野菜ソムリエPro. AndyのBlog

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あの「水ナス」の“先人”ならぬ“先水ナス”

2012年07月10日 20時58分44秒 | ベジフルオンリーワン
先日「ほんま旨いもん塾」で登場した、
今や、泉州のブランドとして根強い人気の「泉州水ナス」。
漬物は絶品ですね。

ナスの故郷は、東南アジア(インドのあたり)といわれてます。
一方、泉州水ナスのふるさとは、大阪府貝塚市。

貝塚市では室町時代から特産品として作られてきたそうです。

現在、人気を支えている泉州の水ナスは、
貝塚市にある2種類の原種の水ナスのお陰だといわれています。

それが、「澤ナス」と「馬場ナス」。

澤ナスは、貝塚市の海側のご当地水ナス。
馬場ナスは逆に山側のご当地水ナス。

どちらも、現在の水ナスの味や食感をギュッと凝縮されたものです。




沢ナス


馬場ナス
※実物の写真を忘れました。形はメジャーな品種である千両ナスと同じか、ちょっと縦長な感じで、
色はやや紫が薄めです。

どちらも、黒い点々が気になるかもしれませんが、
実はこれが、甘みのエッセンス「蜜」です。

これらのナス、普通のナスよりも甘みが強いのです。
さらに、いうまでもなく水分タップリ。
その為、昔は果物にかじりつくように夏場の水分補給に役立ってました。
その為、昔の文献では「水果」と書かれていました。

地元の人からは野菜ではなく、果物として愛されました。

栽培でも果物らしさを感じます。

先日「ほんま旨いもん塾」では、馬場ナスを栽培されている、
貝塚市馬場地区の農家さんに登場して頂き、
栽培の苦労話を聞かせていただきました。

現在、馬場地区における馬場ナスの生産者はたった5~6人
馬場地区の株の本数を数えると、たった1000本。

文字通り、“幻の水ナス”です。

ナスは、暑くて雨が多く、肥沃な土壌である東南アジア原産。
その為、栽培でも水と葉っぱの肥料である窒素が欠かせません。

※肥料の三要素として、窒素、リン酸、カリウムがあります。
 窒素は葉っぱの肥料、リン酸は花や実の肥料、カリウムは根っこの肥料です。

ところが馬場ナスは魚粉、骨粉が欠かせないとおっしゃってました。
つまりリン酸、実の肥料なのです。
しかも海のエキス。

島国で、魚も豊富にある日本だからこそ栽培出来るナスだと思いました。

なぜなら、馬場ナスは一般的なナスの栽培法では味が出ないためです。
また、開花して収穫まで通常のナスよりも長くかかります。

通常のナスは開花して20日で収穫。
ところが、馬場ナスは30日かかります。
30日-20日=10日。
この10日間が、味を出すために必要なのです。

また、水ナスだから、水がイッパイいるように思いますが、
馬場ナスは水が多すぎてもダメ。
味が出ないそうです。

特に今年は春先が低温、梅雨はスコールみたいな雨で、
まだ本来の味が出てないそうです。

さらに、ちょっとしただけでも傷がつきやすい。
収穫も大変そうです。

お話を聞かせていただき、
並大抵ではない苦労だと思いました。


最後に、馬場ナス、澤ナスについてのサイトを見つけました。
ご興味をお持ちの方は是非。

<馬場ナス>
*貝塚市Webサイト
http://www.city.kaizuka.lg.jp/kakuka/toshiseisaku/koryu/menu/kohokocho/wagamachi
_saihakken/h18_wagamachi_saihakken/babanasu.html


*貝塚市地域情報サイト 街コミZAQ
http://machikomi.zaq.ne.jp/view/kaizuka/398/48000/

<澤ナス>
*関西食文化研究会 食材研究
http://www.food-culture.jp/kenkyu/report02.html


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