちするかもしれませんが。
雑談寓話「或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚43」今日は午前中にUPしたんですけど、
バナー押して下さるの減ったみたいなのでドウかな思ったんですけど、続きの需要ありますか?笑

取り急ぎ進捗ほか、





私の好きな風景 30ブログトーナメント

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚43

2014-03-26 09:50:00 | 雑談寓話
おはようございます、
曇り空→雨予報らしいですけどまた眠いです、が昼ちょっと忙しいかもなんで今載せときます。
で、この雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるので続きまた載せます、楽しんでもらえたら嬉しいです、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚43

同僚御曹司クンと夜お茶した金曜夜、の翌日は友達と横浜で待ち合わせだった。
ランチ行ってみたい店があるとかで昼から誘ってくれて、だから家はゆっくり出れば良かったんだけど。
先週から続くアレコレがなんとなく重たい笑 っていうか朝晩のメールに本音どうしていいか考えこみそうで外に出たかった。

From:御曹司クン
本文:おはよー昨夜ありがとう楽しかった(顔文字笑顔)
    今日は俺もデートしてくる、でないと嫉妬メールとか送りそうでやばいから。
    なんて言ってもおまえは嫉妬とかしてくれないんだよなー(顔文字泣顔)でも愛してるよ、イヴどこ行きたいか考えといて。

休日の朝だけど彼のラブコールは無休らしい?笑
とか笑いながらも互いの感情が違い過ぎて困るなって思ってた。
こんなモードになって一週間だけど、この先ホントに友達づきあい出来るのか謎だなあと。

なにより、職場の同僚だから仕事に支障が出ることになったら問題が大きすぎる。
ソウイウの相手が異性だったらソレなり周囲も気づいて気遣い&配置換えもアリだろうけれど、
上司や先輩に相談するにも微妙すぎるし、なにより最初の経緯から話さざるを得なくなるコトは避けたかった。

お互いのキャリアに傷つける事は勘弁だな?

なんて考えてさ、こういうこと女性相手ならココまで気遣わなくてもいいのにって正直思った。
社内恋愛とかツッコんでくる女性は大概が結婚=退職って考えの人も多いから、職場=キャリア積むって発想も希薄、
だったら相手のキャリアとかナントカそんなに気遣う必要もないし、恋愛&失恋したって噂になってもフツーに受けとめられるけど。

だけど男性ならスキャンダルっぽいといわゆる出世を躓かせる要素になる、
そういう立ち回りの巧いヤツなら良いけれど、御曹司クンは表の顔とか巧いトコあるけれど今回無理な兆しがあったんだよね。

『お昼になると御曹司サンよくトモさんの方を見てるよ、誘いに行きたいなって感じでね?』

なんて同僚かつ友達の花サンに言われたけれど、その通り顔に出まくってるトコあるんだよね。
ソレは一週間で既に見たコトで、だから仕事円滑に保つ為にもよく考えて動く必要があってさ。

こういうの御曹司クンに言うと打算だなんだって拗ねるor冷静に判断できるかな?

なんて考えながらメールとりあえず放置して、
出掛けた電車の中で返信した。

T o:御曹司クン
本文:新しい恋にガンバレ、笑 こっち今日明日は圏外だから。

で、紅葉坂の図書館で調べモノして有隣堂書店で本見つけて、
気分転換してから待ち合わせの駅に行って友達とランチの席についた。
軽めのコースで近況の話なんかしてさ、コーヒーになったころ彼女に訊かれた。

「ねー、最近は恋とかしてないの?」

女の子ってホント恋愛トーク好きだよね、笑
この質問どう返そうかなって笑ってさ、とりあえず質問返してみた。

「麻里はうまくいってる?年下のヤツとナントカ言ってたよね、笑」
「うん、よく家に来てゴハン作ってくれるよー彼の親は公認みたいだけどウチの親に未だ言えてないの、やっぱ難しいと思う?」

困ってるけど幸せ嬉しいって顔で笑ってさ、
まあ彼女の両親が反対するのも無理ないのかなって思いながら訊いてみた。

「学歴と年齢のコト言われそうなんだ?」
「そうなのよー国立なんて下手に出ない方が良かったなあとか思いそう、齢も逆なら良かったんだろうけど、笑」

そんなふう笑って言う彼女の顔は惚気×困惑ってカンジだった。
そういう悩みも幸せなんだろなって顔していてさ、いわゆる花畑な顔が楽しかったけど現実を言ってみた。

「キツイこというけどさ、いわゆる三流の私大卒で資格も無くて正社員とかじゃない男なんだろ?コレって学歴より甲斐性の問題かなって思うよ、
聴いてる感じ体力あるけど大黒柱は無理っぽい男だろ?麻里が仕事して彼が主夫になるのもお互い幸せなら結婚もイイと思うよ、簡単じゃないけど、」

ソウイウコトを彼女の両親、特に父親は危ぶんで当り前だろなって思った。
それなりの良い家で才色兼備な娘だったら父親は夢も見るだろう?そんな現実に彼女が訊いてきた。

「その簡単じゃないって言うの、お父さんの説得が難しいってコトよね?」
「それも難しいけどね、年下クンの気持ちが難しいんじゃないかってコト。悪いけどプライド空回ってるカンジのヤツだから、笑」

思ったまんま言った向こう、綺麗な顔が考えこんだ。
この彼女けっこう美人でさ、その気になればモテるだろうし他の選択もあると思うんだよね。
だから彼女を見てると正直なトコ「恋は盲目」って言葉が浮かぶ、そんな感想に彼女が訊いてきた。

「それって、後々に彼が疲れてくるとかそういうこと?」
「収入も学歴も年齢も女性の方が上ってプレッシャー少なからずあるよってコト、今は良くてもね?笑」

男年下、女年上、そこにある現実は甘くないよって彼女に教えたかった。
そういうの納得してから結婚するなら何かあったとき超えるヒントにもなる、だから話してみた。

「離婚調停の事案を調べたコトあるんだけどさ、そのとき見た3件中2件がね、女性が4歳以上から年上で収入や社会的地位が上で高学歴だったよ。
どっちも離婚原因は結局浮気でさ、妻が仕事忙しくて家事疎かになってナンカ息苦しくなった夫が若い女にってワケ。でも妻にも男いるケースが多い、」

そのとき見たのは3件、でも「ケースが多い」って言う話。
そんな言い回しに気づいて麻里は訊いてきた。

「3件って今言ったけど、他にも同じような例は沢山あるって弁護士の友達とかに聴いたってコト?」
「アタリ、」

笑って正直に頷いた向こう彼女はため息吐いた。
なんかしら心当たりがある、そんな貌が哀しそうでソレでも希望を探したいって想いが見えてた。
せっかくの休日なのに重ためな空気になっちゃったなあ思いながらコーヒー飲み終えて、外に出たら彼女が笑った。

「ね、ちょっとタバコ吸いたいな?公園とか連れてって、笑」

彼女は割とヘビーな喫煙者なんだよね、笑
ソコは自分と合わないから食事の席では控えてくれる、そんな気遣い有難いなって思いながら連れて行ったら喜んでくれた。

「わー眺め良いトコじゃない?バラも綺麗、ベンチも陽だまりあったかいし、ホント良い場所、」

山手の高台にちょっといい場所があるんだよね、
そこに好きなベンチがあるから連れて行ったんだけど、携帯灰皿ちゃんと出しながら彼女が笑った。

「バラって12月も咲くのね、ここクリスマスの時とか良いデートコースじゃない?誰か連れて来たことあるんでしょ、」

今その話題ちょっとアレだな?笑
なんて想いながら正直に答えてみた、

「子供の頃からよく来てるよ、あっちのバラ園は紫とか珍しいのあって面白いんだよね。そこのカフェはウィンナーコーヒーおすすめ、笑」
「バラもウィンナーコーヒーも私大好き、だから連れて来てくれたんでしょ?ありがとね、笑」

なんてカンジに御機嫌になって一本、細いの吸い始めてさ。
こっちは缶コーヒーのんびり飲んでたら彼女が言ってきた。

「ほんとエスコート巧いよね、トモを彼氏に出来たら良いのにーとか想っちゃう、トモならお父さんも結婚OKだろうし、笑」
「喫煙者は無理、ごめんね?笑」

あっさり断って笑った隣、彼女も「だよねー笑」って笑ってくれた。
こんな会話は初めてじゃない、そういう気楽さに彼女が訊いてきた。

「ね、最近は恋とかドウなの?秋に別れたとか言ってたよね、笑」

やっぱり恋愛トークなんだ?笑
ほんとコウイウ話好きだよなー思いながら、ちょっと言ってみた。

「バイセクシャルのヤツに告白されたら、どう想う?笑」

誰とか言うことは出来ない、でも一般論として訊いてみたいなって思ったんだよね。
彼女みたいな普通に女の人で恋愛楽しいってタイプの意見を訊いてみたかった、
そしたら煙草から離れた唇がルージュ綺麗なまんま叫んだ。

「えっ、ちょっとまって嫌っ!男同士の人にトモが告白されたってコト?!ウソ嫌っ!!」

ズイブン一息な叫び声だよね?笑



とりあえずココで一旦切りますけど会話まだ続きます、
おもしろかったらコメントorバナー押すなど頂けたら嬉しいです、で、気が向いたら続篇載せます、笑

Aesculapiusの加筆校正したら短篇連載かナンカの予定です。
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第74話 芒硝act.9―another,side story「陽はまた昇る」

2014-03-25 23:35:13 | 陽はまた昇るanother,side story
And hear the mighty waters rolling evermore 一滴の環



第74話 芒硝act.9―another,side story「陽はまた昇る」

橘色、青白橡、杏子色、蘇芳、瑠璃色、そして葡萄色。

ただ一房、けれど光彩ゆたかに実りの季だと告げてくる。
もう幾度か霜を浴びたはず、それでも薄い皮のうち湛えた雫は陽を透かす。
屋敷畑の一角ゆるやかな午後の陽射しに揺れて輝く、その姿に周太は溜息ごと微笑んだ。

「きれい…11月に葡萄って珍しいよね?」
「でしょう?霜が当って美味しいのが出来ないかなって思って、試してみてるの、」

楽しげに答えながら華奢な指そっと果実へ触れる。
実を仰ぐ瞳きれいに明るく温かい、どこまでも実直な眼差し笑った。

「奥多摩は霜害があるでしょ、それに耐えられる果樹をって前から試してるの。水源林のこともして、それに受験もだなんて欲張り過ぎだけど、」

農業高校で学んだことをJA就職後も美代は生かしている。
特産物の開発に携わって、その日々が大学で研究したい意志を育んだ。
そこにある学究心は篤い、そんな眼差しが真昼の横顔に重なるようで質問こぼれた。

「ね、美代さんって光一や吉村先生とは親戚になるの?」

真昼、吉村医院で見つめた横顔ふたつは眼差しが似ていた。
あの二人は伯父と甥の血縁にある、そして今この隣にいる瞳も俤を映すよう微笑んだ。

「そうよ、遠縁だけどね、」

さらり肯定ごと振向き笑ってくれる。
日焼けあわい肌に真直ぐな黒髪は健やかに明るい、そのトーンが似ている。

―美代さんって雅人先生と似てるんだ、いま初めて気がついたけど明るい感じが似てて、

40歳になる男性と女子高生のような風貌、そんな差から今まで気付かなかった。
けれど改めて見つめた空気は親戚なのだと頷かす、その聡明な瞳が可笑しそうに笑った。

「ホント言うと私もどんな親戚繋がりか憶えてないの、でも吉村先生のお母さんの家を本家って呼んでるからね、分家とかだと思うけど、」

本家、分家、どちらも自分には縁遠い言葉でいる。
なにか目新しい想い見つめながら訊いてみた。

「吉村先生のお母さんの家が本家なの?」
「そうなの、同じ吉村さんって名字でね、本家から分家にお嫁に入ったって聴いてるよ、」

なんでもない貌で答えてくれる向う、からり玄関扉が開く。
木造しっかりした引戸から銀髪ゆれて朗らかに笑ってくれた。

「声がすると思ったらまあ、また庭で話しこんじゃって。ほんと美代も湯原くんも畑やら木やら好きだねえ、お茶淹れたからお入りなさいな、」

可笑しそうに笑った懐かしい顔が手招きする。
その言葉と仕草に恐縮しながら周太は頭下げた。

「ご無沙汰しています、2月はありがとうございました、」
「相変わらず綺麗なお辞儀だねえ、こちらこそ2月は楽しかったわ。さあ入って下さいな、」

楽しげな笑顔に誘われて歩きだす。
紅葉の木洩陽きらめく庭石を渡りながら美代が尋ねてくれた。

「湯原くん、今日は何時まで平気?よかったらお夕飯どうかなって言われてるの、5時からとかならどう?」

夕餉に誘ってくれる、その笑顔が温かい。
こんなふう迎えてくれる友達が嬉しくて周太は微笑んだ。

「ん、6時過ぎに御岳を出られたら大丈夫だけど、御馳走になって良いの?」
「もちろんよ、お祖母ちゃんもお母さんも朝から支度しちゃってるの、食べて行ってあげて?」

愉快そうに笑ってくれる言葉にまた恐縮してしまう。
それ以上に嬉しい本音があるのは、きっと自分は団欒に飢えている。

―家でもお母さんと二人きりだったけど、でも家族って空気が恋しいね…お母さんどうしてるかな、

母と食事した最後から1ヵ月を経ってしまう。
あの台所で独り母は食膳につく、その姿を想うと鼓動きゅっと締められて、そしてまた思案めぐりだす。

―環くんもお母さんのこと想う時あるよね、でもお父さん…雅樹さんのことまだ知らなくて、美代さんもどこまで、

環のことを美代はどう想っているのだろう?

いま話してくれた通り縁戚ならば環の存在を知らないはずがない。
それは光一も同じだろう、けれど二人から環の話を聴いたことは未だ無い。
その理由は雅人が話してくれた通りなのだろうか?そんな思案ごと玄関くぐり小嶌家に上がった。




(to be continued)

【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」】

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閑話:止観の桜

2014-03-25 23:30:01 | 雑談
時止めて、



閑話:止観の桜

桜の開花が東京でも出されましたね、笑
開花宣言=染井吉野っていう品種が基準なんですけど、この桜は短命です。
いわゆる観賞用に育てられてきた品種で生育も速いけれど枯死も他種より速いのだとか。

日本の桜は多種多様で四季すべて開花期があり、色も幾つかあります。
濃い紅色、白、薄紅はポピュラーですが他に黄色、黄緑色。黒色=薄墨色、水色もありました。
ありましたっていう過去形なのは現在、水色と薄墨色の桜は文献でしか見られず現存木が確認できない為です。
ウスズミザクラというと根尾谷の淡墨桜が有名ですがアレは江戸彼岸という種類で薄紅色、で、品種の薄墨桜は淡い藤色=薄墨色でした。

これだけ多様な品種なのは実生=種から育てると親木と同じ種類になる確率が低いためです。
ようするに遺伝子の変化が起きやすいってコトなんですけど、ソレを利用して江戸期に多様な改良がされました。
そんなふうに愛されてきた花木なんですけど、今でも開花前線がニュースになるほど日本では特別なトコあります。
ソンナ桜は和歌や俳句など韻文や紋様、絵画の題材にも多く取り上げられていますが、
今秋、もう去年ってことになりますけど横浜美術館で桜を観ました。

横山大観の描いた篝火×桜の絵だったんですけど、
それも独特の空気感が惹かれましたが以前、他の美術館で見た夜桜は今も記憶に鮮やかです。
どちらも描かれていたのは染井吉野ではない、もっと古い品種の桜に見えたんですけど。
ドコで見分けたかって言うと桜の花と一緒に葉が描かれていたから。
染井吉野は花が終わってから葉が出るんですよね、

秋の大観展@横浜美術館では、滝の水墨画っぽいのと夏の雨を描いた絵が印象的でした。
あと菖蒲の池を覗きこむ女性の絵があったんですけど、水鏡には女性の影が映っていないんですよね。
女性=花の精だっていう表現なのかもしれません、そこらへん図録見れば書いてあるかもしれないけど、笑
それから『屈原』会期が違って観られなかったんですが、図録だけで息呑まれます。

横浜美術館はカフェが併設されています、
観終わった後にぼーっとするのに良い空間ですけど、サンドイッチ頼んだ場合はご用心かもしれません。
秋で寒め=エアコン効いてた所為だと思うんですけどパンがすぐ乾いてしまい口の水分もってかれました、笑
でも味は悪くないですしコーヒーとか普通に美味しかったんで、買ったばかりの図録ノンビリ眺めて良い時間でした。

第7回、ミュージアム・ミュージアム ブログトーナメント



Aesculapius「Mouseion13」校了です、雅樹@光一の運動会にて父親やってます、笑
第74話「芒硝act.9」短めですが校了しています、小嶌家庭でのワンシーンです。
このあと短編連載かAesculapiusの続きを掲載します、

深夜に取り急ぎ、




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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚42

2014-03-25 15:26:11 | 雑談寓話
こんにちは、休憩合間ですが春眠らしくホント眠い、笑
で、この雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるので続きまた載せます、楽しんでもらえたら嬉しいです、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚42

金曜夜の某コーヒー屋にて、同僚御曹司クンと夜お茶してたんだけど。
明日はデートだから遅くなるの無理だよって正直に言ったら直球な台詞ぶつけられた。

「明日おまえとデートする相手のコト憎ったらしいくらい羨ましい。クリスマスイヴ俺だって誘いたいもん、」

発想なんだか乙女ちっくだな?

っていうのが正直な感想だった、でもコウイウもんかなあとも思ったよ。
イベントな特別っぽい日は好きな相手と過ごしたいって発想なんだろうけれど、
そういうのまったく自分も無い訳じゃない、だから決めてる予定あったけど訊いてみた。

「なんで誘いたいワケ?笑」
「そりゃーさー好きな相手とイヴしたいじゃん、拗」

ま、そういう返事するよね?
なんて予想通りの展開に笑ってSった、

「ふうん、じゃあ一緒したらナンカ期待させちゃうよね?だから無理、笑」

期待させるのは嫌だったんだよね、
彼のコト嫌いなわけじゃない、自分と違う視点を持ってる&無様メンドクサイけど潔癖なトコ好きだった。
ニセモン笑顔仮面・イイワケ多い・女々しい・メンドクサイヤツだけどカッコイイ貌ちゃんと持ってる、だから友達でいたかった。

恋愛で相手は来る、でもコッチは友達続けていたい。
そうしたかったら期待は潰す+でも一緒の時間を楽しませればイイ、いわゆる生殺し。
こういうの狡いって人も当然いるし男女なら不実だと謗られる、それでも自分はソレやっていたくて笑ったら御曹司クンは言ってきた。

「ぜったい期待とかしない、それならイヴ一緒してくれる?週末だし、」

そこまでして一緒にいたいって、どうよ?

なんてこと思った、で、コッチの思う通りにはなってるけど哀しくなった。
ソンナに大切にしたがる日を自分と一緒に居させていいのか解らないなって思ってさ、
だったら諦めてもらう方がイイかもしれないって思いながら、とりあえず12月24日の予定を正直に言った、

「昼は親にケーキ買って帰る約束してるから無理、そのあと約束一コしてる、笑」

ホントにそういう予定だったんだよね、
だからありのまま言ったんだけど御曹司クン重ねて訊いてきた。

「その約束ってさー…もしかして本命?」

やっぱソレ気になるんだ?
まあ気になるの仕方ないだろなって思いながらコーヒー飲んで笑った。

「夕飯はとりあえず予定無いよ、今のとこはね?笑」

その年のイヴは夜、ホントは独りで過ごすつもりだったんだよね。
それまでイヴが独りだったことは無くて子供時代は友達と家族&学生時代からは恋人ってカンジに誰か一緒だった。
だけどその年は独りでいたくて、独りだってことに期待してたことがあってさ。だから空けてあった予定に笑顔が飛びこんだ。

「イヴの夕飯おごらせて?車出すから好きなトコどこでも連れてくから一緒にいさせてよ、期待とか絶対しないし友達でいいから、」

やっぱり誘われることになるんだなって思った、笑
こうなること解かって言ったけど、予定を言っちゃった自分がホントは狡い。
でもコウなることも遺志なのかなって思ったりしてさ、なんだか執行猶予みたいな中途半端な気持ちで笑った。

「ドタキャンしたらゴメンね?」

こんなこと許してくれるのかな?
そんなこと考えながらコーヒー口付けた前で、友達は幸せな貌して笑った。

「ドタキャン予告とかってホントSだよなーでも約束守るおまえだって知ってるし、笑」

約束を守る、
そんな言葉は何げなくて信頼してるよって言ってくれてる。
だけど今このタイミングで言われたことは本音ざっくり刺さって、それでも顔で笑いながら独り考えてた。

『君のことだから恋にならんだろうし、ノーマルの方が生きやすいのも本当だからね。お互いに人として誠実に向きあえたら良いなって思うなあ、』

一週間ほど前に父に言われた通りだって考えながら納得してた、
今も御曹司クンは一生懸命に一緒にいたいって伝えて笑ってくれる、そういうの誠実だなって思ったよ。
その誠実さには恋愛っていう動機がある、ふり向いてほしい期待が無いって言えば嘘だろうし幸福になれるって信じてる。

だけど自分は恋の欠片も無い、彼が自分を恋したところで幸福になれないって思ってる。
相手の気持ち欠片も応えられない自分のコトいつか御曹司クンが苛立つかもしれないとも思ってたんだよね。
それでも友達としては傍にいてほしいなって思い始めてたから、ドッカ執行猶予みたいな感覚でイヴの予定とりあえず笑った。

「店の予約とかするなよ?笑」



とりあえずココで一旦切りますけどまだ続きます、
おもしろかったらコメントorバナー押すなど頂けたら嬉しいです、で、気が向いたら続篇載せます、笑

Aesculapius&第74話の加筆校正したら短篇連載かナンカの予定です。
小説ほか面白かったらバナーorコメントして続き急かして下さい、笑

取り急ぎ、



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Short Scene Talk ふたり暮らしact.41 ―Aesculapius act.51

2014-03-25 00:55:14 | short scene talk
二人生活@ playground4
Aesculapius第3章act.13の幕間



Short Scene Talk ふたり暮らしact.41 ―Aesculapius act.51

「吉村すげえ、ぶっちぎり1位じゃん、笑(やっぱりすげえなあ)」
「走るのは逃げ足で鍛えてるからね、(笑顔)(思い出しちゃうねオヤジのコトおふくろのコト)」
「逃げ足って吉村、ナニから逃げてたわけ?(クマとかだったりして)」
「ん、オヤジに悪戯して猛ダッシュしてたからね(いつもオヤジ面白かったな反応が陽気でさ)」
「あ(しまった俺また失言ってやつしちまった凹)あー吉村って悪戯好きなんだ?(ソッチに話し持ってこっと)」
「うん、悪戯は大好きだね(笑顔)でもコッチ来てからはしてないね、(雅樹さんには悪戯したくないね悪戯より何万倍ずっと雅樹さん大好き)」
「へえ、なんか吉村の悪戯って凄そうだよな?笑(知能犯って感じするよなあ)おっ、父さんたち集まってるぞ、」
「ホントだね、父兄リレーどんなだろね?(笑顔)(雅樹さん腕まくりしてるカッコいいねっ何番目に走るのかねやっぱアンカーかね)」
「兄貴のとき見たけどクラス対抗でさ、フツーは半周だけどアンカーだけ一周するんだよな、たしか(ソンナ感じだったよな)」
「ふうん、じゃあ俺たちのリレーと同じカンジだね、(アンカーだけ一周で練習したもんね)あ、(並び始めてる雅樹さんも)」
「お、吉村の父さんがアンカーっぽいぞ?笑(いつも父さんアンカー多いけど今日はサスガに譲ったんだなあ)」
「うんっ(御機嫌笑顔)(やっぱ雅樹さんアンカーだよねっ走ってるとこ2倍見られるねっ嬉)」
「あ、俺んちの父さんトップみてえだ、第一走者とかって緊張しそう、笑(やっぱ花形ポジションだな父さん)」
「へえ、あれが荒木のオヤジさんなんだね?ナンカ似てるね、(目の感じとか笑ってる顔そっくりだね俺と雅樹さんドッカ似てるとこあるかね)」
「うん、ナンカよく似てるって言われるんだよなあ、笑 でも吉村も父さんとナンカ似てるとこあるよな?(ドッチも綺麗な貌だよなあ)」
「ホントっ?雅樹さんと似てるんなら嬉しいねっ(御機嫌笑顔)いちお血繋がってるしねっ(ジイさんと吉村のバアさんが従兄妹だっけね)」
「元から親戚のお兄さんだって言ってたよな?姉さんも美人だし吉村ん家って美形だよな、(可愛い美代ちゃんも親戚だとか言ってたし萌)」
「ん、なんでそう思うかね?(雅樹さんはホント別嬪だけどねっ)」
「だって美代ちゃんも親戚なんだろ、あの子すげえ可愛いしさ(照×萌)あの男の人もカッコいいよ、やっぱ親戚なんだろ?(誰なんだろ)」
「雅人さんは雅樹さんの兄さんだね、オヤジさんの吉村先生そっくりだよ?(性格は雅樹さんと先生が似てるカンジだけどね)」
「その吉村先生もお祖父さんで、あの雅人さんって人は伯父さんってコトか、(吉村すごい可愛がられてそうだよなあコンナ綺麗だし優秀だし)」
「うん、そうなるね(笑顔)(そうだ雅人さんに代休の時お願いしてみよっかね一度はって思ってたしさ雅樹さんのアレも知りたいね好奇心×照萌)



Aesculapius第3章act.13の幕間というか裏より光一@運動会
中学生のワンシーン+雅樹のことばかり考えている光一4です、笑

Aesculapius「Mouseion13」加筆校正まだします。
それ終わったら第74話か短篇連載かナンカの続き掲載します、

取り急ぎ、笑



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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚41

2014-03-24 13:50:03 | 雑談寓話
こんにちは、春だなって空な昼下りです。
3月下旬になって春の花アレコレ咲きだしました、外歩きの良い時期ですけど花粉症は注意ですね?
で、この雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるので続きまた載せます、楽しんで急かしてもらえたら嬉しいです、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚41

同僚御曹司クン電話告白の翌週、年末らしく忙しいまま過ぎて。
昼ゴハンも夕方近くなるほど時間に追っかけられる、そういうカンジは師走って語源通りだ思ったり。
そんな慌しい平日なんとか超えて金曜日残業後、22時前のエレベーターホールで御曹司クンに捉まった、笑

「やっと捕まえたーお願いコーヒー1杯でいいから一緒して?」

今週マジ忙しいから確約は無理だけどコーヒーならイイよ、そのとき次第だけどね?
なんてメール返信した月曜週初めから金曜週末になっても御曹司クンしっかり憶えていたらしい。
で、嘘吐きにはなりたくなかった&週末だって余裕な気持ちからコーヒー飲んでも良いなって頷いた。

「ホント1杯ならイイよ、笑」
「あ、やっぱコーヒーじゃないとダメ?週末だけど呑みとか無理?」

なんて訊いてくれるアタリ、月曜に思った通りだなって思った。
なんとか一緒にいる時間を伸ばしたい、ソウイウご希望が台詞と目から解かるんだよね。
そのご希望ちょっと困りながらコッチも正直に言ってみた。

「明日フツーに早いから無理、笑」
「あ、ドッカ出かけるんだ?また圏外のトコ?…あ、」

歩きながら訊いて、ちょっと御曹司クンの声が止まった。
いま失敗したかもしれない?そんな目でコッチ見て言ってくれた。

「ゴメン詮索っぽいこと言ったよな俺、忘れて?」

束縛されるのとか自分は無理ってメール月曜に送ったな、ってコッチも想い出した。
ソレ御曹司クンは遵守してくれるつもりらしい、そういうの有難いなって思いながらもSってみた、笑

「ある意味で圏外だね、明日デートだから、笑」

正直ありのまま笑った隣、御曹司クンの目が大きくなった。
で、不貞腐れた、笑

「…なんだよもーおまえ俺の気持ち解かってるクセにそういうこと平気で笑って言ってくれちゃってさーホントSイジワル、拗」

やっぱり拗ねるんだ?笑

コンナ相変わらずが言うてしまえば面白い、で、面白がってる自分は確かに意地悪で。
そういう自分だよってコト隠すつもりもないから揄い半分+正直なトコ言ってやった、

「おまえと話すのも楽しいけどね、他にも話したい相手は当然いるし一日一緒して楽しい相手もいるよ?独り占めしたいとか誰にも思わないけどさ、」

一緒にドッカ歩いて、一緒に食事して、一緒の時間を会話する。
そういうの色んな人としてみること自分は楽しいなって思うまんま言って、そしたら訊いてきた。

「おまえって博愛主義?」

そういう解釈もあるんだな?笑

なんて可笑しくて笑いながらコーヒの店に入って、オーダーして。
思ったより空いている席の一つに座ってさ、コーヒー飲みながら思ってるまま言ってみた。

「ずっと一緒にいたいって思わないだけだよ、色んな人と話して色んなこと聴いて考えるの面白いしさ、独りでいる時間も気楽で好きなダケ、」

ホントそれだけの理由、笑
そのまんま笑った前から御曹司クンは訊いてきた、

「ソンナに色んな人と話すって面白い?俺はさー…安心して話せるって誰とでもは出来ないから、」

安心して話す相手は限られている、
そんな言葉は御曹司クンにとって当たり前なんだろうって思った、
バイセクシャルで本気に恋するのは同性、そんな恋愛×性愛に生きてる御曹司クンは少数派であることに何度か傷ついている。
また傷つくのは怖いから「誰とでもは出来ない」の当たり前かもなって思いながら、そういう彼とは違う自分のまま言ってみた。

「人と話すことってさ、本を読むことと似てるって思うんだよね。知らない考え方や話を教えてくれたり、同じ経験や考え方を頷いたりさ?
新しく知るコトも知ってるコト再確認するのも、どっちも世界を変えてくれるから面白いよ?だから人も本も色んな相手と会ってみたいダケ、笑」

そういう1人なんだよね、御曹司クンも。
そういう中で向きあって話してるんだよって本音に御曹司クンは訊いてきた。

「でも、付き合ったこともあるんだよな?秋にも別れたとか言ってたし、」
「あるよ、ちゃんと付合ったことは多くないけどね、笑、」

お互い「好きだよ」って付き合ったことは多くない、
それでも一度じゃない事実から気づくかドウかなって思ってたら、御曹司クンが言った。

「今ホント言うと俺、明日おまえとデートする相手のコト憎ったらしいくらい羨ましい。クリスマスイヴ俺だって誘いたいもん、」



とりあえずココで一旦切りますけどまだ続きます、
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Aesculapiu「Mouseion13」加筆まだします、倍くらいはするかなと。
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第74話 芒硝act.8―another,side story「陽はまた昇る」

2014-03-23 23:55:13 | 陽はまた昇るanother,side story
Hence in a season of calm weather 風の告白



第74話 芒硝act.8―another,side story「陽はまた昇る」


環は雅樹の息子だよ、戸籍では父の養子で弟になってるがな。雅樹が死んだ後に生まれた試験管児だから、


ざあっ、

梢の鳴って木の葉ゆるやかに舞い落ちる。
見あげる森は光きらめく天蓋に枝を交わして空を透かす。
あの彼方には逝ってしまった人たちが住む、そんな伝説を遠い声に見つめて吐息こぼれた。

「…どうして、」

どうして、雅樹は消えてしまったのだろう?

どうして彼が逝かなくてはいけなかった、なぜ生きてくれなかったのだろう。
どうして遺すもの多すぎる命が消えたのか、消えてしまわなくてはいけなかったのか?
今も彼が生きていたのなら泣かずに済んだ涙が多すぎる、それを今日、偶然から知ってしまった。

『それなら湯原くん、罪滅ぼしに秘密ひとつ預ってくれるかい?』

そんな言葉に微笑まれて自分は頷いた、そして告げられた声また深く響く。

『環は雅樹の息子だよ、戸籍では父の養子で弟になってるがな。雅樹が死んだ後に生まれた試験管児だから、』

告げられた真実は未知の世界で、けれど全てが現実だった。
知らされた現実は秘密として預って、それが重たくて、重たさの分だけ生命の温もりが愛おしい。
ただ愛しくて愛しい分だけ哀しくて、だから理不尽に想えて傷んで苦しくて、遺された心たちに周太は泣いた。

「…っ、」

嗚咽そっと呑みこんで視界ゆるく滲みだす。
あふれて伝わす温もりに頬は濡れてゆく、そして雫一滴ふっと山路へ砕けた。

「ぅ、っ…」

一滴、また雫は落ちて登山靴に砕けて消える。
俯いてしまう視界もう滲んで解らない、いま零れる涙どうして止まるか解らない。
こんなふう泣いてしまう事は恥ずかしくて、それでも温もり伝ってゆく頬ぬぐって周太は森を仰いだ。

『罪滅ぼしに秘密ひとつ預ってくれるかい?雅樹の伝言を頼みたいんだ、いつか光ちゃんと環に話してくれ。もし俺も父も話せなかった時は頼むよ?』

そんな言葉に笑って雅人は秘密を告げて「いつか」を自分に託してくれた。
それは雅樹が遺した想い護るためでいる、けれど雅人が自分を巻きこんだ理由は解らない。

どうして部外者の自分に雅人は、秘密を話したのだろう?

その答えを訊くことも出来なかった。
訊いてはいけない、そう雅人の眼差しに想えて訊けないまま吉村医院を出た。
雅人が自分に話した真意など解らない、それでも雅樹に廻る命の物語は意志をくれた。

―本当の理由なんて解らないけど、でも、死んだら駄目だって教えてくれたかったのも本当なんだ、

ある一人が死ぬ、それが幾つの運命を変えてしまうのか?

消えたのは一人だけ、ただ一個の死、けれど変わる運命は一個で済まされない。
逝ってしまった本人が知らなくても、望まなくても、あるべき幸福も哀痛も生きる場所すら変ってしまう。
そんな現実を雅樹の死と生から教えてくれようとする、そのために秘密を与えてくれた、そこにある願いに涙ごと空を仰ぎ立止った。

「どうした周太?あ、…」

呼んでくれる声が戻ってきて立ち止まる。
空仰いだ視界の端でチタンフレームの眼鏡きらめく、その眼差しに周太は微笑んだ。

「ん…ごめんね賢弥、ちょっと考えごとしてた、」
「うん…そっか、」

頷いて眼鏡の瞳が見つめてくれる。
そのまま並んで歩きだして闊達な声そっと笑ってくれた。

「周太、木曽の森も一緒に歩こうな?俺の故郷もいっぱい自慢したいとこあるよ、」

ふるさとの森を一緒に歩こう、自慢したい。
こんな誘いは友達なら普通だろう、だけど賢弥の記憶を自分は知っている。
この夏に話してくれた過去も恋愛も木曽の森が抱く、そこに見つめる約束に周太は微笑んだ。

「ん、いっぱい自慢を聴かせて?」
「おう、腹いっぱい聴かせるからな、」

笑って頷いてくれる眼鏡の瞳は闊達なまま温かい。
けれど眼差し深く涙は溜まっているだろう、そんなふう見つめて夏の声が泣く。

『ずっと木曽の山も川も全部が単純に好きだった、その全てに弥生との想い出が笑ってくれるんだよ…でも遺伝学で言ったら危険すぎて結婚出来ない、』

弥生、たった数日違いで学年が分かれた賢弥の従姉。
春三月生まれと四月生まれ、その近しい誕生に寄添い二人は生きていた。
そしてお互い恋して、結ばれて、けれど知らされた血縁の濃さに未来の子供を案じてふたり別離を選んだ。

『もしも子供が出来ないんなら一緒にいる選択もあるよ?でも弥生は跡取り娘なんだ、子供は欲しいんだよ…だから別れた、』

祖父母が従兄妹、その娘たちが二人それぞれの母だった。
その濃すぎる血縁に別れてしまった二人でいる、けれどもし「子供」に別の可能性があるならば?

『環は雅樹の息子だよ…雅樹が死んだ後に生まれた試験管児だからな。雅樹は精子ドナーに一度だけなっていたんだ、条件付きでな、』

試験管児、いわゆる体外受精で生まれた子供。
ドナー提供された精子と母体の卵子から生まれて、だから子供と母体の夫には血縁関係が無い。
それでも育てる時間の交わす記憶と感情に父親となり家族を築くこともある、けれど環の現実は違ってしまった。
遺伝学的父親と戸籍上の父親、そこにある隠された現実に生きる少年を知ってしまったからこそ今、周太は問いかけた。

「賢弥、試験管児って知ってる?」

言葉にして見つめた隣、銀縁眼鏡ゆっくり振向かす。
その明朗な瞳ひとつ瞬いて尋ねてくれた。

「不妊治療に遣う方法だろ?医学部のヤツに聴いたことあるけど、」
「ん、それだけど…」

相槌に頷きながらも躊躇い呑みこんでしまう。
もう口にしてしまった質問、けれど踏込んで良いのか解らなくなった途惑いに闊達なトーン笑ってくれた。

「もしかして周太、弥生のことでソレ言ってくれてる?」

ほら、やっぱり賢弥は気づいてしまう。
だからこそ解かってしまう友達の想いに唇噛んで、それでも頷いた。

「うん、試験管児はお父さんとの血縁関係は無いから夏に話してくれたことも大丈夫って…賢弥も考えたこと、あるの?」
「あるよ、」

さらり答えて闊達な瞳が笑ってくれる。
その眼差し穏やかなまま口を開いた。

「跡取りは弥生だ、だから弥生の遺伝子を継いでるなら良い、俺の遺伝子が無い子供でも良いんだ。だから試験管児も有りだって俺も考えたよ、でも、」

でも、

そう言葉を止めて日焼けあわい貌が前を見る。
視線の先、青木と美代が楽しげに木洩陽ふる道を行く。
今こちらは気にしていない、そんな後姿に微笑んで賢弥は教えてくれた。

「でも、知らないヤツの子供を妊娠するってコトだろ?きっと辛い想いさせる、俺じゃないヤツと恋愛して子供授かる方が弥生も子供も幸せだよ、」

辛い想いさせるから選ばない、そして幸せでいて?

そんな選択に微笑んだ瞳は穏やかに明るくて、祈り見つめる深まりの温かい。
こんなふう明るく笑っている分だけ逢えない想いの輝き愛しくて、まばゆくて、きっと枯れない花に咲いている。




(to be continued)

【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」】

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