水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

推薦書の書き方 補足2 三要素系のフレーズ

2021年09月16日 | 大学入試
①「知識・技能」系
・自分の目標を見据え、とくに英語の学習に力をいれており、英語検定準一級を取得している。
・将来的に社会で生かせる知識を身につけようとする気持ちで、日々の学習に励んでいる。
・計画的に問題を整理して把握する能力をもっている。
・授業で学んだ知識をもとに、より発展的な学習をし、思考を深めようとする姿勢がある。
・論点を整理して、自分のなかに落とし込み、他者の考えやものの見方と比較しながら、自分の考えを高めていくことができる
・既存の枠組みにとらわれることなく、自由な発想で物事をとらえることができる。
・○○には特に意欲的に取り組み、本質まで深く学ぼうとする姿勢がみられた。
・日々の学習において疑問点をノートにまとめ、自分で調べたり、教員に質問したりして、着実に理解し知識を蓄積している。
・単元の内容について、たんに知識として暗記するのではなく、全体の中での位置づけを把握し、深く理解する能力をもっている。
・将来○○を専門的に学ぶ準備として、広い知識を持ち教養を高めることの重要性をよく理解している。

②「思考力/判断力/表現力」系
・既習の項目を十分に理解し、新たな単元・分野を学ぶ際にはそれを応用することができる。
・与えられた課題から問題の本質を見通し、仮説を立てながら論理的に思考する力をもっている。
・文章に書かれた筆者の主張を的確にとらえながらも、無批判に受け入れるのではなく自分の感覚や疑問点とつきあわせることで、より深い理解をしようとする。
・現代社会の授業で学習した格差の問題に興味を持ち、当事者的な意識をもって深く考え、自分の研究課題として意識するようになった。
・数学的思考力にすぐれ、解法を受け身的に学ぶことだけに満足せず、自分で別解を探したり、発展的な問題にとりくんだりしてきた。
・実験の授業においては、意味と目的を的確に把握し、結果を予測しながら計画的に取り組んでいた。
・英語の授業では、目的や場面、状況等に応じて互いの思いを適切に伝え合うにはどうすればいいかを常に意識し、自分のコミュニケーション能力を高めようと努力している。
・与えられた情報を基にして自分なりの考えを作り、積極的に発信していくことで、その考えをよりよいものにしていこうとする姿勢をもっている。
・自分の思いを他人に伝えることの難しさを自覚しながら、あきらめることなく粘り強くコミュニケーションをとろうとする。
・課題の解決には、複合的な視点で考察し、物事の本質を見極めなければならないと考えている。

③「主体性/多様性/協働性」系
・○○という目標をみすえて主体的に日々の学習に取り組んでいる。
・他者の多様な意見を先入観なく受け入れ、考え方の違いそのものに価値を感じることができる。
・意見のくい違いがあるときも、落ち着いて自分の考えを論理的に説明し、教室全体を知的な空間にする役割を果たした。
・学びを通して自己の成長をはかり、社会に貢献できる人材になりたいという希望を抱いている。
・○○のグループ学習を行った際には、メンバー一人一人の意見を尊重しながら協働して取り組み、豊かな成果をあげることができた。
・実験の授業において、班ごとでデータをまとめ分析する際には中心となって意見を集約し、綿密なレポートを作成した。
・自身の能力を発揮するには、日々の地道な努力が必要であることを知っており、生涯を通して学び続けようという強い意志が感じられる生徒である。
・集団の中での自分の役割を明確に判断し、その時々に応じて様々な意見を汲み取りながら、組織や集団をよりよい方向に導こうとする姿勢がある。
・生徒による自主的な運営の比重の高い○○部で、多様な意見をまとめ、集団としての目標を明確にしていく役割を果たした。
・○○部は、とくに個性的なメンバーが集まった代であったが、部長として部員たちの思いを聞くことを第一に考え、ときには意見を戦わせることも厭わず、結果的に強い結びつきをもつ集団を作り上げた。
・集団のメンバーの多様な良さを認め、同時に思いやりを持ちながらも、よくない点はよくないと指摘できるリーダーの資質を持っている。
・状況に応じて自分の感情を統御し、自主的に人間関係を構築していける。
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推薦書の書き方 補足1

2021年09月14日 | 大学入試
1 大学が知りたいことは、ざっくり次の3点だと考えていいと思います。

① やる気
 その大学・学部・学科で学ぶ「こと」について、強い興味関心をもち、大学でそれを学んでみたいという意欲が感じられるかどうか。学ぶことで将来世のため人のために働きたいという気持ちがあるかどうか。

② 適性
 その「こと」についての適性はどうか。得意な教科は何か、必要な能力をもっているか、基本的な技能があるか、地道にがんばれるか、継続的に学習できるか。

③ 人間性
 4年or6年の大学生活を維持できるか、コミュニケーション能力があるか、前向きに生きていこうとしているか(ふつうに迷惑をかけずに学生生活をすごせるか)。


2 学力の3要素

 今春の入試から、学力の3要素「① 知識・技能、② 思考力・判断力・表現力、③ 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」について記載させるようにとの文科省の指示がありました。
 大学は、それに従って推薦書の書式がつくっています。ただし昨年は、従来型のままの大学も相当数ありました。
 厳密に①・②・③の項目ごとを記載するべきと考える必要はないと思われます。
 まじめに勉強し部活動にも取り組んだ生徒は、上記の要素はふつうにクリアしているからです。
 「必ず3要素について記入すること」との指示がある場合には、それっぽい単語を加えてもらったりはしました。
 「主体的に」「多様な」「協働して」……みたいなのが含まれていれば、まちがいありません。
 現場教員の感覚からすると、一番民間と「協働」できなかったのは文科省だよなぁみたいな思いもありますが、しょうがないですね。

参照 「文科省作成Q&A」より
3-2-4 「学校推薦型選抜」(現行 推薦入試)における評価方法の改善点を教えてください。
 改善点は以下のとおりです。
・調査書等の出願書類だけでなく、
(1)各大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)もしくは
(2)「大学入学共通テスト」の少なくともいずれか一つによる評価を必須化することとします。
・推薦書において
(1)本人の学習歴や活動歴を踏まえた「学力の3要素」に関する評価を記載すること、及び
(2)大学が選抜でこれらを活用することのどちらも必須化することとします。
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志望理由書の書き方(2021年版)その4

2021年08月18日 | 大学入試
志望理由書の書き方(2021年版)その4

1 なぜ書けないのか。
 粗く言って二つの原因がある。
 一つは、相手のことが好きではないから。
 それほど好きではない相手にラブレターを送ろうとしても、気合いは入らない。
 ○○大学、○○学部、○○学科に入りたいと書いていながら、ほんとうにそうなのかと疑問を抱くような文章になっている。
 相手を好きになるには、どうすればいいか。
 相手のことを知ることだ。
 「愛は知の極点である」という言葉は、大学で学ぼうなどと志しているなら知ってないといけない。
 哲学者、西田幾多郎の言葉だ。
 そもそも自分が目指そうとしている学部、学科は何をするところか。
 ここに対する知識が足りない。つまり愛が足りない。
 その学問はどんな事情で、なんのために生まれたものなのかについて知らなすぎる。
 それがないと、そもそも学問は人を幸せにするためにあるという大原則を見失う。
 まず知ろう。

2 「愛は知の極点である」を自分にも適用しよう。
 書けない原因の二つ目は、自分のことを好きでないからだ。
 好きなのかもしれないけど、好き度が足りない。
 もっと好きになって、もっともっと自分を掘り返さないと。
 掘ったらいくらでも出てくる。
 こんなことがあった、こんな経験をした。そのときこう思った、感じた。
 好きなものは、食べ物は、音楽は、映画は、スポーツは、本は、何?
 あこがれる人は? 好きな科目は? 行ってみたい場所は? 国は? 大学は?
 なんでそう感じるのだろう? なんで好きなんだろう? なんでそう思ったのだろう、なんで泣いたのだろう、なんでくやしかったのだろう、なんでわくわくしたのだろう、なんでびびったのだろう、なんで驚いたのだろう、なんで笑ったのだろう、なんで動けなかったのだろう、なんで調べはじめたのだろう……。
 自分が好きなものは? きらいなものは? 今何をしたい、将来何をしたい? どうなりたい? どんな暮らしをしたい? 誰と一緒にいたい? どんな男でありたい? どう思われたい? どうなってたら満足できる?……。
 掘り起こせば、いくらでも自分はわいてくる。志望動機はその土台の上にしか存在しえない。

3 具体的にどうすればいいか。
 ノートを一冊作ろう。
 1・2のことをどんどん書いていこう。
 その上で、志望動機、学びたいこと、自分の経験をどういかしたいか、将来の進路など項目に分けて書いてみよう。

① あなたが志望する学部・学科はどのようなことを研究していますか。
② その学部・学科で扱うテーマに関連して、今、世界や日本で、どのような問題が起きていますか。
③ 上で答えた問題の背景・原因には、どのような事情があると言われていますか。
④ 志望する学部・学科の内容に関して、これまでにどんな本をこれまで読みましたか(または読む予定ですか)。これまでにどんな経験をしましたか(する予定ですか)。
⑤ あなたが、その学部・学科で、研究したいことを、具体的に、人にわかるように説明してください。
⑥ あなたは将来、どんな職業につき、どんな仕事をしたいと考えていますか。
⑦ そういう職業につきたいと思い始めたのはいつごろですか。またそのきっかけは何ですか。
⑧ そのような自分の目標を実現するために、高校時代にどのようなことをしてきましたか。
⑨ あなたは、性格面で、どのようないい点をもっていますか。どういう点がアピールできますか。
⑩ それを具体的に表すエピソードを書いてください。
⑪ あなたが志望する大学の教育理念はどういうものですか。
⑫ あなたが志望する大学の特徴はなんですか。他大学とはどの点が違うと思っていますか。
⑬ あなたが志望する大学の学部・学科に所属する大学の先生は、どんな研究をしていますか。
⑭ あなたがその大学を志望する最も大きな理由はなんですか。
⑮ 入学後、どんな学生生活を送りたいと考えていますか。
⑯ 家族はあなたにどんな人生を歩んでほしいと願っていますか(と自分では考えてますか)。

 ノート見開き二頁分に上記の項目一つ分をあてて、少しずつ書き足していく。
 たぶん、将来就活でやらないといけないのも、同じような作業だ。
 ノートがびっしりうまったときは、面接の対策も9割方終わっていると考えていい。
 
 もちろん、実際に書いたあとに添削してもらったなら、それをノートに貼って見返す。
 また書く。同じように繰り返す。
 去年、東北大にAOで受かった先輩は、けっこうな回数書き直しました。
 毎回、真っ赤っかにしました。全部ノートに貼ってました。
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志望理由書の書き方(2021年版)その3

2021年08月17日 | 大学入試
志望理由書の書き方(2021年版)その3


 具体例1(先輩の書いたものを少し直しました)。


 一般的に、都市開発と自然保護とは対立したものだと考えられがちである。しかし自然界の一員である人間が作った都市は、それも含めた大きな生態系の一部と考えることもできる。都市開発は、土地利用のあり方を考え、インフラを整備し、市街地を開発することを通じて、人間が居住するよりよい空間と環境を整える行為だが、生態系の一員としての行為であることを意識しなければならない。 【学問についての理解】

 私は、「自然環境と人間社会の生産活動が共存する地域環境空間の設計」を目指す貴学地域生態システム学科において、都市の発展、開発と共存する自然のあり方を学び、植物を中心とした自然資源の役割について研究していきたい。 【自分の目標】

 私の住んでいる地域の周りに以前あった森林は、年々少なくなってきている。子供の頃、身近な自然の中で遊んでいた経験は、自分という存在ををかたちづくる上で貴重だった。今後の子供達のために、私は自然を地域に残す方法を学び、研究してみたい。 【社会的意義】

 都市と自然との対立関係ではなく、大きな生態系の一部にそれぞれがあると考えることで、現代社会を生きる人間と自然との共生が可能になるのではないかと考える。そのような学びを可能にする大学は貴学をおいて他にはない。 【なぜその大学か】

 在学中は海外にも出かけ、他の社会の都市システムを見ることで、見聞を広め、新しい視野をもてるようにもなりたい。卒業後は、大学院でさらに自分の考えを深め、将来は、行政組織のなかで自分の力を身につけた力を発揮していきたいという希望を持っている。 【とくに学びたいこと】

 自分の夢と目標をかなえるために最適な場である貴学へ入学を強く志望する。 【結論】



具体例2

 私には、人が快適に集える空間を形作ることができる建築家として活躍したいという夢がある。それを実現するために、貴学で必要な基礎能力の養成をしたいと考え、○○大学工学部建築学科を志望する。【目標・将来像】

 建築家を目指すには何が必要か。まずは、空間に集う人々が快適に暮らせるようなプランが提案ができるだけの基礎能力が必要である。建築関連分野の知識や技術の習得はもちろんのこと、そこに住む人との対話能力も養わなければならないのだ。このような能力を養成できる学校を探していたところ、これらすべてを学ぶことができる貴学に出会った。【学問内容の理解】

 貴学では空間構造力学や建築環境工学、材料工学、空間デザインや設計製図といった基礎的な講義が充実している。また、心理学やコミュニケーション技法など、クライアントとの対話に必要な能力を育成する講座も他学部で履修することができる。さらに貴学の大学院では、○○研究室において人間生活に根ざした建築計画のあり方を積極的に研究している。私にとって申し分ない学習環境がそろっている。 【自分に必要な学び】

 以上のように、私の夢を具現化していくには最適の場であると判断し、貴学工学部建築学科に志望する。 【結論】
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志望理由書の書き方(2021年版)その2

2021年08月16日 | 大学入試
志望理由書の書き方(2021年版)その2

3 書くときに、気をつけること。

 ① 丁寧な文字で書く。

 ② 基本的に常体(~ダ・~デアル)で書く。
  ※ 敬体(デス・マス)でもよいが、幼稚になる危険性がある。

 ③ 1文が50字を越えないようにする。これは絶対。

 ④ 主語(何が・誰が)と、述語(どうする・どうだ)を対応させる。マスト中のマスト。

 ⑤ 一文内の「次元」をそろえる。これがなかなかできない。
    ○ リンゴは好きだが、ミカンは嫌いだ。
    × リンゴは好きだが、走るのは嫌いだ。

 ⑥ 1文には一つの内容を書く。

 ⑦ 段落をつくる。一段落には一つ内容を書く。志望理由の段落、志望動機の段落、入学後にやりたいことの段落……みたく。

 ⑧ 具体的に、「自分の経験・エピソード・自分にしか書けない内容」をもりこむ。

 ⑨ 文と次の文とがつながるようにする。つながらないなら段落を変える。
   文と文との関係が、「そして」「なぜなら」「くわしくいうと」「たとえば」「しかし」「また」……のどの関係になるのか。

  ☆ 上級者用のコツ……できるだけ接続詞をたくさん使って書いて、清書の段階でそれらをほとんど消してしまう。

 ⑩ その学部・学科に興味があることが伝わるかどうかを客観的に見ようとしてみる。

  ☆ できれば複数の先生(担任+教科担当みたく)読んでもらうといい。
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志望理由書の書き方(2021年版)

2021年08月14日 | 大学入試
志望理由書の書き方(2021年版)

1 「ラブレター」を出す相手を知ろう
 
 志望する大学・学部・学科は何を学ぶところか。まずはここから始める。
「この手紙の宛先って、ほんとに私であってるのかな」と相手に思わせてはいけない。
 自己紹介するまえに、まずはA、Bに答えられる状態をつくろう。

A その学部・学科はどんなことを研究するところか
 ① どのような研究をしているのですか。
 ② その学問は、どういう歴史的背景からうまれたものですか。
 ③ その研究は、人々の暮らしにどのように役立っていますか。
 ④ その学部・学科が扱う分野に関して、いま世界や日本で、どんな問題がおきていますか。
 ⑤ その学部・学科が扱う分野に関して、どんな本を読みましたか。

B その大学の特徴は何か
 ① その大学の設立理念、教育理念とはどのようなものですか
 ② どんな研究室やゼミがありますか。
 ③ どんな先生が何の研究をしていますか。
 ④ その大学は、他の大学とはどういう点がちがうのか。
 ⑤ あなたは、とくにどういうところに惹かれたのですか。


2 自分の思いを伝えよう
 1をふまえた上で、自分とはどんな人間なのかを伝えよう。

a1 将来の目標、将来像
    将来の夢は何か、どんな職業につきたいのか。
    その仕事について何をしたいのか、その仕事は何ができるのか。
    その仕事をすることで、どのように社会に役立ちたいのか。
    どんな問題を解決したいのか、自分の使命は何か。

a2 大学で勉強したいこと
    なぜこの大学・学部を選んだのか。
    その学部・学科で何を学びたいのか
    なぜ他の学部ではなく、その学部なのか、その学科なのか。
    なぜ他の大学ではなく、その大学なのか。

※ a1は明確でなくてもいい。○○が勉強したい、学びたい、研究したいという気持ちが伝わればいい。


b1 aのように考えるようになったきっかけ
    何に興味があったのか、どんな科目が好きだったからか。
    どんな出来事があったのか。いつ、どんなことがあったのか。
    どんな本を読んだのか、誰の話を聞いたからか、どこに行って何を見たのか。
    その興味に基づいて、これまで何をしてきたか。

b2 自分の高校生活
    一番力を入れて取り組んできたのはなにか。
    どのように工夫して勉強してきたか。
    部活動にはどう取り組んだか
    クラス、学校生活、学校行事にどんな姿勢でのぞんだか。
    それらの経験を通して、何が変わったのか。
    自分は何を大切にしているのか、そんな自分を自分ではどう思うか。
    そんな自分を周囲(家族・友人)はどう見ている(と思っている)か


  b(過去) 自分はこのような人生を送ってきた こんな人間だ

  a(未来) 将来こんなことを実現したい 夢をかなえたい こんな人間になりたい

 ☆(現在) しかし現状では○○が足りない( 専門分野の知識 経験 語学力 人間性 etc )

   こんな自分(b)が、将来望ましい自分(a)に変わるためには、
   ○○大学・○○学部○○学科(A・B)で学ぶことが現時点のベストの選択だ、
   という「物語」をつくろう
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推薦書(長め)の書き方

2020年08月14日 | 大学入試
 AO入試、国立の公募推薦など、かなり長い推薦書を求められる場合がある。
 あ、名称変わったんだっけ。「学校推薦型入試」「総合型推薦入試」とかに。
 先日もある生徒さんの推薦書を1000文字×2つ書いた。
「学校生活全般にわたり大変よくがんばり、人間的にも申し分ないので、推薦します」だと、40字にも満たないが、どうやって長くすればいいか。

 推薦書の威力を増すのは、具体的な実績だ。
 インターハイ優勝、コンテスト1位といった、誰が見てもそのすごさがわかる実績のある生徒さんは、そのまま書いていけばいい。そういう子は、日本一になるまでに小さな大会での実績も当然重ねているから、あっというまに行数はうまっていく。
 ただし、そんな生徒さんはほんの一握りだし、実際には、むしろたいした推薦書も必要とせず入学を認められていく。
 むしろ、目に見えた成果をもっていない場合に、何を書けばいいかというのが、多くの先生方の悩みではないだろうか。
 もちろん、その生徒さんがいい子であることはわかっている。
 明るいし、粘り強いし、前向きだし、礼儀正しいし、しっかりした目標をもっている。
 でも、そういう言葉を羅列しても、なかなかマス目は埋まらないし、人物が浮かび上がってこない。
 長くするとは、詳しく書くこと。
 つまり具体的に書くこと、エピソードを描写することが必要になる。
 「明るい性格だ。」だと7文字。

 「体育祭ではクラスの中心となってみんなを鼓舞した。大会が進むにつれ、クラスの敗色は濃厚になる一方だったが、大きな声で出場しているクラスメイトを応援し続けた。最後のクラス対抗リレーではアンカーをつとめ、前のチームから大きく引き離されたものの力を抜くこと無く懸命に走り続け、最後まであきらめない姿を見せた。最下位でゴールした瞬間にかけよってくるクラスメイトたちのまんなかで、はじける笑顔をうかべていた様子が印象的だ。」
 だと、それなりの長さになるし、描写している先生自身の視線が感じられる。
 この生徒さんを推薦したいんだろうなあという気持ちがにじみ出る。

 え? そんな絵に描いたようなエピソードがない場合はどうすればいいか?
 エピソードは「つくる」ものです。
 けっして「でっちあげる」という意味、ウソを書くという意味ではない。
 どんなささいな出来事でも、当人にとっては大きな事件であることは多々ある。
 周りから見ればなんでもないようなことでも、自分の中では大きな意味をもつことは、日常的にあるはずだから。
 A君が、となりのBさんにノートを借りて勉強していた。
 こんな場面でも、A君の人間性、勉強に対する姿勢、成長の度合い、といった意味を見出すことは可能だ。

 「入学当初から学ぶ姿勢が確立していたとはいいがたい。自分の将来像を描くことができず、学校生活そのものにも心から溶け込んではいないのではないかと思える場面もあった。だからといって、投げやりになったり、周囲に反発したりすることはなく、静かに内面の葛藤と戦いながら、自分のやりたいことを見つけようとしていた。福祉や看護の方面で自分の能力をいかしたいという思いが芽生えてきた高校2年の後半からは、積極的に学習に取り組めるようになった。部活動の大会で公欠となり受けられなかった授業の分を、友人からノートを借りて復習する様子がみられるようになった。職員室に照れくさそうに質問に訪れたこともある。ひとたび目標が定まったならば、その実現に向けてどうすればいいかを考え、行動に移していく前向きな姿勢をもっている生徒である。クラス内で目立つタイプではないが、知らず知らずのうちに、周囲の人間と良好な関係を築くことができる人当たりの柔らかさが感じられる」みたいに。
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二次出願

2020年01月23日 | 大学入試
 センター試験が終われば、結果については悔やんだところで動かしようがないのだから、どこに出願するかは腹をくくるしかない。
 まず受かりそうなところを選ぶ。日本中探すと、考えてもいなかった大学で、意外に可能性ありそうなところが見つかる。
 国公立に行くなら、男子の場合はむしろ一人暮らしをすすめたい。
 自宅から通える大学を望んでいて、思った点数がとれなかったなら、それは神の啓示でしかない。
 親には申し訳なさそうな顔をしなければならない場合もあるかもしれないが、内心でうきうきしながら下宿を探せる。

 二次で大きくひっくり返すことは基本的にはない。
 そういう事実を受け入れられるかどうかも、広く言えば大学入試で試されている能力の一つだろう。
 ただし、E判定から受かる場合もたまにある。D判定からは意外にある。
 運をよびこむのは、これからの礼儀正しい生活だ。

 今日「決めかねています」と言う教育系を目指す子と話していて、つくづくうらやましく思った。
 第一志望は埼玉大学のある学科だったが、学科をかえることや、地方大学も考えているという。
 第一志望をつらぬいて危険をおかすより、考えていなかった学科で学ぶことで、予想外のことを学べる。
 地方を選べば、そこで四年間新しい生活ができる。
 その選択は本人に委ねられていて、どれを選んでも認められて、その後のバックアップも得られる。
 人生においてこんな幸せなことって、そうそうないのではないだろうか。

 たとえば京都の大学にいって四年過ごしていいよ、お金出すからと、誰か言ってくれないかなぁ。
 普通に考えてありえないことが、いま18歳の若者の前に出現しているのだ。
 いかさない選択肢はないだろう。
 願っていたとおりの進学ができることは、それはそれで幸せであることはまちがいない。
 しかし、予想や希望と大きく異なっているほど、自分を大きく成長させるチャンスであることも事実だ。
 いいなぁ、若者たちよ。
 はらくくって出願したら後は二次の勉強するだけ。
 行くとこが決まったら、そこが自分のベストだと信じて元気に通うだけ。
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推薦書フレーズ集(7)まとめ

2019年11月29日 | 大学入試
自分の目標に向かって日々学問研究に励み、たしかな成果をあげていくことのできる生徒であると確信し、自信を持って推薦する。

 貴学は、本人が希望する応用化学における専門性を習得するには最適な環境であり、貴学で学ぶに十分な実力と資質を備えていると判断し、責任を持って推薦する。

 人間と環境を広くとらえ、高い見識と哲学をも兼ね備えた研究者を育成しようとする貴学のカリキュラムは、まさに本生徒の希望を具現化し、その資質が最大限に発揮できる環境であると考える。

 この3年間、学校生活全般にわたって前向きに取り組み、本校の教育方針である文武両道の精神を真に実践してきた生徒である。貴学においても、自分の目標に向かって日々学問研究に励み、たしかな成果をあげていくことのできる生徒であると確信する。

 希望する生徒のうち、人間性や勉学に対する意欲などを総合的に判断して、本生徒を推薦するにいたった。建築物の免震構造について専門的に学びたいと強く希望しており、貴学においてしっかりと学習を積んでいける生徒である。

 興味をもったことにのめり込むタイプだが、それによって周りが見えなくなるというよりも、そのことをきっかけに関連する事項に興味関心を広げていくタイプである。広く社会のため、人のために役立つ、いわば血の通った研究をしてくれる存在になってくれるのではないかとの期待を抱かされ、こういう生徒ほど専門性を磨き、研究者を目指してほしいと願う。
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推薦書フレーズ集(6)学問

2019年11月28日 | 大学入試
(法律)人間が社会を形成する過程の中で作られてきた法律について興味をもっている。法律が、ある時代や社会における問題をどのように反映し、合理的に解決しようとしてきたかを学び、法律と社会の関係を学びながら、自身も合理的な思考を身につけたいと希望している。

(法律)将来は地方公務員として働きたいという希望をもっている。貴学において法律を専門的に学び、地域の人々と行政との結びつきを深めていけるような存在になりたいと願っている。

(法律)言葉に対する真摯な姿勢が学習面によい効果をもたらすと同時に、言葉の論理性に価値をおく法律の条文に興味を抱くようになったことも必然的とも思われる。高校に入学し、法律への興味を持ち始めて以来、法律に関する本を繙き、法に関わる現代の問題に注意をはらいながら高校生活を送ってきた。自分の興味・関心を、貴学における学びによって専門性に昇華し、法の本質に一歩でも近づける学習をしていきたいと強く願っている。

(経済)政治・経済の授業をきっかけにして経済への興味・関心を抱き、より深く学びたいと考えるようになった。近年の日本経済の停滞や、貧困や格差の問題について専門的に学び、現実の社会に対する認識を深め、そのうえで自分が何をやれるかを貴学において探していきたいと望んでいる。

(経済)社会的な問題に対する関心が高く、日頃から新聞やドキュメント番組に興味をもって接している。貴学の留学プログラムに参加し、語学だけでなく文化全体をしっかりと学び、異文化とのコミュニケーション能力を高めていきたいと希望している。

(教育)将来は、高等学校の理科の教員になりたいと考えている。理科のおもしろさを生徒に伝えるとともに、世の中に役立つ人間の育成を自分の仕事をしたいという希望を持っている。

(教育)将来は中学校か高等学校の教員になることを希望している。教科を教えるだけでなく、生徒達を人として成長させる手助けのできる存在になりたいと考えており、そのために自分自身も貴学においてしっかり学び、成長していくことを決意している。

(教育)将来は中学校の国語科教師になることを強く望んでいる。小学校高学年の頃、他の仕事をしながら教員採用試験にチャレンジして教員になった母親の姿を見て、教員という職業を意識し始めた。中学校時代の担任には、自分の積極性を開花させてくれたことへの感謝の念とあこがれを抱き、自分の将来像としてイメージするようになった。高校に入り、部活動はじめ、様々な活動を通して多くの人とふれあい、交流していくなかで、教員になりたいという目標が確かなものとなっていったようである。

(人間科学)将来は、公務員となり、地域住民がいきいきと暮らし、安心して生活できる町作りの実現のために働きたいという希望をもっている。そのために、人間の行動を支える原理を学び、健康のメカニズムや、環境と人間行動の関係性を研究し、本質的な人間理解を目標に学んでいきたいと強く望んでいる。

(情報通信工学)貴学において情報処理の技術を基礎からしっかりと学び、将来は情報通信システムの開発に携わる仕事につきたいという希望をもっている。

(情報工学)将来は、人々の生活を向上させ、快適で豊かな環境づくりに寄与できるエンジニアになりたいと希望している。

(電気電子工学)貴学において、電子工学について基礎からしっかりと学び、将来は最先端の技術開発に携わりたいという希望を持っている。

(理工)貴学において、都市環境学の基礎を学び、自然災害への対策がなされ、人々が安心して暮らせる都市作りの研究をしたいと希望している。

(電気)本生徒は、中学3年生の時に起きた「東日本大震災」による原子力発電所の事故をきっかけに、電気エネルギーを作り出すシステムに問題意識を持つようになり、将来は、安全で安定して電力を供給できる発電システムの研究に携わりたいという希望を持っている。

(理工)
 大学では応用化学を学び、将来は先端材料開発やその応用による環境保全に関わる仕事に携わりたいという希望を抱いている。またEI取得やFE試験受験といった国際技術資格取得にも積極的に取り組みながら力をつけ、広く国際的な視野をもった研究者として活躍する場を目指したいという夢を描いている。貴学における化学応用教育プログラムでは、材料化学や環境化学に特化したハイレベルな研究が行われており、その指導プロセスも基礎から専門分野へと段階的に効率よく学べる仕組みになっている。

(理工)
 応用化学分野に強い興味を持っており、先端材料開発について学び、将来は人間の日常の暮らしを豊かにするとともに、環境にも優しい新しい素材の開発研究をしたいという希望を持っている。そのために、貴学理工学部において化学分野、物質工学の基礎学力をしっかりと身につけたうえで、材料化学や環境化学に特化したハイレベルな研究につなげていきたいと望んでいる。同時に、広く人間一般について学び、文化や社会についての見識を深めることで、自らの研究が社会においてどのような役割を果たすのかを見失わないようにするという視点も持って学生生活に臨みたいと考えている。

(理工)
 現在とくに関心を抱いているのは医療用品の開発研究である。人々の暮らしを快適にするために、日常的に人間が直接触れあう物が果たす役割の大きさを漠然とイメージしており、物の素材そのものを扱う研究をしたいと考えている。今後ますます高齢化が進む日本において、おむつ、寝間着、ふとんといった高齢者が直接身体に接する物の素材を開発し製品化につなげていくといった仕事に携わり、社会に貢献できる人間になることを目標にしている。

(工)
 将来は、生物規範ロボットの研究開発に携わりたいという夢を持っている。貴学においてロボットメカトロニクス学に関する専門的な知識を学び、自分の夢に一歩でも近づいていきたいと強く望んでいる。

(海洋生命)幼いころから父親と海や水族館を頻繁に訪れるうちに、海洋生物に興味を抱くようになり、とくに深海生物の生態について専門的に学びたいと考えるようになった。

(薬学)興味をもった化学を積極的に勉強していく過程で、薬の成分や効能に興味を抱くようになった。進路先として薬学部を考え調べていくなかで、専門的に研究したいという気持ちが日に日に強くなっていった。最先端の研究設備を有し、多くの実験や実習が行われる貴学において、専門の知識や技術を身につけ、ゆくゆくは、新薬の研究開発に携わりたいという夢を持っている。

(医療)自分自身の入院、手術の経験をきっかけに、医療機関における臨床検査に興味・関心を抱き、貴学検査技術科学科において、専門的に学びたいと考えるようになった。臨床検査技師として働くという将来の目標に向かい、しっかりと学んでいくことのできる生徒であると確信する。
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