放課後の小論文の講習は、学校説明会のため30分だけ。
課題文をみんなで読み、書き始める前に主旨をつかむ。
早稲田スポ科の最新の過去問で、「社会の階層化」について論じなさい、というもの。
同主旨の「格差社会」や「フリーター・ニート」の問題は、今年もいろんな大学で出題されるだろう。
いきなり書いてもらうと、たぶん「社会の階層化はよくない」とか「しかたない」というところから書き始める子が多数いると思われる。
そして「みんな平等であるべきだ」という非現実的な論や、逆に「努力しない人が下流で何が悪い」的な意見になる。
でも、階層化そのものの善悪が問題ではないよ、それが固定化しつつあることが問題だと言ってるんだよ、というところまで説明する。
そして、その背景に「大きな物語」の崩壊という日本社会の変化を、日本人の価値観の変化を意識せよ、という話。
階層化を論ぜよと言われたら、「それはどういうこと?」「なんでそうなったの?」を考えないといけない。
なんらかのお題を与えられたら、そのことをそのまま論ずるのではなく、それはどういうことかをまず考えなさいということだ。
今年はこれを「現象を論ずるな、本質を論ぜよ!」という合い言葉にしている。
この言葉を思いついたときは、われながらいい教え方をしていると感動した。
予備校でも、喰ってけんじゃね? と。
この合い言葉は、まさしく秘宝、いや秘剣ともいうべき斬れ味をもつはずだが、なかなか使ってもらえてない。
そのへんの読み取りで、時間がきたので、あとは自分で書きなさいと言って、個別相談会へ。
二回目の学校説明会はおかげさまで盛況だった。
気合いを入れてしゃべり続け、終わったので大講堂にいくと、ふるかわら君による「キセキ」の合奏。
安心してみていたら、しばらく意識を失ってしまった。もうしわけない。