山頭火が好きであった。
かつてのボキは。
放浪の生活と、オノレを捨ててしまったような生活に、憧憬したもんじゃった。
中学生以来である。
しかし、今は違う。
やはり山頭火はインテリであり、知識も、そのよってきたる精神生活も、自分で身につけたいわば自力の結果でしかなかった。
廃人同様の生活に、価値はなかったのかもしれない。
そのことに山頭火自身が一番気がついていたんじゃろうなぁ~。
自分で見つけたものは、滅びるしかないのかもしれない。
酒に逃避して、放浪にも逃避した。
ボキは?
逃避する場がない。
少なくとも自力で身につけたものはなんにもないからで。
山頭火を読み、我がふり直せである。
教えていただくばかりである。
それにつけても、ボキはあさましい人間である。
バカバカしいほどの。
他人のこたぁこれっぽっちも否定できませんぜ。
まったく。
あさましいかぎりであることよ。