水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

反復(2)

2017年10月21日 | 学年だよりなど

 

  3学年だより 反復(2)


 同じ時間に起きて、決まったルーティンで一日をすごし、やるべきことを淡々とこなしていく……。周りから見ると「つまんなくない?」と尋ねたくなるほどの繰り返しの日常がそこにある。
 本や伝聞で知る限り、トップアスリート、トップアーティストとよばれる人たちほど、そのような毎日を積み重ねている。逆かもしれない。そんな日々を積み重ねた結果として現在があるのだと。


 ~ 反復が好きな人が、トップアスリートになります。
 では、なぜトップアスリートは、反復が好きなのか。
 反復によって、脳から快感物質が出る体験をしたからです。
 一度、反復による脳の改良の快感物質を知った人は、一生、反復をいとわなくなります。
 いとわないどころか、反復が好きになります。
 いつまでも、練習しているタイプは、ストイックなのではありません。
 ほめられるためでもありません。
 むしろ、反復練習をする快感を知ってしまったのです。
 小学生のころ、「新しく習った漢字を、100回書いてきなさい」という宿題がよくありました。
 このとき、10回しか書かない子どもと、100回書いてくる子どもがいます。
 そして、もう一人、ノート1冊、同じ漢字を書いてくる子どもがいます。
 これは、ボクシングの世界チャンピオンや、一流のピッチャーなどの子供時代に共通する傾向です。
  トップアスリートの戦いは、フィジカルな戦いではありません。
 上に行けば行くほど、フィジカルでは差がつきません。
 脳のレベルの戦いになります。
 反復練習は、体を鍛える練習ではなく、脳を改良するための作業なのです。
            (中谷彰宏「メンタルで勝つ方法119」ボウリングマガジン9月号) ~


 排気量660ccの軽自動車より1500ccの車の方が余裕をもって走行できる。人の脳も同じように考えることができる。エンジンを搭載し直すのは大変だが、脳を改良することは可能だ。
 反復学習で脳を改良できるなら、受験勉強とはなんと普遍的に有効な活動だろう。
 大学合格は人生の通過点に過ぎないが、それを経ることでお金に換えがたいほど貴重なものが獲得できるのだ。

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反復

2017年10月20日 | 学年だよりなど

 

  3学年だより「反復」


 私立一ノ瀬学園に通う、秀才の唯我成幸(ゆいがなりゆき)は、きわめて限られた生徒にしか与えられない特別VIP推薦を獲得するために、日夜勉強に励んでいる。
 ある日唯我は、学園長に呼びだされ、学園長の指名する生徒の教育係になるという条件付きで推薦を認められることになった。
 その唯我が面倒をみることになった一人、武元うるかは、スポーツ特待生で勉強は苦手。とくに暗記が苦手だ。「とにかく手で書いて、声に出して、耳におぼえさせて、英単語覚えろ!」と指示されやりはじめるものの、すぐにあきてしまう。
 「お前どんだけ集中力ないんだよ!!」
 みかねた唯我が大声で叱りつける。うるかが泣き言を言う。
 「うう… つらいよう… 勉強って全然楽しくないんだもの… あのさ、こういうのってさ… まず英語の楽しさとか そういうの先に教えてくれたりしないのかなーって…」 


 ~ 「 ねぇよ そんなもん
    「できない」奴にとって 勉強は辛くて当たり前なんだ
    「できない」まま楽しくなるなんてありえない
    「できない」なりに地道のコツコツ積み重ねて
    少しずつできるようになって初めて 
    「楽しさ」が生まれると俺は思う 」
          (筒井大志『ぼくたちは勉強ができない』集英社Jc) ~


 「武元だって、たしか、始めから水泳好きだったわけじゃなかったよな…?」
 と言われ、うるかは自分の幼い頃を思い出す。
 親から言われ水泳を始め、思ったように泳げなくて、悔しさをバネにひたすら練習していたころ。
 そしてある時から急にタイムが伸びるようになって、楽しくなってきたこと。
 どれだけでも泳いでいられる今の自分とは全くちがっていた昔。
 そっか、勉強も同じだ。まず繰り返しやって体で覚えなきゃ…。
 同じことばかり繰り返していた幼い日々が、誰にもあったにちがいない。
 同じ絵本を繰り返し読む、同じおもちゃで遊び続ける、同じものばかり食べ続ける…。
 幼いころの反復作業は、脳の命令で行われている。
 「いい加減やめなさい」と親に言われるほど同じ行為を繰り返しながら脳は形成されていく。
 同じことばっかりじゃつまんないと思ってしまう今よりもずっと、同じことを繰り返すことができた昔の方が、脳は成長していたのだ。
 実は今のみなさんの脳も、反復が好きだ。たんたんと同じ作業を繰り返すことで、脳内はどんどん改良されていく。メンタルの強い人ほど、反復練習を厭わない。トップアスリートやトップアーティストが、毎日どれほどの反復練習をしているかを見ても、それはわかる。

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釣り師(2)

2017年10月19日 | 学年だよりなど

 

  3学年だより「釣り師(2)」


 握手会の女王ともよばれた、稀代の「釣り師」みるきー(渡辺美優紀さん)は、どんなテクニックを使っていたのか。


 ~ たとえばNMB48を先日卒業した渡辺美優紀さんは、握手会で絶大な人気を誇っていました。彼女は握手会のコツを「最後にぎゅっと強く握る」ことと明かしています。実際に渡辺さんと握手をした人は「握手した実感が骨に残る」と話しています。これ、人間の心理にかなっているんです。実際に面接でも気が緩みがちになる去り際まできちんとしていると、相手にいい印象を残せるそうですよ。 ~


 文章でも、「リンゴは好きだが、みかんは嫌いだ」と「みかんは嫌いだが、リンゴは好きだ」とでは、順番を入れ換えただけだが、伝わる内容は異なる。
 最後の部分の印象はそれだけ重要なのだ。彼女が自分なりのコツをつかむまでには、おそらくものすごい量の試行錯誤、反省・やり直しの積み重ねがあっただろう。
 入試や就職の面接で、質問が終わって最後の去り際に気を抜いてしまい、印象を損ねる場合があるという。気を抜かないどころか、最後に勝負を決めるのが、釣り師たる所以だったのだ。
 では内容面では、自分をどうアピールすればいいのか。
 山本彩さんは、「いつも元気!」「自然体」キャラをつらぬいている。
「歴史が好き、高校野球が好き」というアイドルらしからぬオタク属性もオープンにする。


 ~ 自分が好きなものは、隠さずにアピールすればいいんだと思います。就活が近くなると「海外」「何か特別な経験」を目指しがち。でも、やはり自分以上のものにはなれない。自分が好きなものの延長線上からアピール材料を引っ張ってくることが、無理のない形で自分をPRでき、説得力を持つと思います。
 山本さんも、自分を必要以上に飾らないかっこよさが大きな魅力の一つですから。
 どんなアイドルになるのかは人それぞれの選択です。とはいえ、私が見ている限りでは、自分のキャラと関連付けられる範囲で無理なく強みをアピールする人の方が、長続きしている印象です。
                        (原田朱美「アイドルから学ぶ就活スキル」朝日新聞ココハツ) ~


 「志望理由書」や「自己推薦書」に必要なのは具体性だ。
 自分にしか書けない経験、エピソードを書くことが求められる。
 とはいえ、これから新たにエピソードを創造することはできないし、無理矢理つくるとウソになる。結局は、今までの自分をいかにほりこおせるかにかかってくる。
 心配はいらない。徹底的に自分オタクになれば、十分にドラマチックな人生を送ってきたことに気づける。
 入試でも就活でも、「いいヤツかどうか」、「適度にオタクかどうか」が問われている。

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釣り師

2017年10月18日 | 学年だよりなど

 

  3学年だより「釣り師」


 自分をどう売り込めばいいか、どうすればファンに認められ、愛おしく思ってもらえるか。
 それは「他者に自分に認めてもらうのはどうしたらいいか」という問いだ。    
 この問いに答えるために一番努力をしているのは、アイドルと呼ばれる人たちだ。


 ~ アイドルは他人の「好き」をもらう専門技術者です。彼女たちの立ち居振る舞いには、対人スキルを磨くヒントがあります。
 まずはファンとの握手会から、握手をするわずか10秒程度で、いかに他のアイドルよりもファンの心をつかめるか、アイドルたちは様々な工夫をしているんです。 ~


 一方的に「自分はこんな人間だ!」と主張するだけでは伝わらない。
 相手がどんな人なのか、何を求めているのかを予想し、自分の伝えたいものをぶつけていく。
 むしろ相手のことを考えることの方が大切だとも言えるだろう。
 それは実に高度なコミュニケーションの一形態だ。
 自分の欲求を一方的に伝えるのは、赤ちゃんのコミュニケ―ションだ。
 みなさんは、ともすれば赤ちゃんのように泣き叫んでないだろうか。
 たとえば定期試験や模試の答案をみたとき、この答案の書き手は、他者に伝えようという気持ちが本当にあるのだろうかという疑念を抱くことがある。
 よく理解していないという心の叫びだけは感じ取れるものの、そんな中でもせめて「自分はここまで理解しました」という内容を表現するべきだ。採点する人のことを考えた文字で。
 記述式のテストでは字が丁寧に書いてあるかどうかは(美しいかどうかではない)、間違いなく採点に影響する。
 そしてさらにレベルを上げて、出題者がどのような解答を望んでいるのかを考える必要がある。
 答案はコミュニケーションツールだ。


 ~ あと、面接ではアピールをしすぎても裏目に出ますよね。「どんな学生なんだ?」と面接者の関心を引き出す作戦はいかがでしょう。握手会用語では「釣る」とも呼ばれ、「また握手会に来たい」とファンをひきつける名人は「釣り師」と呼ばれることも。
 例えば、一番の「売り」となるPRポイントはあえてさらっと触れる程度にして、面接担当者の「もう少し知りたい!」という気持ちを引き出すのも一方法です。
 握手会は短時間にあらゆるボールが飛んできます。渡辺さんの人気は、人とは違う「握手とはなにかを考え、工夫を積み重ねた結果だと思います。就活も同じですよね。みんなお行儀良く「御社のために働きたい」と言う。どう違いを出すかが大事になります。
                             (原田朱美「アイドルから学ぶ就活スキル」朝日新聞ココハツ) ~


 この先、志望理由書を書いたり、面接の練習をしたりする人も多くなる。
 自分を理解してもらうためには、まず相手の理解が必要なのだ。

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秋から伸びる(2)

2017年10月12日 | 学年だよりなど

 

   3学年だより「秋から伸びる(2)」


 和田秀樹先生の言う「秋から伸びる」生徒像に加えて、「結果を出す」生徒像も私たちには見えている。科学的なエビデンスは提示できないが、長年この仕事をしている経験則からはほぼ例外がないとさえ思える。おそらく本校以外の先生にも賛同してもらえる気がする。
 結果を出す生徒像とは、こんな人だ。

   1 休まない  2 寝ない  3 笑顔

 受験勉強への取り組みが本気になれなるほど、自分に与えられた時間と現状とのギャップに不安をおぼえることも多くなるだろう。
 前号で書いたように、それは受験生として、人間として「健全」な姿だ。
 先が見えない「不安」さえ、どうなるか楽しみな「わくわく感」に変えてしまえるメンタルに持ち込めれば、人として一歩前にすすめる。
 もちろん、それを支える努力は必要だ。
 やるべきことから目をそむけることなく努力を積み重ねていれば、きっとうまくいくはずだとの根拠無き自信が生まれる。
 ランナーズハイのように、脳内が高揚している状態になる。
 そういう状態の人に「調子はどう?」と尋ねるとき、「なかなか大変です」「時間が足りません」と言いながらも、不敵な笑みをうかべている。もしくはさわやかな笑顔をみせてくれる。
 授業中の取るに足りない冗談にも、ほどよく反応してくれる。
 脳が活性化しているからだ。
 その逆が、ただイスに座って苦行に耐えているかのような状態、手を動かさずにただせっぱつまっているだけの状態だ。もしくは、朝一番の授業から睡魔に勝てなくなっている。
 脳が一番働くはずの時間帯、つまり平日なら授業が行われている時間帯に眠くてしょうがない状態というのは、生活のあり方が根本的にまちがっている。
 そのままの暮らしを続けていて、入試本番だけ力を発揮できることはない。
 睡眠時間を削る前に、日々の暮らしのなかでの無駄な時間を削ることだ。
 それもやりきってまだ足りないなら、単位時間の効率を高めるしかない。
 人間の脳は、朝起きて3時間ぐらいで活性化のピークを迎える。
 その時間帯は、かりに自分の受験に直接関係ない授業中でも、頭が冴えわたっていて、解けなかった問題や、納得できていなかった事柄が、すうっと光がさすようにわかっていく瞬間が訪れる。
 起きて13時間以上経過すると、脳内はお酒を呑んで酩酊してるのとほぼ同じ状態になっている。
 午前中にぼおっとしていて、夜になっておもむろに頑張るのは、効率の点では極端に悪い。
 効率が悪いから時間がかかる、さらに睡眠を減らす、体調を崩す。
 勉強しやすいこの秋に、「念のため」学校を休むほど体調を崩す人が、極寒期にベストな状態で入試本番を迎えることは、なかなか想定しがたい。
 「笑顔、寝ない、休まない」自分のなれることを第一目標にしよう。

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秋から伸びる

2017年10月11日 | 学年だよりなど

 

   3学年だより「秋から伸びる」


 「蛍雪時代」特集記事で、和田秀樹先生が「秋から実力を飛躍させる受験生」像として、次の七つをあげている。


 ~ 1 合格最低点まで「あと何点?」が見えている
   2 学校に頼りきらず、やるべき勉強を自分で考える
   3 苦手に執着せず、伸びる部分を優先し、得意に磨きをかける
   4 模試の失点を細かく分析して受験対策に役立てる
   5 本番のリハーサルとシミュレーションを十分にやっている
   6 頑張りを支える生活習慣が確立している
   7 不安な気持ちを勉強の原動力に転化できる ~


 1~4には、現時点の自分に足りないものを分析し、残された時間のなかで、必要なことをこなしていくだけという勉強の原則が表されている。
 今のみなさんの勉強は、大人が「趣味」としてやっているものとは違い、明確な期限をもった課題だ。大人がしている「仕事」と性質が近い。
 就活のとき、その人の仕事能力を測る目安の一つとして、受験能力が参照されるのは、そういう意味で筋が通っているだろう。
 5が示す「本番は練習のように、練習は本番のように」はあらゆることにあてはまる原則だ。
 6・7の生活面についての話は、先日「合格体験談」を語ってくれた先輩達の話と重なる。

~「あせりや不安が生まれるのは当然。それは受験生の健全の姿だと思う。それさえ受験の醍醐味と思っていい経験にすればいい。家族や仲間が支えてくれる」(関谷航平先輩) ~

~「時間を決めて気分転換しよう。やっていると楽しくなってくるときは必ずある。体調に応じ最低ラインで終わる日があってもいい。疲れたら先生のとこへ行って話そう」(大西啓太先輩)~

 勉強の成果をあげるには、その土台となっている身体と精神を安定させることが大切だ。


 ~ 秋ともなると、受験生なら誰でも不安を感じるもの。「落ちたらどうしよう」という不安と「受かりたい」という欲望は表裏一体であり、「受かりたい=勉強しよう」とポジティブな方向にもっていける人が、いわゆる「メンタルの強い人」なのだ。……不安なのは自分だけじゃない、ということを知るのも大切だ。 (和田秀樹「秋から伸びる受験生はここが違う!」蛍雪時代10月号) ~

 精神を鍛えることが受験の目的の一つだ。
 長い人生の中ではむしろこれこそが大きな糧になる。

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ふれあいフェスタ2017

2017年10月01日 | 日々のあれこれ

 

 川越市グリーンパーク「ふれあいフェスタ2017」

  日時  10月1日(日)10:30~11:00

  会場  川越市グリーンパーク特設ステージ

  曲目 「ディスコキッド」「A列車で行こう」「見上げてごらん夜の星を」

       「じゃぱりぱーく」「若い広場」 「オーメンズ・オブ・ラブ」

      1、2年生だけの初舞台でした。

      ありがとうございました!!

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