水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

語彙力アップ⑬ 隈研吾「存在としての建築」

2022年09月18日 | 国語のお勉強(評論)
語彙力アップ⑬ 隈研吾「存在としての建築」
 空欄に漢字・読み方・意味・対義語etcを記入しなさい


1 躊躇なく( ちゅうちょ なく)……( ためらわ ず)
2( 産物 )さんぶつ ≑ ( 所産 )しょさん……産み出されたもの
3 インターナショナリズム ……( 国際 )主義 ←→ ( ナショナリズム )国家主義
4 グローバリゼーション ……( 地球 )規模での拡大
5( 普遍 的)ふへんてき ……普く( あまね く)+遍く( あまね く)
6( 輪郭 )りんかく 
7( 整合 性)せいごうせい ……物事に( 矛盾 )がなく整っている
8( 表層 )ひょうそう……うわべ・表面 ←→ ( 深層 )
9( 豪華 )ごうか ……派手で華やか ←→( 質素 )
 ☆ 豪奢( ごうしゃ )……考えられないほど( 贅沢 )なこと
10 ハイテク ……最( 先端 )の科学技術 = ハイテクノロジー
11 エコロジー ……( 生態 学)的見地から自然と人間の( 共生 )を目指す考え 
12 ~を気取る…… ~のように見せようとする・~を( 装う )
13 施工( せこう )orしこう……工事を行う
 ☆ 施行( しこう )orせこう……実施する・( 法令 )の効力が発生する
14 テイスト……味わい・( 風味 )
15 コスト……何かをするために必要な( 費用 )
16 潜む( ひそ む)
17 哲学……①物事の根本( 原理 )を追究する学問 ②人生観・基本原理
     ☆ 哲い( さと い)・哲らか( あき らか)
18( 破壊 )はかい ←→( 建設 ) 
19( 多様性 )たようせい……英( ダイバーシティ )←→( 画一 性)
20( 対照 的)コントラスト ☆( 対象 )オブジェクト ( 対称 )シンメトリー
21( 腐食 )ふしょく……腐る( くさ る)+食=蝕む( むしば む)の置き換え
22 傷む( いた む)
23( 不気味 )ぶきみ……気味が悪い
24( 仮想 )かそう……英( バーチャル )←→( 現実 )リアル
25( 平然 )……何事もなかったかのように落ち着いて ←→ 愕然( がくぜん )
26( 表象 )ひょうしょう……形として知覚される象
27( 分裂 )ぶんれつ 分ける+裂ける( さ ける)
28( 景観 )けいかん……( 好ましい )景色・眺め
29( 捉 える)とらえる
30( 依然 として)いぜんとして ☆ 依る( よ る)・もとのまま
31( 傍観 者)ぼうかんしゃ ←→ ( 当事 者)
32( 浮遊 )ふゆう……浮かび( ただよう )こと
33( 不毛 )ふもう……①作物が育たない←→( 肥沃 )、②成果が得られない・無駄
34( 受容 )じゅよう……受け入れる
35 肥大( ひだい )←→ ( 萎縮 )いしゅく

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語彙力アップ 清岡卓行「手の変幻」

2022年04月18日 | 国語のお勉強(評論)
語彙力アップ⑩ 清岡卓行「手の変幻」
空欄に漢字・読み方・意味・対義語etcを記入しなさい


1( 魅惑 的)みわくてき……人を惑わせるほどひきつける
2 あずかり知らぬ……全く( 関与 )していない。 ☆ 与る( あずか る)
3 生臭い( なまぐさ い)……血肉の臭いがする・( 俗 )っぽい
4( 特殊 )とくしゅ…… ←→( 普遍 )・一般
5( 普遍 )ふへん…… 普く( あまね く)+遍く( あまね く)
6 巧まざる( たく まざる)……自然な・( 無意識 )的な
7( 跳躍 )ちょうやく……跳ぶ( と ぶ)+躍る( おど る)
8( 具象 )ぐしょう ←→( 抽象 )ちゅうしょう ☆( 捨象 )しゃしょう
 ☆ 具象……象( かたち )を具える( そな える)
9( 放棄 )ほうき……放つ( はな つ)+棄てる( す てる)
10( 肉薄 )にくはく……すぐ近くまで迫ること
11( 逆説 )ぎゃくせつ……英( パラドックス )
12( 弄 する)ろうする……弄ぶ( もてあそ ぶ)
13( 高雅 )こうが……気高く雅やか( みやび やか)なようす
14( 豊満 )ほうまん……あふれんばかりの豊かさ。英( グラマラス )
15( 合致 )がっち……ぴったり当てはまる
16( 典型 )てんけい……代表的な型
17( 均整 )きんせい……均整の( とれた )肉体 ☆ 均衡を( 保つ )状態
18( 暗示 )あんじ……( それとなく )知らせること ←→( 明示 )
  ☆ 示唆( しさ )・仄めかす( ほの めかす)
19( 心象 )しんしょう……心にうかぶ( イメージ )
20( 興 ざめ)きょうざめ……興(きよう)( おもしろみ )が( 醒 める)さめること
21( 滑稽 )こっけい……おもしろおかしい、ばかげている
22 グロテスク……( 不気味 )、異様。
23 おびただしい……数え切れないほど( 多い )
24( 羞恥 )しゅうち…… 羞じる( は じる)+恥じる( は じる)
25( 姿態 )したい……からだつき ☆( 容姿 )ようし……すがたかたち
26( 実証 的)じっしょうてき……経験や( 事実 )にもとづいていること
27( 襲 われる)おそわれる  ☆ 襲ねる( かさ ねる)
28( 否認 )ひにん ←→( 是認 )ぜにん・( 承認 )しょうにん
29( 変幻自在 )へんげんじざい……思いのままに変化できること
30( 彫刻 )ちょうこく……木や石を彫って作る像
 ☆( 彫塑 )ちょうそ……粘土などをこねて作る像。 
31( 根源 的)こんげんてき……物事の大元のところで
32 千変万化( せんぺんばんか )……様々に変化すること
33( 媒介 )ばいかい……二つのものの( 仲立ち )となるもの
34( 述懐 )じゅっかい……懐い( おも い)を述べる( の べる)
35( 厳粛 )げんしゅく……厳か( おごそ か)に身を粛しむ( つつし む)
36 アイロニー……( 皮肉 )・反語
37( 呈示 )ていじ……しめす  ☆( 贈呈 )ぞうてい……さしあげる

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語彙力アップ 池内了「文化としての科学」

2022年02月17日 | 国語のお勉強(評論)
語彙力アップ⑨ 池内了「文化としての科学」
空欄に漢字・読み方・意味・対義語etcを記入しなさい

1( 所産 )しょさん……うみだされたもの
 ☆( 所得 )しょとく・( 所見 )しょけん・( 所信 )しょしん(所……名詞化)
 ☆ 所与……与えられたもの・( 前提 )
2( 多様性 )たようせい……英( ダイバーシティ )
3 彩る( いろど る)……色あざやかにする 
4( 独自 )どくじ……英( オリジナル ) ☆ 独特……ユニーク
5( 基幹 )きかん……構造の中心部分 ←→( 末端 )
6( 弁別 )べんべつ 弁える( わきま える)
7( 便宜 )べんぎ……つごうがいい。☆ 宜しい( よろ しい)・むべ
8( 潤 い)うるおい
9( 浄財 )じょうざい
      …… 慈善・社会事業などのために( 見返り )を求めずに寄付する金銭。
10( 負託 )ふたく……責任をもってまかせること 
11( 享受 )きょうじゅ……享ける( う ける)+受ける ←→( 提供 )
12( 独善 的)どくぜん的……自分さえよければいいという考えや態度
13 世界観……人や集団・社会が持っている世界の( 捉え方 )。
14( 円滑 )えんかつ……円やか( まろ やか)+滑らか( なめ らか)
15( 特殊 )とくしゅ ←→( 普遍 )ふへん
16 パラダイム……ものごとの考え方の( 枠組み )
17 滞る( とどこお る)……物事が進まないこと
18( 創薬 )そうやく……新しい薬をつくりだす ☆( 製薬 )……薬の製造
19( 終始 する)しゅうしする……最初から最後まで続く
20( 微視 的)びしてき……( 巨視 的)きょしてき
21( 迎合 )げいごう……自分を曲げて( 他者 )に調子をあわせる
22( 産学 連携)さんがくれんけい
        ……民間( 企業 )と( 大学 )が共同で研究開発を行うこと
23 コスト・パフォーマンス……費用対( 効果 )。支出した費用と得られたものとの割合
24 習い性になる( ならいせい になる)
        ……身に付けた習慣が、持って生まれた( 性質 )のようになること
25( 危惧 する)きぐする……危ぶむ( あや ぶむ)+惧れる( おそ れる)
26( 癒着 )ゆちゃく……望ましくない状態でぴったりくっついている
27( 傲慢 )ごうまん……おごり高ぶる ←→( 謙虚 )
28( 収束 )しゅうそく……おさまる ←→( 混乱 )・拡散
29( 罹患 )りかん……罹る( かか る)+患う( わずら う)
30( 豪語 )ごうご……自信たっぷりに大きなことを言う ☆大言( 壮語 )する
31( 完璧 )かんぺき……元々、瑕(きず)一つない円環状の( 宝石 =璧)のこと
32 責任( 転嫁 )せきにんてんか……責任を他人におしつけること
33( 妥協 )だきょう ☆( 妥結 )だけつ・( 妥当 )だとう
34 破綻( はたん )……破れる( やぶ れる)+綻ぶ( ほころ ぶ)
35( 自戒 する)じかいする……自ら( みずか ら)+戒める( いまし める)
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語彙力アップ 鷲田清一「自分の身体」

2021年11月22日 | 国語のお勉強(評論)
語彙力アップ⑧ 鷲田清一「自分の身体」
空欄に漢字・読み方・意味・対義語etcを記入しなさい

1( 媒体 )ばいたい……二つのものをつなぐ( なかだち )となるもの  
( 終生 )しゅうせい ☆( 終身 )しゅうしん ( 畢生 )ひっせい
2 逐一( ちくいち )……順番に一つ残らず。「ちくいつ」とも
3( 露出 )ろしゅつ ☆ 露わ( あら わ)
4( 一喜一憂 )いっきいちゆう←→( 泰然自若 )たいぜんじじゃく
5( 戒 める)いましめる……過ちを犯さないよう注意する
 ☆ 窘める( たしな める)……犯した過ちを注意する
 ☆( 諫 める)いさめる……目上の人の過ちを注意する
6( 触覚 )しょっかく  7( 嗅 ぐ )かぐ
8( 末端 )まったん←→( 中枢 )
9( 凝集 )ぎょうしゅう←→( 拡散 )
10 漏出( ろうしゅつ )……出てはいけないものがじわっと外に出る
 ☆ 漏洩( ろうえい )・( 流出 )りゅうしゅつ
11 隔たる( へだ たる) ☆( 隔離 )かくり
12( 統御 )とうぎょ……全体をまとめて支配する ☆ 統べる( す べる)
13( 不意 を 襲 う)ふいをおそう ☆ 意( おも う)・こころ
14( 貫禄 )かんろく……( 見た目 )から感じられる人間的重みや風格
 ☆ 禄を食む(ろくを は む)……俸禄(給料)をもらい生計を立てる
15( 欠如 )けつじょ ☆ 如し( ごと し)
16 醸す( かも す)……雰囲気や状態を生み出す ( 醸成 )じょうせい
17 鎮める( しず める)  18( 輪郭 )りんかく
19 メソッド……( 方法 )
20( フィジカル )……身体的 ←→ メンタル……( 精神的 )
21 無意識裡に(むいしき り に)……無意識のうちに ☆ 裡( うち ・うら)
22 浸す( ひた す)
23( 覚醒 )かくせい ☆ 覚める( さ める)・醒める( さ める)
24( 収縮 )しゅうしゅく ←→( 膨張 )
25( 緊張 )きんちょう ←→( 弛緩 )
26( 摂取 )せっしゅ ☆ 摂る( と る)
27( 皮膚 )ひふ   28( 刺激 )しげき
29( 縫 う )ぬう  30 割く( さ く)
31( 縫製 )ほうせい……ミシンで布を製品に縫い上げる
 ☆( 裁縫 )さいほう……手仕事で縫い合わせる
32( 往々 にして)おうおうにして……( 望ましくないこと )が起こりがち
33( 特殊 )とくしゅ←→( 普遍 )
34( 逆説 )ぎゃくせつ……( 通念 )と逆の矛盾する言い方で主張を述べる
35( 了解 )りょうかい…… 了わる( お わる) ☆ 了 V・V 了……Vし終わる
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「ネットが崩す公私の境」の授業(5)

2021年10月18日 | 国語のお勉強(評論)
第四段落(15)


15 ニーチェの予言から一世紀。〈 結果 〉は、だれもが読者であり続けただけでなく、今後は、だれもが著者になる時代となるだろう。〈 だれもが公表できるという事態 〉は、いったい今度は何を腐敗させてしまうことになるのだろうか。


ニーチェの予言 
 近代 誰もが読者になる → 精神 … 腐敗
      ↓
 現代 誰もが著者になる
      ∥
    だれもが公表できる事態
      ↓
    何を腐敗させるだろうか


Q26「結果」とは何の結果か。簡潔に記せ。
A26 近代化が進んだ結果。

Q27「だれもが公表できるという事態」とあるが、筆者は何を危惧しているのか。
A27 人間の公と私の境が完全になくなってしまうこと。

Q28「ネットが崩す公私の境」とはどういうことか。
A28 インターネットの普及によって、現代社会においては、公と私との境界線が曖昧になってしまうということ。


前近代 限られた者しか読者になれない時代
 ↓ 活版印刷術の発明
近代  だれもが読者になれる時代 自我の成立
    限られた者しか著者になれない時代
 ↓ インターネットの普及
現代  だれもが著者になれる時代 自我境界のあいまい化
       ↓
    肥大化した自己が垂れ流しになる事態
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「ネットが崩す公私の境」の授業(4)

2021年10月16日 | 国語のお勉強(評論)
第三段落後半(12~14)


12 従来のメディアでは、個人が公に対して発言するには、さまざまな困難や編集者らによるチェックなどが伴っていた。良くも悪くも、〈 この距離 〉こそ、思いを思考に、一面的な思念を十分吟味された意見へと練り上げる。
13 しかし、インターネットにおいては、気楽に書き連ねた文章を、自分のコンピューターに保存することと、ネット上に公開することの差は、二、三のキー操作の差にすぎない。従来のいかなるメディアとも異なり、インターネットでは、〈 「発想」と「発表」との間の落差がほとんど存在しない 〉。あるいは、「自我境界」があいまい化、拡大化し、自己と世界が、いわば「短絡」してしまうのである。〈 ここでは、プライベートとパブリックの境が溶け落ちる 〉。
14 さまざまな情報とともに、何億もの個人のとりとめもない思いや理解や誤解が、ネット上にあふれる。これらは、呼び出されなければ無言のままにとどまっているが、ひとたび検索の網にかかれば、強大な力を発揮することになる。


Q17「陶冶」と意味の近い言葉を指摘せよ。
A17 チェック 吟味

「この距離」について、

Q18何と何の「距離」か。
A18 個人と公

Q19 「距離」を隔てているのは何か。21字で抜き出せ。
A19 さまざまな困難や編集者らによるチェックなど

Q20「『発想』と『発表』との間の落差がほとんど存在しない」のはなぜか。その理由を述べた一文の最初から5字を記せ。
A20 しかし、イ

「ここでは、プライベートとパブリックの境が溶け落ちる。」について、

Q21「ここ」とはどこか。 
A21 ネット上

Q22「プライベート」「パブリック」を漢字一字の語に言い換えよ。
A22  プライベート … 私   パブリック … 公

Q23「溶け落ちる」とは、どういうことの比喩か。
A23 気がつかないうちに、ゆっくりとなくなっていくこと。

Q24 この結果どのような事態を招いたと述べられているか。14段落のことばを用いて40字以内で記せ。
A24 何億もの個人のとりとめもない思いや理解や誤解が、ネット上にあふれる事態。


〈個人の公に対する発言〉

従来のメディア (新聞・テレビ・ラジオetc)
        チェック
 思い      →  思考
 一面的な思念  →  十分吟味された意見
        ↑
        ↓
インターネット
 気楽に書き連ねた文章 → 公開
 発想                  → 発表
 個人のとりとめもない思いや理解や誤解  → あふれる
     ∥
 自己と世界が「短絡」
     ∥
「自我境界」があいまい化・拡大化


Q25「プライベートとパブリックの境が溶け落ちる」とあるが、どのような問題意識が述べられているのか。100字以内で説明せよ。

A25インターネットが出現して以来、
  誰もが自分の考えを簡単に公開できるようになり、
  公と私の境界線が無意識のうちに失われてきた結果、
  人々の肥大化した自己が
  世界中にさらけだされる事態に陥っているということ。

〈傍線部説明〉
 ①傍線部そのものを分析する
 ②傍線部前後を確認する
 ③傍線部を含む意味段落をふまえる

〈こたえの基本形〉
 S    V
 何が(☆)どうする ということ
 S    C
 何が(☆)どんなだ ということ

 ☆の部分に、理由(~ので・~のために)、対比(~ではなく)
手段(~によって)、限定(~のとき)
              といった要素を字数に応じて補う
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「ネットが崩す公私の境」の授業(3)

2021年10月12日 | 国語のお勉強(評論)
第三段落前半(9~11)


9 〈 情報発信の総量は、実は、メディア形態の技術的制約によって決定されている 〉。書物文化、あるいは、TV・ラジオ、新聞・雑誌などのマス・メディアにおける著者・情報発信者数は、〈 構造上少数たらざるを得なかった 〉。
10 しかし、〈 インターネットというメディア 〉に特徴的なのは、情報発信者がどれほど多数であろうとも、情報の非物質性、デジタル情報に特徴的な光速に近い検索能力によって、必要な情報が瞬時に取り出せる、という点にある。もし、一億人分の日記を紙メディアで集積したとしたら、目的の情報を探し当てることはほぼ不可能である。ここでは、情報量の過度な増加は、そのまま情報の有用性の減少につながる。
11 だがインターネットでは、無限に近い不必要な情報に関与することなく、適切な検索手法によって、必要な情報だけを的確に抽出することができる。したがって、このメディアでは、〈 情報の総量を制限したり、情報を内容や質によって淘汰したりする力が、働かない 〉のである。


Q12「情報発信の総量は、実は、メディア形態の技術的制約によって決定されている」とはどういうことか。(70字以内)。
A12 どれくらいの量の情報が発信されるかは、
   発信したい人の数や
   発信すべき情報の量ではなく、
   各メディアの持つ発信能力によって決まる
   ということ。

Q13「マス・メディアにおける著者・情報発信者数は、構造上少数たらざるを得なかった」 とあるが、その原因は端的にいって何か。5字で抜き出せ。
A13 技術的制約

Q14「インターネットというメディア」のもつ特徴をそれぞれ10字以内で2点抜き出せ。
A14 情報の非物質性  光速に近い検索能力

Q15「淘汰」の意味を記せ。
A15 不必要なものが取り除かれること。

Q16「このメディアでは、情報の総量を制限したり、情報を内容や質によって淘汰したりする力が、働かない」とあるが、なぜか。(60字以内)
A16 インターネットというメディアでは、
   無限の情報の中から
   必要な情報だけを的確に抽出することが
   技術的に可能になったから。


マスメディア 書物、TV・ラジオ、新聞・雑誌……
 著者・情報発信者……少数 ← メディアの技術的制約
    ↑
    ↓
インターネット
 情報の非物質性・光速に近い検索能力
    ↓
 必要な情報が瞬時に取り出せる
   ↓
 情報発信者……多数 情報の淘汰……不要
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「ネットが崩す公私の境」の授業(2)

2021年10月04日 | 国語のお勉強(評論)
第二段落(4~8)


4 ところで、本の書き手を表す〈 著者 〉という言葉は、英語ではオーサーであり、それは権威(オーソリティー)という言葉と深い関係にある。そして、「著者という権威」の成立は、グーテンベルクの活版印刷術の成立以降である、ということがしばしば語られる。
5 活版印刷というメディアとともに、「著者性」というものが発生したのだとすると、インターネットを中心とした電子メディアが、大きな位置を占め始めている今日、〈 「著者」のあり方が、大きな変容を被ってきている 〉ことは十分に考えられる。ここにおいては、従来の、権威者の一方的な情報発信と、受動的に享受する多数の読者という上下構造が消失し、著者の権威性の崩壊ともいうべき事態が発生している。だれでもが簡単に〈 「著者」 〉となり得る構造である。
6 インターネットにおける著者と読者(情報発信者と受信者)の問題は、目下のところ、混乱をきわめているように思われる。
7 一方では、これまで〈 泣き寝入りせざるを得なかった 〉者が、発言手段を得て、不正を告発することができる。他方では、十分な論拠も証拠もないまま、一方的意見をホームページに掲載したり、匿名性を利用した個人の誹謗中傷がまかり通ったりしている。一人の勇気ある発言が不正をただすこともあれば、その発言が、個人やコミュニティーや企業を崩壊させることもある。
8 ともかく、これまで一般の個人が持っていた、ビラやミニコミ、投書欄への投稿などという発言手段に比較して、〈 インターネットの持つ力は圧倒的である 〉。


Q5「メディア」の意味は何か。
A5 媒体。何らかの情報を伝える手段。

 例 新聞・雑誌・テレビ・ラジオ   …… マス(大量・大衆の)メディア
   インターネット    …… マルチ(巨大・多方向)メディア
   手紙・電話・言語・表情・服装etc…… パーソナルメディア

Q6「 「著者」 」と「著者」の違いは何か。それがわかるように、それぞれ20字以内で説明せよ。
A6 著者 … 権威性をもつ、印刷された書物の書き手。
  「著者」 … 誰もがなれるインターネット上の書き手。

「『著者』のあり方が、大きな変容を被ってきている」について、

Q7「変容」し、どのような事態が生じているか。10字以内で抜き出せ。
A7 著者の権威性の崩壊

Q8 なぜそうなったのか。本文のことばを用いて40字以内で説明せよ。
A8 インターネットの普及により、だれもが簡単に「著者」となれるようになったから。

「泣き寝入りせざるを得なかった」について、

Q9 なぜ「泣き寝入りせざるを得な」いのか。(60字以内)
A9 不正により不利益を被るようなことがあっても、
  その事実を世間に公表し、不正をただしていく手段をもっていなかったから。

Q10 「泣き寝入り」とは、この場合誰がどうなることか。
A10 不正により不利益を被った者が、その事実を告発する手段がなく
   不本意ながらあきらめてしまうこと。

Q11「インターネットの持つ力は圧倒的である」とあるが、なぜか。(40字以内)
A11 多数の人々への情報発信が、従来のメディアに比べてきわめて簡単に行えるから。


前近代 … 特定の人しか読者になれない時代
  ☆ グーテンベルクによる活版印刷の発明
 ↓    活字書物文化
     「著者という権威」(=著者性)の成立
近代 … だれもが読者になれる時代
 ↓  ☆ インターネットの登場

現代 … だれもが「著者」になれる時代
        ↓
    著者の権威性の崩壊
       ∥
  具 不正告発 誹謗中傷 etc
       ∥
   インターネット……圧倒的な(発信)力
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「ネットが崩す公私の境」の授業(1)

2021年10月02日 | 国語のお勉強(評論)
第一段落(1~3)

1 ほぼ一世紀前、思想家ニーチェは、著者と読者について次のように述べていた。
2 「読書する暇つぶし屋を私は憎む。あと一世紀も読者なるものが存在し続けるなら、やがて精神そのものが〈 悪臭を放つ 〉ようになるだろう。だれもが読むことができるという事態は、長い目で見れば、書くことばかりか、考えることまで腐敗させる。」(『ツァラトゥストラはこう言った』中の「読むことと書くこと」から)
3 ニーチェのこの言葉は、少数の著者が多数の読者を啓蒙し教化する、という活字書物文化の特質を揶揄したものと考えられる。ニーチェが評価するのは、「血をもって」全身全霊で「書かれたもの」だけであり、暇つぶしの気楽な読書態度では、その「書かれたもの」の精神を読み解くことはできないのである。


Q1 ニーチェの言葉中のマイナスイメージの言葉に線をひきなさい。
A1 暇つぶし屋 読者なるもの 悪臭を放つ 事態 腐敗

 「読書」は、一般的にプラスですか? マイナスですか?
 本を読んで見識を高め教養を身に付けようとすることは、一般的に「悪いこと」と見なされることはないですね。
 しかし、ニーチェは読書する人を「暇つぶし屋」と揶揄する。つまり「からかってバカにする」のです。
 「君たち、読書なんてことをしているのかい? それで頭がよくなると本当に思ってるの?
  へえぇ、おめでたい人達だ。あなた方は結局何も考えず、ただ読んでるだけなのだよ。
  そんなんじゃ、頭がよくなるどころか、頭が腐ってくるよ。
  悪臭が漂ってるよ。おっと、近づかないでください、バカがうつるから……」
 大哲学者ニーテェ大先生は、性格が悪いのです……ではなくて、そこまで言わねばならぬほど、安易な読書に警告を発しているということでしょう。
 ニーテェのような言葉遣いを私がしたら、おそらく保護者の方からクレームが入ることでしょう。
 筆者自身も、さすがに自分で直接言うのは避けて引用しているのです。


 読書する暇つぶし屋
    ∥ → 精神そのものが悪臭を放つ
 読者なるもの
    ∥
 だれもが読むことができるという事態
              → 書くこと・考えることの腐敗
    ∥
 活字書物文化
     ∥  
少数の著者 → 啓蒙・教化 → 多数の読者
       ↑
   ↓
 「血をもって」全身全霊で「書かれたもの」 → 精神を読み取る

啓蒙 … 知識がないものに知識を与え知的水準を高める
     
☆ 啓蒙思想……18世紀フランスに生まれた思想
        合理主義に基づく正しい教育によって古い思想を打ち破ろうとする考え

揶揄 … 皮肉を言ってからかう

Q2「悪臭を放つ」するとは誰がどうなることか。(60字以内)
A2 近代の読者が、7
   著者の考えをそのまま受け入れるだけの読書をすることで、27
   自分の頭で考える機能を失ってしまっていること。23

  少数の著者が多数の読者を啓蒙し教化する → 読者は教えを受けるだけ
  悪臭を放つ = 腐敗する → 持っている性質を失う
  精神の腐敗 = 考えることの放棄

Q3 ニーテェはどういうことを「揶揄」しているということか。(25字以内)
A3 近代人が、啓蒙思想の価値を信じて疑っていないこと。

ニーチェの批判
 ……「知」とは合理的・科学的に与えられるものだ、という啓蒙思想を批判したもの
   近代的「知」対する懐疑

Q4 ニーチェの言葉を引用した筆者の意図は何か。
A4 ニーチェの権威を利用して自分の主張を強化するため。

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語彙力アップ 黒崎政男「ネットが崩す公私の境」

2021年09月29日 | 国語のお勉強(評論)
語彙力アップ 黒崎政男「ネットが崩す公私の境」
 空欄に漢字・読み方・意味・対義語etcを記入しなさい

1 ~屋(~や)…… ~を商売にする人・家。~する人を( 見下 して)呼ぶ時。
2 ~なるもの…… ~であるもの・~( とかいう )もの。~を見下して言う時。
 ☆ ~たるもの…… ~である者・~であるならば(~としての 規範 を言う時)。
3( 事態 )じたい……よくない状況、なりゆき。
4( 腐敗 )ふはい ☆ 腐る( くさ る)・敗れる( やぶ れる)
5( 啓蒙 )けいもう……道理に蒙い( くら い)頭を、啓く( ひら く)。
6( 教化 )きょうか……特定の考えを( 教え込む ) ☆ 教育……教え育てる
7 揶揄( やゆ )……( からかう )こと。
8 全身( 全霊 )ぜんしんぜんれい……身( 身体 )と霊( 精神 )の全てで
9( 権威 )けんい……authority ☆( 権力 )……power
10 メディア……( 媒体 )、なかだちとなるもの
 マスメディア……( 大衆 的)メディア・マルチメディア……( 複合 的)メディア
 ・パーソナルメディア……( 個人 的)メディア
11( 変容 )へんよう…… 容( かたち )を変える
12 被る( こうむ る) ☆ 帽子を被る( かぶ る)・法被( はっぴ )を着る
13( 享受 )きょうじゅ ←→( 提供 )
14( 消失 )しょうしつ ←→( 出現 )
15( 崩壊 )ほうかい 崩れる( くず れる)・壊れる( こわ れる)
16 目下のところ( もっか のところ)……( 現時点 で)・さしあたり・すぐ近く
17 ~をきわめる……「~」=「主に( 悪い )状態」がこのうえない
 ☆ 混迷を極める・凄惨を極める・多忙を極める・猖獗( しょうけつ )を極める
18 泣き寝入り……不本意ながら( あきらめる )こと
19 せざるを( 得(え) )ない…… しないわけにはいかない ☆ やむを( 得 )ない
20( 告発 )こくはつ ☆ 告げる( つ げる)・発く( あば く)
21( 論拠 )ろんきょ……議論の拠( よりどころ )
22( 証拠 )しょうこ……事実認定の( 拠(よりどころ) )
23( 匿名 )とくめい……本名を匿す( かく す)
24 誹謗( 中傷 )ひぼうちゅうしょう
 ☆ 誹る(そしる)・謗る(そしる)・中てる( あ てる)・傷む( いた む)
25( 形態 )けいたい ☆ メディアの( 形(けい)態(たい) )・スマホの( 形(けい)体(たい) )
26( 制約 )せいやく ←→( 自由 )
27( 検索 )けんさく ☆ 検べる( しら べる)・索める( もと める)
28( 有用 性)ゆうようせい……どれくらい( 役に立つ )かの度合い
29( 関与 )☆ 関わる( かか わる)・与る( あずか る)
30( 淘汰 )とうた……よいものと悪いものを( より分ける )
31( 思考 )しこう……考え thinking   32( 思念 )しねん……思い thoughts
33( 吟味 )ぎんみ…… 物事を( 念入り )に調べること
34( 短絡 )たんらく……深く考えずに二つの物事を結びつけること
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