水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

アンサンブル発表会

2017年12月28日 | 演奏会・映画など

 

       アンサンブル発表会

日時 12月28日(水) 14:00~16:00

会場 本校4F 第二講堂(小講堂)

  今年一年、ありがとうございました!

  新年もよろしくおねがいします!!

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神頼み(3)

2017年12月27日 | 学年だよりなど

 

   学年だより「神頼み(3)」


 どんな競技でも、一試合ごとに力をつけていくチームがある。
 前評判ではそれほどでもなかったのに、大会が始まり、初戦をぎりぎり勝ち上がったあと、試合を重ねるごとに強くなっていくチームだ。
 そういうチームを間近に見た人も多いだろうし、この春、夏の大会においては、みなさん自身がそうだったと言える部活もあったはずだ。
 戦いながら力をつけていく姿は、現役生受験生の戦い方と似ている。
 だから、受験日程自体も、合格可能性の高い大学から、ほどよく難しい大学に向かってすすんでいくような、それなりに長いスパンで組んでおく方がいいだろう。
 少しでも自分の立てた受験プランに不安があったら、学年の先生に相談してみよう。
 後は、地道にやるべきことをつぶしていく。
 焦りから頑張りすぎて睡眠不足になったり、その結果風邪をひいたりすることのデメリットは意識しておかなければならない


 ~ 太平洋戦争の時、日本軍のパイロットには休みがありませんでした。
 寝ていないのです。
 ところが、アメリカ軍のパイロットには休みがありました。
 休むことで疲労回復すると、視力と判断力が上がります。
 パイロットは瞬時の判断力の勝負です。
 航空機の能力や操縦のうまさ以上に、休養をどれだけとっているかが勝負の分かれ目になります。
 アメリカ空軍が最も強い日は、休みの前日です。
 「今日頑張ったら、明日、明後日、連休だ」と思って戦うからです。
 一方で、「未来永劫休みはない」と思っているところが戦えば、負けるのは当然です。
 「こっちは休みもとらずに頑張っているんだ」と言う人は、クオリティーの低いものを出します。
 休みをとっている人は、クオリティーの高いものを出します。
                   (中谷彰宏『頑張らない人は、うまくいく』Gakken) ~


 勉強が進んで気分がよくなり、勢いに乗って夜更かしし、ランナーズハイ状態で勉強しても、深夜をすぎた脳は実は機能していない。
 それでもはかどっているように感じてしまうのは、脳が酩酊状態になっているからだ。
 酩酊のなかで二時間かけてこなす内容など、熟睡した翌朝の15分で終わる。
 プロのスポーツ選手にとって、睡眠もマッサージも食事も仕事のうちだ。
 体のメンテナンスは、そのまま気持ちのメンテにもなる。
 気持ちが整っていれば免疫力も上がる。

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神頼み(2)

2017年12月26日 | 学年だよりなど

 

   学年だより「神頼み(2)」

 即応模試やセンタープレの結果が思わしくなくても、最終的な目標設定については大きく動かさなくていい。結果に一喜一憂する時間ももったいない。
 想定外に悪い結果であっても、自分が早急にやるべきことをはっきり示したもらえたのだから、現時点ではありがたいのだ。
 予想以上によかった時の方がむしろ危険だ。
 目標校の入試日に力が発揮できることこそが重要なのだから、極端な言い方をすれば、その前日まではダメだしが続いている方がいい。
 としたら、日々淡々とやるべきことをこなしていくだけであり、今さら「モチベーションをあげよう」とか、「気合いを入れて」とか言う必要さえない。


 ~ モチベーションを上げるというのは、アクセルをふかすことです。
 これはエネルギーのムダづかいで、よくありません。
 暴走族のブォンブォンという騒音は、アクセルをふかす音です。
 運転がうまい人は、ムダなアクセルの踏み込みがありません。
 ヘタな人は、ムダなアクセルとムダなブレーキが多いです。
 そのため、クルマがガックンガックンとノッキングを起こします。
 次の交差点の赤信号が見えている時は、アクセルをよけいに踏む必要はありません。
 車線変更して隣のクルマを追い越したり、車線をチョコチョコ変えるのは、ムダなモチベーションアップです。
 モチベーションを上げなければならないようなことは、しなくていいのです。
 モチベーションはムリヤリ上げると反動が来ます。
 カフェインは元気が出ますが、その後ドーンと、より疲れがたまります。
 自分のエネルギー以上に頑張れば、その時点で疲れてしまうのは当たり前です。
 プロのサッカー選手や、試合が週6日ある野球選手が、「今日のためにモチベーションを上げなくちゃ」というのはおかしいです。
 料理や家事、仕事にしても、いちいちモチベーションを上げなければならないという時点で、プロではありません。
 それはアマチュアの趣味です。
 プロは、モチベーションを上げないで淡々とします。
 公務員が仕事をするように本を書いているのが職業作家です。
 何十年と長く作家をしている人はみんなそうです。
 「ヤル気をムリヤリ出さなければいけない」から、「淡々としよう」という考え方に頭を切りかえたほうが、うまくいくのです。   (中谷彰宏『頑張らない人は、うまくいく』Gakken) ~


 今みなさんがこなしている勉強の質と量を客観的にみてみたなら、一年前、二年前には想像できなかったレベルに達しているのではないだろうか。淡々とやれば、さらに上の次元にいける。

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神頼み

2017年12月25日 | 学年だよりなど

 

   学年だより「神頼み」


 合格祈願に行きましょう。なんといっても最後に頼るべきは神様です。
 非科学的と思う人もいるかもしれませんが、そういう人は「科学万能主義」に冒されています。
 世界最高の知性も未来を予言することはできないし、現時点における最高の科学理論もこの世のすべての事象を明らかにすることはできていません。
 科学というものは、近代知が生んだ一つの物差しにすぎず、科学の過信こそが様々な問題を生じさせている……と現代文の評論で学んできたではないですか。
 どんなに力のある人も、実力が発揮できないことはありうる。
 突発的な事故にまきこまれることもあれば、その日だけ体調がおかしいこともある。
 科学では解明できない「運がいい」「運が悪い」というのは、間違いなく存在します。
 ただし、予想外のことが起きたときに、「ついてないなあ」とへこむ人と、「この程度ですんでよかった」ととらえる人とでは、その後の展開が全く変わります。
 後者は、結果的に「運のいい人」になっていく可能性が高いでしょう。
 大事なのは、「やるべきことは、全部やった」と落ち着いた心を持つことであり、「やれることは全部やって合格する」という意志を持ち続けることです。
 自分でできることはすべてやりきろうとし、同時に、自分の力ではどうにもならないこともある、どんな結果も受け容れるという平穏な心を持つことです。
 神社やお寺にでかけると、なぜか穏やかな心になることができます。
 わざわざ遠い有名な神社仏閣に出かける必要はありません。
 まして年末年始の大混雑の人混みの中に身を投じるべきではありません。
 思い立った日、気がついたときに――勉強がちょっと停滞したとき、もう一つ気分がすっきりしないとき――自宅から一番近くにある神社でもお寺でも、「ここ」と決めたところに歩いてお参りに行ってみましょう。
 具体的にはどうお参りすればいいのか。
 ① 自己紹介する。「川越東高校3年○組の誰々です」。
 ② 報告と感謝「今まで元気にがんばってこれました。ありがとうございました」
 ③ 誓い「入試本番までやりきります、見守っててください」
 拍手(かしわで)を何回打てばいいかとかは気にする必要はありません。
 心をこめて、こうしてお祈りに来られる自分でいることを感謝するのが第一です。
 お賽銭は1円でも5円でも10円でもいい。もちろん100円でもいいけど、神様は一回で100円より、10円で10回お参りに来てくれる方を好むそうです。
 「ご縁」にかけて5円はオーケー、「とおえん(遠縁に)」につながる10円はだめと言う人もいますが、根拠はないですし、そんな浅はかな神様はいません。
 たとえお賽銭を入れなくても、心をこめてご挨拶すれば大丈夫です。
 あまりいないとは思いますが、自宅の仏壇に毎日手を合わせている人は、必ず結果が出ます。
 食後の食器洗いとかお風呂掃除とかを担当している人も同様です。
 受験生だからと家でエラそうに過ごしていると、神様には嫌われるようです。

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クリスマス・ジョイント・コンサート2017

2017年12月24日 | 演奏会・映画など

クリスマス・ジョイント・コンサート2017

 ~ 朝霞西高等学校 川越東高等学校 所沢北高等学校 和光国際高等学校 ~

日 時 2017年12月24日(日)13時開演

会 場 川越東高等学校 第一講堂

 たくさんのご来場、ありがとうございました!!

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年末・年始

2017年12月23日 | 日々のあれこれ

   今後の演奏予定

2017年
 12月24日(日) クリスマスジョイントコンサート@本校第一講堂
 12月28日(木) 校内アンサンブル発表会@本校第二講堂

2018年
 1月8日(祝) 南古谷ニューイヤーコンサート@東邦音大グランツザール
 1月14日(日) さいたま県吹奏楽コンクール新人戦@さいたま市文化センター

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基本とメンタル(2)

2017年12月09日 | 学年だよりなど

 

    3学年だより「基本とメンタル(2)」


 受験には「図太い」神経が必要だ。
 乗り慣れない電車に乗り、はじめて入る建物の、慣れない机で問題を解く。
 自分の机にだけ小さな疵があるかもしれないし、イスがガタガタ動くかもしれない。暖房が強すぎる場所になるかもしれないし、トイレの臭いが気になる席かもしれない。
 隣に座った受験生が、妙に落ち着かない奴だったり、態度がでかかったり、筆圧が強くて机を揺らされたり、香水のきつい女子だったり、やたら鼻をすすっていたり … 。
 地下鉄を乗り間違えて、開始時間ギリギリに到着することになるかもしれないし、急にお腹の具合が悪くなったのにトイレが見つからないかもしれない。
 開始の合図で問題冊子を開くと、過去問からの予想とは100%異なる内容だった、なんてことも「体感的」にはあるものだ。
 ふだん考えられないようなことが起きるのが「本番」だといっていい。
 何があっても動じない人というのは、たぶんいない。動揺している状態のなかでも、その時点での最善を尽くそうと思える心が必要だ。そういう図太さを「胆力」とよぶ。
 そういう心を得るための特効薬はない。毎日学校に来て、何があっても平然とやるべきことを積み上げていくことでしか作れないのだ。毎日学校に来て、ほんの少しずつの負荷を自分にかけ続けることでしか作れない。


 ~ 自分に負荷をかけると成長する、私はそう思っています。でも、どうやって負荷をかけたらよいのでしょうか。イヤなことを無理してやるとか、そういうことではない気がします。多分、やりたいと思っていることを、恐れずにやること。好きなことだったとしても、それをするときには必ず、大小はあれ、ぶちあたる壁がやってくる。それから逃げないことかなあと思います。つまり「やりたいことを、できないと言い訳せずにやること」。それが自分に負荷をかけるということなんじゃないかなあ。(中略)
 体の筋力も、急にはつかず、徐々に鍛えるように、心の筋力も、ゆっくりとついていくのですね。筋トレは、筋肉の繊維を切るほどの負荷をかけて、再生するときにさらに太くなるといいますが、心だって同じなのでしょう。負荷をかけることで、だんだんと、強くなっていく。ゆっくりゆっくり、心の筋力は、ついてくる。焦らなくても大丈夫。徐々に強い自分になれるはずです。 (和田清華『その夢はいつやるんですか?』ゴマブックス) ~


 雨でも雪でも寒くても授業がなくても面倒くさくても、学校に来て、元気よくあいさつし、問題を解き、ときには友達と話し、しっかり食べる……という日常の積み重ねこそが、メンタルをつくり、自分を成長させる。なんてありがたいことだろう。

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基本とメンタル

2017年12月08日 | 学年だよりなど

 

    3学年だより「基本とメンタル」


 昔、センターの漢文に次のような出題があった。本文中の「易」と同じ意味で用いられている熟語はどれかと問われ、以下の選択肢がならんでいる。
 「 ① 簡易  ② 交易  ③ 容易  ④ 難易  ⑤ 平易 」(1996年本試験より)
 一目して気づくように、本文を読まなくても選択肢だけ見れば解ける設問だ。
 「 ① みかん  ② バナナ  ③ りんご  ④ ぶどう  ⑤ たまねぎ 」
から⑤を選ぶのと同じだと言える。では、次の選択肢なら正解はどれか。
 「 ① 親子丼  ② カツ煮御膳刺身付き  ③ カツライス  ④ カツ丼  ⑤ 西郷どん 」
 現代文でありがちな選択肢だが、これも本文を読まなくても④である可能性は高い。
 正解に必要な要素は「カツ」と「卵とじ」であり①・③は「不足」、②は「イイスギ」、⑤は「無関係」で誤答になるからだ。
 選択肢で解く以上、このような観点で選択肢を絞ることもできるという感覚は必要だろう。
 しかし、ほんとうに全く本文を読まずに全問を解くことはできない。
 あくまでも一つのテクニックであり、選択肢比較をする前に正解が一つ見えるようになるのが基本だ。
 センターの問題に限らない。残された時間が少ないからこそ、やるべきことはテクニックを磨くことではなく、基本を徹底することだ。
 二学期初めに紹介したこのことばを、つねに意識してほしい。


 ~ 高3の生徒諸君は受験本番まで間がありませんが、①今こそ基本を大切にし、②誰よりもたくさん問題数をこなし、③先を見据えて勉強をする、という姿勢でラストスパートに臨んでほしいなと願っています。 (木村達哉「成績向上のための基本三原則」)※№37 ~


 基本を大切にする勉強を積み重ねて力をつけ続けるとともに、それを本番で発揮できるメンタルを醸成していきたい。
 受験に必要なメンタルは、極悪非道の強大な敵に立ち向かっていくような勇気ではない。
 想定外の状況におかれても、精神的にアウェイの現場に行っても、(外見では)平然といつもどおりのジョブを行う胆力だ。
 『大学入試センター受験案内』の「受験にあたっての主な注意事項」(47頁)の中にこうある。


 ~ 「 エ 試験時間中に日常的な生活騒音等(監督者の巡視による足音・監督業務上必要な打合せなど,航空機・自動車・風雨・空調の音など,周囲の受験者の咳・くしゃみ・鼻をすする音など,携帯電話や時計等の短時間の鳴動,リスニングのイヤホンやヘッドホンからの音もれ,周囲の建物のチャイム音など)が発生した場合でも救済措置は行いません 」 ~


 試験中、リスニングの時間まで含めて、予期しない騒音が起こっても「何ら救済措置を講ずるつもりはない」と入試センターは言うのだ。

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時間との闘い(2)

2017年12月07日 | 学年だよりなど

 

    3学年だより「時間との闘い(2)」


 センターの英語や国語が80分ではなく120分あったら、平均点はあがる――。
 笠見未央先生のおっしゃることは正しいだろう。「大幅に」あがるかどうかは疑問だが。
 センターまでの残り日数が40日ではなく60日だったら、やれることは増える。
 今のみなさんなら、プラスされた20日間を有効に使えるだろう。
 もし追加で自分だけ40日もらえたなら、ほぼ無敵ではないだろうか。
 しかし400日だったら――。いやそこまではちょっと…、となるような気がする。
 と考えるなら、時間の有効性は、間際になってはじめて本気で意識できるものなのだろう。


 ~ スタッフルームを出て、わたしたちは一列になって、新幹線ホームへ向かう。
 半地下の通路を、斜め上の線路を見上げながら進んでいく。階段を越え、表側へと出る。23番線に立つ。二階建て新幹線MAX、2号車を待つため、配置に着き、わたしは気を引き締める。7分間で清掃するには、それぞれが自分たちの作業を滞ることなく、こなす必要がある。
「別に、掃除の速さを競っているわけでもないからね」と以前、鶴田さんが言っていた。「たまたま、7分しかないから、その間でできる限りのことをやっているだけで」
 最近は、わたしたちの新幹線清掃の仕事も雑誌やテレビで取り上げられることが増えた。自分たちのことが評価されるのは光栄で、誇らしいことではあるものの、7分間でぴかぴかに。世界最速の清掃! とその、「仕事の速さ」や「効率性」に注目されることが多いのも事実だ。もちろん、わたしたちは精一杯頑張って、その、「7分間の清掃」をやり遂げているのだから、褒められればうれしいが鶴田さんが言うように、「15分かけて掃除していいのだったら、15分かけて、もっときれいにできる」という思いもある。
 7分しかないから、7分で頑張っている。鶴田さんが引用した、パウエルさんの言葉ではないが、ただ、ベストを尽くしているだけだ。
 アナウンスが聞こえる。下り側から、ゆっくりとやってくる車両が見えた。
 わたしはじっとホームに立ち、お辞儀をする。横に、新幹線が滑り込んでくる。自分がそのまま前に走り出すような錯覚に襲われることもある。風がかかる。新幹線がブレーキをかけ、停止したところで、わたしはお辞儀をやめる。さあ、仕事だ。 (伊坂幸太郎「彗星さんたち」『エール!3』実業之日本社文庫) ~


 どんなに時間を有効につかえる人でも、高校生として過ごせる時間は3年間だ。
 本校だけ4年間あって最終学年まで部活の大会に出られるなら、歴史的に結果を残した今年以上の成果をあげられるだろう。
 しかし、すべての人にとって一日は24時間1440分であり、センターの国語や英語は80分だ。
 あと10分あれば、3日あれば、一年早く生まれたら……などと言い出したらきりがない。
 いつ、どれだけの時間を与えられるか、神様以外にはどうすることもできない
 われわれ人は、与えられた中で「ただベストを尽くしているだけだ」。さあ、勉強だ。

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なにくそ

2017年12月06日 | 学年だよりなど

 

    3学年だより「なにくそ」


 余裕をもって本番の試験に臨める生徒は、いまの三年生にはいない。現役生にはほぼいないと言ってもいいかもしれない。
 昨日の試験で、思い知らされた人もいるのではないか。
 ただし、同じ余裕がない状態でも、「やってやるぞ!」と向かっていくのと、「だめかもしれない … 」と弱気で臨むのとでは、結果は相当変わるだろう。
 問題文一つ読み取るにしてもそうだ。
 現代文の評論では、ときに相当難しい文章が出題される。「なんか全然頭に入ってこない … 」と弱気になると、まったく読めなくなる。
 「難しい言葉使ってんじゃねえよ!」と著者を一喝する気分で、むしろ上から目線で読むくらいの方がいい。言葉が難しい評論ほど中身はたいしたことがない場合は多々ある。
 岡山県で塾を経営する笠見未央先生は、本番前には、塾生たちをあえて嫌らしく挑発するという。
「君たちはしょせん田舎者だ。都会の難関校の生徒にはかなわないよ、ものがちがうんだから」と。
 それでしゅんとする生徒もいるが、結果を出す生徒はそこで「なにくそ」と闘志を燃やす。


 ~ センター直前に必要なのは、怒りの感情である。俺が成功しないで誰が成功するのかという、強烈なプライドである。試験前のプレッシャーを内部に向ければ重圧になるが、外に解き放てばエネルギーになる。
 勉強ってね、やっぱり負けん気が強い人間が勝つんだな。他人と比べられたら、屈辱で「ザラリ」とした不快なものが腹に宿る。怒りの感情は不安のウィルスを寄せつけない。試験前の不安など、怒気で抹殺せよ。
 最後に、不安解消の決定的手段を述べる。それは塾でカンヅメになり勉強することだ。家で勉強すると一人悩むし、誘惑も多い。その点塾なら余計なことを考えずに済む。肉体的疲労はあるが、精神的疲労は少ない。悩みが入り込む隙がなく、勉強に集中できる。 (笠見未央『センター前ヒット センター試験でこけない68の法則』高陵社書店) ~


 センター型の問題で結果が出ないとき、「自分の最終目標は私大一般だから」「めざすところと問題のタイプが違うから」という「言い訳」が思い浮かぶこともある。
 しかし、受験生としての力を測るのに、センター以上に精度の高い試験は、今の日本にはない。
 志望大学の問題で合格点をとることが最優先目標であることはまちがいないが、それとセンターの勉強とが矛盾することはない。
 センターが難しくて解けないレベルでは、みんなが行きたいと考えている難関私大の問題には対応できないのだ。
 二次試験の配点の高い国公立でも、センターで点数がとれなくて、二次で逆転した例というのは実際にはまれにしかない。
 まずは、昨日の失敗を成功にかえる糧にするための作業をすぐに行おう。

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