先週までに殆どのドラマが最終回を迎え,顔の区別の付かないタレントとお笑い芸人を大量に消費すべく,ずらりと並んだヴァラエティ番組の異常繁殖と共に,TVドラマ界の夏シーズンも幕を閉じようとしている。
目玉と言える作品がなかったシーズンを,何とか引っ張っていってくれるものと期待をかけた「ゴンゾウ」だったが,最終回は犯人と大塚寧々との関係が,強引な辻褄合わせという感じにしか見えず,余韻が漂わない幕切れとなってしまったのは残念だった。
その他のドラマにしても,帯に短したすきに長し,というプログラムばかりに見える中,もう少しの間,楽しませてくれそうなのが堂本剛が見事にはまった「33分探偵」だ。
どう見ても犯人が明らかな殺人事件について,堂本剛扮する私立探偵が,事件担当の警部(高橋克美)の依頼で,助手の水川あさみとともに番組放送時間(45分枠で正味33分)一杯,突飛な推理で持たせる,というのが毎回のあらすじ。
結局,33分間の番組中,独自の理論と聞き込みによって話を持たせることが主役である探偵の役割であり,犯人捜しは二の次という点で,オダギリジョー,麻生久美子のコンビが楽しかった「時効警察」と基本線は同じところを狙っている,と言えるだろう。
ただ先週までに放送された7回のうち,堂本の推理によって,番組冒頭で仄めかされた,もしくは自供した犯人以外の真犯人を捕まえたのが2回あったため,一応推理ものとしての体裁もあり,と主張しているのかどうかは,正直よく分からない。
何故なら,出演者のキャラクターが皆きちんと立っていて,俳優が楽屋落ち寸前の所で,演技を楽しんでいるのが伝わってくるので,最早話はどうでも良い,という気分になってしまっているからなのだ。これは,私にとってかなり画期的なことだった。
キャラクターは皆,紋切り型であり,堂本剛の半ズボンも,警察グループの突拍子もない行動も,意味のない台詞も,実はワンパターンであり,視聴者の期待以上でも以下でもない。しかし実は観客が望む,もしくは予想する通りの演技と展開が,延々と飽きもせず繰り広げられることこそが,絶妙の笑いと楽しさ,つまりはTVドラマが実現しうるカタルシスを運んでくれる,ということを,この作品によって私は知ったのだ。
そう,これこそが,永遠の国民的人気ドラマ「水戸黄門」の本質を換骨奪胎した,新しい「水戸黄門」に違いないのだと,私は思っている。
この真理に思い当たったのは,何を隠そう私がこのドラマで一番気に入っている,水川あさみが時折発する変な声が,黄門様の「ほっ,ほっ,ほー」という笑い声を模したものに違いないということに,気付いてしまった瞬間だった。うん?果たしてそうでしょうか?って?「探偵!教えてくれぇ!」
目玉と言える作品がなかったシーズンを,何とか引っ張っていってくれるものと期待をかけた「ゴンゾウ」だったが,最終回は犯人と大塚寧々との関係が,強引な辻褄合わせという感じにしか見えず,余韻が漂わない幕切れとなってしまったのは残念だった。
その他のドラマにしても,帯に短したすきに長し,というプログラムばかりに見える中,もう少しの間,楽しませてくれそうなのが堂本剛が見事にはまった「33分探偵」だ。
どう見ても犯人が明らかな殺人事件について,堂本剛扮する私立探偵が,事件担当の警部(高橋克美)の依頼で,助手の水川あさみとともに番組放送時間(45分枠で正味33分)一杯,突飛な推理で持たせる,というのが毎回のあらすじ。
結局,33分間の番組中,独自の理論と聞き込みによって話を持たせることが主役である探偵の役割であり,犯人捜しは二の次という点で,オダギリジョー,麻生久美子のコンビが楽しかった「時効警察」と基本線は同じところを狙っている,と言えるだろう。
ただ先週までに放送された7回のうち,堂本の推理によって,番組冒頭で仄めかされた,もしくは自供した犯人以外の真犯人を捕まえたのが2回あったため,一応推理ものとしての体裁もあり,と主張しているのかどうかは,正直よく分からない。
何故なら,出演者のキャラクターが皆きちんと立っていて,俳優が楽屋落ち寸前の所で,演技を楽しんでいるのが伝わってくるので,最早話はどうでも良い,という気分になってしまっているからなのだ。これは,私にとってかなり画期的なことだった。
キャラクターは皆,紋切り型であり,堂本剛の半ズボンも,警察グループの突拍子もない行動も,意味のない台詞も,実はワンパターンであり,視聴者の期待以上でも以下でもない。しかし実は観客が望む,もしくは予想する通りの演技と展開が,延々と飽きもせず繰り広げられることこそが,絶妙の笑いと楽しさ,つまりはTVドラマが実現しうるカタルシスを運んでくれる,ということを,この作品によって私は知ったのだ。
そう,これこそが,永遠の国民的人気ドラマ「水戸黄門」の本質を換骨奪胎した,新しい「水戸黄門」に違いないのだと,私は思っている。
この真理に思い当たったのは,何を隠そう私がこのドラマで一番気に入っている,水川あさみが時折発する変な声が,黄門様の「ほっ,ほっ,ほー」という笑い声を模したものに違いないということに,気付いてしまった瞬間だった。うん?果たしてそうでしょうか?って?「探偵!教えてくれぇ!」