もう使われなくなったビニールハウスの天井を覆うつる。よく見ると薄紫の丸っこい花がたくさんついています。
アケビには葉っぱが5枚のと3枚のとがあるそうですが、ここのは5枚でした。アケビの花と言えば、実家の柿の木のそばにアケビの木があって、花は咲くのに実がなったことがありませんでした。あの木の花は濃い紫だったような気がするのですが、こんなに薄い紫のきれいな色だったかしら。
斎藤茂吉の短歌「死にたまふ母」の中の
「寂しさに堪へて分け入る我が目には?ぐろと通草の花ちりにけり」
を思い出します。もしかしたらこの短歌を覚えた後、アケビの花は暗紫色と思いこんだのかもしれません。それとも種類がちがっていたのかな?
見ようによっては濃い紫に見えます。これを母の死と結びつけて「黒ぐろと」と表現した感性、改めてすばらしいと思いました。
秋にはたくさん実がなるのかな? これほどたくさん咲いているのに、実がなった形跡がないのが不思議です。
外へ出るために、最初に入った入り口まで帰ることにしたわたしたち、左右のお店を確認しながら引き返しました。
途中まで帰ったところで、はたと立ち止まりました。
どちらを向いてもここから先は見覚えがない
「さっきもここでわからんようになったね。」
そこは、斜め向こうに銀行が見える場所。
「来るときは銀行はなかったでしょう?」
そこで、台車に荷物を積んで通りがかったお兄さんを呼び止めました。
地図を見せて
「ここへ行きたいんですけど。」
するとお兄さん、運びかけの荷物をそこに置いて、笑顔で
「こっちです。」
と、急ぎ足で案内してくれました。
そして、さほど遠くないところにある扉まで行って
「ここから行けます。」
おお~、忘れてた。 スタッフオンリーの通路
道理で、突然見覚えのない場所が現れるはずでした。
それにしても親切なお兄さんでした。 ふつうなら口で説明して終わるところを、仕事を中断してわざわざ連れてきてくれてー。 若いかわいい女の子ならともかく、こんなおばさんたちのために。
ありがとう。
わたしたちは無事リボンを返して外へ出ることができました。
店の前で、後便で荷物を運んできたFさんが待ちくたびれておりました。
改めて、外からお店の鍵を開けて・・・・・
3人で、持ってきたカウンターを運び込んだのです。このカウンター、弟の手作りです。
時間にして5分ばかりでお手伝いは終了。
以上、「エミフルで迷子になる」の巻でした。
お・し・ま・い。
いよいよ明日はエミフルオープン。そして土曜日はグランドオープンです。
皆さん、エミフルに行かれたら、あぼんりーの新しいお店「フローラ メイ」もよろしくね。