Running On Empty

Pretenderの備忘録

クラシックへの挑戦状

2020-03-27 22:07:57 | 読書
大友直人著

非常に興味深く読んだ。

大友氏の演奏は、マーラーとか、私の好みの時に何度か聞いた。あと、三枝さんのオペラ、滝の白糸や広島等、話題になるものを聴いている。外さない指揮者だなという印象はあるが、正直、あまり強い印象は残ってない。また、背が高く、ルックスも良く、カッコつけてるなという色眼鏡で見ていたと思う。

生い立ちについては、初めて知ることばかりだった。彼の同世代はみんな海外でキャリアを積んできたが、なぜ行かなかったのかと思っていたが、それについては、良くわかった。現在は、欧州の歌劇場に若い有望な日本人がいると聞いているが、結局小澤さん以降、日本人は海外に出たが、箔を付けて帰国してというのが現状になっている。そういう中で、日本で、葛藤もあったろうが努力してきたことは、評価できると思う。また、小澤さんに対して、喧嘩を売るとまでは行かずとも、かなりアンチテーゼ的なことを書いたのも、勇気が要ったことだろう。

ポピュラーを聴くのは驚いたが、そのアーチストの一人に私が大好きなリンダ・ロンシュタッドが入っていたのは何か、嬉しくなってしまった。

日本人がクラシック音楽をやる意味、日本でのクラシックのあり方等、いろいろと考えているのだなと思った。時々、歌舞伎座で見かけるが、それも、クラシック界を考えるヒントとしているのだなと感心した。たまには、一階でなく、一幕見とは言わないが、三階でも観てみると、またヒントがあるかもしれない。

あと、佐村河内氏のことをきちんと書いていることはとても、フェアで好感が持てた。
あの事件のあと、大賀ホールで、堤さんのバッハ無伴奏全曲演奏会があった。夫妻で聴きにきていらしてて、たまたま、軽井沢駅のカフェで、近くの席だった。バッシング直後くらいだったので、一言「頑張ってください」と思わず声をかけてしまった。奥様が、カレーを食べながら、「恥ずかしいところ見られちゃったわ」と笑っておっしゃっていたのが、微笑ましかったという、思い出がある。

次回、何を聴くかまだ決まってないが、楽しみになった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする