水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

久しぶり

2010年02月28日 | 日々のあれこれ
 母を見舞ったあと、妹夫婦とヨーロッパ軒総本店へ。
 久しぶりにソースカツ丼を食べた。
 男性の方でもどうぞとあったので、ごはん少なめカツ2枚のレディースを注文する。
 高校のころは、大盛りでも足りないくらいだったが、今はこれでちょうどいい。
 といってもビールと牡蠣フライという昔できなかった贅沢もしてしまっているからでもあるが。
 福井駅まで送ってもらい、駅ビル内のスーパーでムツの照り焼きを買ってからしらさぎに乗った。
 たいがいのものは都会のデパ地下で手に入るけど、ムツは売ってないのだ。
 一切れで398円だから、この魚も今や高級魚になってしまった。
 米原からひかりに乗り換える。
 新幹線には津波の影響がなくて助かった。
 学年末試験の、自分でいい答が書けてなかった問題の答えを考えたり、試験後から定演までの練習のおおまかな計画を立てたりする。
 帰りは少し生産的な時間になったので、その後は藤沢周平『花のあと』を読んですごした。またばりばり働けるかもしれない
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さらってなくても …

2010年02月27日 | 日々のあれこれ
「勉強してないので、模試はまだ受けたくないです。」
「さらってないので、合奏でないで個人練やってて、いいですか?」
 こういう生徒さんには、きびしくそれをとがめ、勉強してないからこそ模試を受けるのだ、合奏にまさる個人練はないのだと指導してきた。

 なので、練習してないから休ませてもらおうかなと考えてしまう自分を叱咤し、指揮法講習会に参加させていただいた。

「じゃあ、まず一回、やってみましょう」
 はい、おねがいします。

「 … 。
 先生、鏡を見て図形を書く練習しましたか。
 前回言いましたよね。」
 す、すいません。

 後悔した。
 参加したことをではなく、練習していかなかったことを。
 そんな状態でも、何がどうわるいか、何をどう練習してくればいいのかを、丁寧に教えていただいた。
 逆の立場で、つまりおれが教える側で、そんな生徒をみたら、やる気ないなら帰ればって言ってたかもしれない。
 今度こそちゃんとやっていこう。
 でも、やはり休まなくてよかった。
 休んでいたらゼロになってしまうところだった。
 
 レッスンが終わり、その足で東京駅へ。
 膝の手術をした母を見舞いに新幹線に乗る。
 反省しながら、駅で一杯だけビールをいただいた。
 カバンの中につめてあったやるべき仕事は、出す前に眠りにおちていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残念

2010年02月26日 | 日々のあれこれ
 5時間目、漢文の演習問題を説明しながら、浅田真央選手の結果はどうだったろう、誰か机の下でこっそり携帯をチェックしてる子はいないかと様子をうかがっていたが、まさか本校でそんなキケンを犯す子がいるはずがない。
 授業終了のチャイムと同時に職員室にもどった瞬間に、あ、逆転はならなかったなと思った。
 はなやいだ空気がみじんもなかったから。
 何事もなかったかのように仕事を続ける先生方の様子をみながらパソコンで確認すると、予想外に大差だった。
 しかし、こうなる可能性の方が高いかなとも思っていた。
 昨夜、夕刊で清水宏保選手のコラムをよんでいたから。
 現場で感じるキムヨナ選手のつくりだすムードが別格だという主旨の内容だった。
 清水選手自身、本番のレースのときは自分の空気をつくり、自分のタイミングでピストルをならしてもらうようにしたと述べ、キムヨナさんはその何倍もそういう雰囲気をつくりだすと書いてある。
 たぶん、現場で実際のすべりを見ている人にとっては、キムヨナ選手は絶対的存在に見えてたでしょうね。
 画面からももちろん伝わっていたけど。
 だって、こんな人今までいなかったよね。

 それにしても清水宏保選手のコラムはすばらしい。
 数日前の「スポーツ後進国日本」という記事は、日本のスポーツ界の問題点の本質をついていた。

 ~ バンクーバー五輪では、JOCの役員、メンバーが大挙して現地入りしている。予算は限られている。そのため、選手を手塩にかけて育てたコーチや、トレーナーがはじき出され、選手に快適な環境を提供できていない。お金の使い方が逆だろう。 ~

 こういうことは、本来本業のマスコミの方が書くべきことだ。
 
 ~ 競技スポーツだけではない。「1人1ドルスポーツの予算をつければ、医療費が3.21ドル安くなる」という統計を見たことがある。ヨーロッパではスポーツ省のある国が多い。スポーツを文化としてとらえる発想が根付いているからだ。生涯スポーツが、また競技スポーツのすそ野となる。 ~

 早稲田スポーツ科学を受けようかと考える高校生は、ファイルして暗記するほど読み込むべきだな。 
 本業の記者の方って、清水選手の文章を読んで嫉妬しないのかな。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

県立合格発表

2010年02月24日 | 日々のあれこれ
 県立高校の合格発表日。
 今年から前期と後期の定員の配分が入れ替わり、前期で8割方決まるという。
 今日の結果をみて、本校への入学を決める子もいるだろう。
 気持ち的に前向きになれないままの子もいるかもしれないが、それが運命だと思い、肚をくくって入学してきてほしいと思う。
 けっきょくは肚をくくれるかどうかじゃないかな、どこの学校に行っても。
 公立か私立か、または偏差値や評判でのいろんな評価は耳に入るだろうが、本人がそこで何をやったか、やれたかが一番大事だ。
 ほんとは来たくなかったという思いを抱いたままだと、やはりいい高校生活は過ごせないことが多い。
 いや、実際には恵まれた高校生活をすごしていても、自分でそうとらえられないということだ。
 では、その子が第一志望の学校に入っていたらどうだっただろうか、幸せだったろうか。 そうである可能性はある。
 しかし、そういう感性でものごとをとらえる子の場合、望みがかなっていても、こんなはずじゃなかったと感じることにもなってしまう。
 あたえられた運命こそが「本当の自分」だと受け入れて、肚をくくってやること。
 進路も就職も仕事とそれしかない(と自分にも言い聞かせる)。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

凡骨タウン

2010年02月23日 | 演奏会・映画など
 かばんがやたら重くて、いつも開けない方のチャックを開けたら芝居のチラシががっつり入っていた。
 池袋芸術劇場でモダンスイマーズという劇団のお芝居を観たときのものだ。
 定演2部お芝居の全体像がほぼ決まり、試験明けにすぐ練習に入れるように脚本をつめていかねばならぬ、その推進力を得たいと思って出かけたのがモダンスイマーズの「凡骨タウン」という作品。
 シンプルなセットと端正な演技のストレートな芝居だった。
 過去と現在とが入れ子になっているのだが、登場人物たちが、衣装も買えずに子ども時代にもどったり、現在の青年になったりするのが見事だった。
 そういうモードでみてくださいと知らせる照明の具合もさすがだった。
 
 先日、県別の年間平均収入が報じられ、中央と地方の格差が問題だと論じられていた。
 自分にとっては、もし田舎にいたら、収入が少ないのもそうだけど、仕事の後にふらっと芝居を観に行けないであろうことの方が大きい。
 あ、でもずっと地方にいたらこんなにチラシをもらう機会はないから、格差に気づかないのかな。
 だとしたら、地方格差とか騒いでいるのは、中央のメディアだけなのかもしれない。
 格差を知らないままの方が、本当は幸せなのだろうか。


 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月22日

2010年02月22日 | 日々のあれこれ
 2並びの日なので記念の切符が売れてるという。
 ここまできたら22時22分にタイムカードおしてかえろうかなというぐらいやることが残ってしまった。
 ひすいこたろう著『ザバースデー』を繙くと、2月22日はジョージ・ワシントンの誕生日だそうだ。
 「仲間と行動を共にする時は、相手を思いやる気持ちを忘れないこと」というワシントンのことばも載っていた。
 今日の昼休み、部長が「休みを減らす方法をなんとか考えたいのですが」と深刻な顔で相談にきた。
 「部長にそんなことを悩ませるのは、みんなおかしいんじゃないか。
 なんか方法がないとみんながそろわない部だとしたら、練習しなくていいってことだ。
 上に立つ人には、もっと前向きなことで頭を使ってもらえようにしなかったら、前にすすまないよ」と終わりの集合で話した。
 そういうことさえ思いやれない人どおしでは、部はなりたたないから。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「間」の感覚

2010年02月21日 | 日々のあれこれ
 1年生現代文でお勉強した文章。

~ 空間的な内部を意味する「うち」という言葉が「身内」のように人間どうしの関係性を意味したり、あるいは「朝のうちに仕事をする」という具合に、時間的広がりにも用いられたりすることから明らかなように、日本人にとっては人間社会も空間も時間も関係性という共通した編み目の中に組み入れられている。
 「空間」も「人間」も、そして「世間」も、いずれも「間」という文字を含んでいるのは、決して偶然ではない。そのような関係、つまり「間合い」を正しく見定めることが、日本人の行動様式の大きな原理である。(高階秀爾「『間』の感覚」)~

 ちょっと清水義範風ではあるが、なるほどと思う。
 いまオリンピックの選手達は、ものすごく身内が増えてることだろう。
 あの選手さ、おれの知り合いの会社に勤めてるんだよとか、友達の友達の同級生なの、的なノリで。
 オリンピックの時は、日本人全体が一種の身内になっているようなもので、そのなかで「間合い」をはかりかねると、国母くんみたいなことになる。
 日本人にとっての「身内」は、時と場合によってフレキシブルに変わる。
 これを「世間」と言い換えてもいい。
 身内の範囲がその時々に変わることは外国人に理解しがたい、とも高階先生は書いておられた。
 内か外か、身内かよそ者か、それは心理的に決まる。
 目に見える境界線があるのではない。
 まさに「いじめ」の原理である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月20日

2010年02月20日 | 日々のあれこれ
 今日はまず、みんなで演奏会のチラシを封筒詰めして、郵送準備。
 個人練習後、基礎合奏。
 「ハウルの動く城」「私のお気に入り」「ルパン3世」を合わせ、再度個人でさらう時間。
 「ルパン」は定演アンコールの定番だったが、去年はやらなかった。
 1年生はまったくはじめてなので、ぜんぜんだめかと思ったが、なんとなく曲になりそうな雰囲気はある。 
 「私のお気に入り」はずいぶん前に定演でやっている。
 その時ってこんなに苦労したかな?と思う。
 地道にやっていくしかない。
 高橋選手も織田選手も地道に努力した結果だ。
 プルシェンコさんが、4回転をとばずに金メダルをとるのはおかしいと言ってたが、自分の感性がちょっと古くなってることに気づいた方がいいかもしれない。
 昨日の夜演技を観てて、もうとっくに嵐の時代になっているのに、プルシェンコさんてSMAPみたいだなと感じたのだ。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高橋選手

2010年02月19日 | 日々のあれこれ
 男子フィギュアの高橋選手、銅メダルおめでとうございます。
 一昨日のショートプログラムは、ヤオコーの駐車場で観た。
 演技が終わった瞬間、かっこいいーーっ、と声に出してしまった。
 女性の「キャー!」という気持ちがほんとよくわかった。
 なんというか、プルシェンコさんとは、ジャンルがちがうのではないか。
 高橋選手の演技は、スポーツではなく芸術枠だと思う。
 今日のフリーは観てないけど、観なくてもわかっている。
 ほんとの金賞は高橋選手だ。
 こういう主観競技で、白人に混じって世界のトップに入るだけでじゅうぶん偉い。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陽のあたる坂道

2010年02月18日 | おすすめの本・CD
 スキー実習から帰った日、本屋に行ってうれしかったのは、 「海街diary」 の第3巻『陽のあたる坂道』が出てたことだ。
 1年に1冊しかでないのはさびしいが、それだけ手にしたときは嬉しいし、待ち遠しさを補って余りある完成度の高さがある。
 味わいながら読み進み、読み終わった後しばし放心状態になるのは、今回も同じだった。
 主人公すずが、3人の異母姉と暮らすようになって、一年が過ぎた。
 長姉の恋愛や、すずの進学など、それぞれが人生の転機を迎えている。
 表題作「陽のあたる坂道」は、この二人が、雑貨屋をめぐり、切り通しの坂を登って家路につくシーンでおわる。
 歩く二人の遠景。
 ふきだしにはあるのは会話の断片だけど、二人がどれほど心をよせあいながら、言い合っているかが伝わってきて、心にしみる。

  家へ続く 長い坂道を 姉と歩く
  その日の出来事を話しながら
  夕陽がまだ濃い影を 足もとに落とす
  蝉の声が頭上から 降り注ぐ
  海辺の街の はじめての夏が すぎていく

 この一編だけで是枝監督の映画一本分ぐらいの奥行きがある。
 この一編を越える小説が、なかなか思い浮かばない。
 映像になるなら、看護師の長女シャチ姉は「ふぞろいの林檎たち」の手塚理美しかないな(古いですか)。信用金庫に勤める酒呑みの次女佳乃は水川あさみ、すずは「女王の教室」の志田未来ちゃん。福田麻由子ちゃんという手もあるか。アフロヘアの三女はどうしよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする