春に迎えた新入部員は、その後2人減り1人増えて今26名。
バーベキューこそできなかったものの、音楽座ミュージカル、西部地区研究発表会、野球応援をみんなで楽しく乗り切る。
コンクール翌日にバスで全国高校総合文化祭に向かうときの高揚感と、3学年60名で松本キッセイホールに立てた瞬間の幸せ。
三年生の仮引退後すぐにフレッシュコンサート、文化祭、男祭り。
学校説明会、にじの家、鶴瀬青年学級、ららぽーと富士見、バッハザールの本番ラッシュ。
クリスマスジョイント、アンサンブル発表会……。
充実した一年だった。一昔前ならこなせてないかもしれない。
いや、その気になればできたのだろうが、その気になる自分が熟成されてなかった。
外に出ることの重要性を感じる。外はアウェイだ。ホームでまったり練習しているのは居心地はよくても、成長はたぶん遅くなる。
ひょっとしたら、もう少しいけるかもしれない。もう1ランク上までいけそうだという予感もある。
今年一年ありがとうございました!
みなさま、よいお年をお迎えください!!
「翼!」
「なんだよ!」
「迷惑かけろよー! かけまくれよ迷惑を! お前がこの世でいちばん愛するこの俺に!」
「えっ」
さあ! 鉄腕は大きく両手を広げている。笑いそうになった。
「愛してないよ、お前のことは」
「嘘つけ!」
正直に言え! 鉄腕の顔は真剣そのものだ。愛してると言え! 俺を! 冗談にしてはやけにしつこい。最初はおもしろかったが、だんだん面倒になってきた。
「うるさいよ。とにかくお前じゃねえから、この世でいちばん愛する相手はお前じゃねえからほんと」
ええ? 鉄腕が身を乗り出す。
「嘘だろ? じゃあ誰だよ」
誰だよ、お前が愛しているのは誰なんだよ、言えよ、と俺の肩を摑んでがくがくと揺さぶる。助けを求めようと店主のほうを見たが、異様な光景におびえているのかこちらに目もくれない。だ、だれか。だれかたすけて。強い力で揺さぶられ競けて視界がはげしく揺れる。なにやら意識が朦朧としてきた。
「え、えっと……こ……小柳……さん」一品
ええ? なんて? 鉄腕がまた大声で言う。ようやく手を放してもらえたが、そのはずみで背中を椅子の背もたれにいやと言うほどぶつけた。
「小柳さんだってば」
鉄腕が「フー」と息を吐く。それから、信じられないことを言い出した。
「だってよ、小柳さん。もう出てきていいよ」
厨房に続く、藍色ののれんが揺れる。小柳さんが歩み出てきた。衝撃のあまり椅子から転げ落ちそうになる。小柳さん? と叫んだ声が裏返ったが、それを恥じる余裕すらなかった。
頬っぺたと耳朶を真っ赤にした小柳さんは俺を一瞥し、「バーーーーーカ!」と言い放つ。
(寺地はるな『大人は泣かないと思っていた』集英社)
今年読んだ本のなかで1番よかった場面。
寺地さんの小説には、すぐに映画やドラマになるような一大悲劇、スリル・サスペンスが描かれているわけではない。
超能力者もいないし、美男美女も出てこないし、SF仕立てでもないし、有能な刑事やらやり手の経営者やらは出てこない。
客観的には、そこらの普通の人しかでてこない。
でも普通の人々にとって、自分の人生におこることは、映画のヒロインに起こった事件より、現実的体感はよほどドラマチックだ。
誰もが自分という主人公であることはまちがいない。さだまさしみたいだけど。
登場人物たちがそれぞれの屈託をかかえながら、それぞれ自身にとっては大切な人生を生きている。
他人はなかなかそれに気づけないが、気づく瞬間の愛おしさを積み重ねようとしているのだ寺地作品だと感じる。
作品賞 「犬猿」
主演女優賞 黒木華「日々是口実」「来る」
助演女優賞 松岡茉優「万引き家族」「ちはやふる」
よくぞあのキャラを具現化してくれたで賞 平手由梨奈「響」
元気をくれたで賞 浜辺美波「センセイ君主」
最高のコメディエンヌで賞 知英「レオン」
これが母で賞 ジュリア・ロバーツ「ワンダー君は太陽」
お芝居が横綱すぎるで賞 安藤サクラ「万引き家族」
白岩玄『たてがみを捨てたライオンたち』
畑野智美『神様を待っている』
福澤徹三『群青の魚』
寺地はるな『架空の犬と噓をつく猫』
寺地はるな『大人は泣かないと思っていた』
どれも直木賞とれるレベルだけど、ノミネートされてない。選考委員しっかりしなきゃ。
校内アンサンブル発表会
日時 12月28日(金)14時開演予定
会場 川越東高校 第二講堂(小講堂)
保護者会のみなさま、一年間ありがとうございました!!
「ニート・ニート・ニート」
シネリーブル池袋でかるく見ようとしたら、なぜか超満員。ジャニーズ強し。めったに座らない最前列はさすがにちょっと見づらかった。さくっと楽しめたけど。
「いろとりどりの親子」 人権教育で見せるべき作品。
「ハードコア」 なぜ、こんな豪華な配役でつくれたんだろう。佐藤健くんは、悪い人役がかっこいい。
「かぞくいろ」 有村架純ちゃんのいきおいとまんないなあ。
「来る」 あんまり怖くなかった。「嫌われ松子」「告白」には耽溺したけど、今回は微妙かな。
「日日是好日」 作品も、黒木華さんのお芝居も、今年のベスト。
「入船亭扇遊独演会」@東銀座 久しぶりに生「文七元結」を聞けた。喬太郎、志らく、一の輔といった当代の人気者たちは、古典落語そのままではいけないとあれこれ可能性を探り、チャレンジし、その結果として新しいお客さんを獲得してきた。「今」の落語の牽引車たちと言えるだろう。
扇遊師匠の噺は、その昔文庫本の「落語百選」とかで読んだそのままだ。「談志が新幹線なら、古典を古典のまま工夫なく演じている噺家は籠かきだ」と志らく師匠が語っていたのは随分前で、そのときはなるほどと思った。今、何の「工夫もない」扇遊師匠の「文七元結」とか一席目の「天狗裁き」を聞いて、お客は笑い転げ、息をのみ、涙している。こういう方を真の名人というのだろうと思う。
「スマホを落としただけなのに」 「来る」より怖い。成田凌くんがこわい。
キャラメルボックス「リトル・ドラマー・ボーイ」@サンシャイン劇場 キャラメル節、成井節は裏切らない。
「アリー スター誕生」 ガガさまの歌は予想どおりだが、お芝居のうまさにびっくり。「スター誕生」のお話より、アル中のブラッドリー・クーパーが身につまされて、つらい。
実弾生活「なんてったってビジランテ」@シアターグリーン アットホームで楽しい。役者さんはみな達者で、もともと力のある方々だと思うのだけど、ぎらぎらした感じがなくて、ほどよく心地よい。お芝居そのものもちょうどよいくらいの事件、展開、解決、ほっこり感。
梅棒「ピカイチ」@グローブ座
池袋のシアターイーストで初めて見てから5年くらい経つのかな。グローブ座を一ヶ月近く満員にし続けるカンパニーになってしまった。ダンスとJポップだけでお芝居を構成するスタイル、しかもダンスのスキルがおそろしく高い人々が、本気でばからしいことをやりきるこの形は、唯一無二というしかない。これからも普通にチケット買って観に行きたいから、これ以上有名にならないでほしいと本気で思う。
クリスマス・ジョイント・コンサート2018
~ 朝霞西高等学校 川越東高等学校(with川越東中学校)
所沢北高等学校 和光国際高等学校 ~
たくさんのご来場、ほんとうにありがとうございました!!
クリスマス・ジョイント・コンサート2018
~ 朝霞西高等学校 川越東高等学校(with川越東中学校)
所沢北高等学校 和光国際高等学校 ~
日 時 2018年12月23日(日)13時開演
会 場 川越東高等学校4F 第一講堂
交 通 東武東上線上福岡駅よりスクールバスをご利用ください
☆ 12時15分川越東高校バス停(東口より徒歩5分)発
演奏曲目
1 所沢北高等学校
すてきなホリディ
ディズニー・ファンテリュージョン
U.S.A.
2 和光国際高等学校
スター・パズル・マーチ
JOY to The Brass Rock
ファンキー・ヘンズ
クインシー・マジック
3 朝霞西高等学校
雑☆エンターテインメント! ~お前をはなさない~
ザ・ヒットパレード ~宮川泰作品集~
メリーゴーラウンド・クリスマス☆
4 川越東高等学校
五月の風
マードックからの最後の手紙
シュガーソングとビターステップ(with川越市立川越東中学校)
5 1年生合同バンド
インディゴ・クラウド
伝説の日本映画メドレー
6 2年生合同バンド
「ラ・ラ・ランド」メドレー
ぞうさんの主題によるボレロ
7 全員合奏・合唱
みんなで歌おう! クリスマスメドレー
学年だより「時間感覚」
大谷翔平選手が、類い希な身体能力を有していることは、誰が見てもわかる。
同じだけの体格、足の速さや筋力、運動神経を持ち合わせた人は、必ず同じように成功できるかといえば、おそらく不可能だろう。
立派なフィジカルを持てばなおさら、それを律する精神が必要になる。
日本ハムファイターズ時代の5年間、投手コーチとしてともに過ごした黒木知宏氏はこう語る。
~ 「翔平のプライベートな時間は、二刀流を続けるためにある」
「自由時間はすべて、自らを高めるために使っている」 ~
24時間365日という時間は、すべての野球選手に平等に与えられている。
この「時間」と向き合い、「投手だけに時間を使う」「打者だけに時間を使う」のではなく「両方に時間を費やす」という不可能を可能にしたのが大谷選手だ。
大谷選手の時間感覚は、こんなエピソードからもうかがい知ることができる。
~ この年の2015年、オールスターの初戦に先発登板したその日の夜、番組に生出演してくれました。番組終了後、出演してくれた御礼に軽く食事に行きましょうと、番組スタッフがお店を予約しようとしたところ、彼はこう答えました。
「お店は予約していただかなくて大丈夫ですよ。僕はフジテレビの社食に行きたいです。社食に行きましょう!」
その10分後、大谷選手は夜深い時間のお台場フジテレビの社食で、社員に混じりながら美味しそうに牛丼を頬張っていました。
食事が終わり、社屋を出る時に「大谷君、社食で大丈夫でしたか?」と聞くと、彼は、「田中さん、大丈夫ですよ。会社の社食に興味がありましたし、お店へ向かう移動時間のことを考えると社食で十分ですよ。時間がもったいないので」と笑顔で答えました。 (田中大貴「NUMBER WEB」11月26日) ~
このオフに肘の手術をした大谷選手だが、投手復帰までのタイムスケジュールは完全にできあがっていることは想像できる。
~ 大学受験や高校受験で合格するのは、スマホを捨てた子です。
「雑誌を捨てます」「TVを見ないようにします」「ゲームは1時間以内にします」と言っている子は合格しません。
高校生でスマホを捨てるのは根性が要ります。
スマホをボンと捨てられる子は、志望校に通ります。
それは、覚悟があるからです。 (中谷彰宏『しがみつかない大人になる63の方法』きずな出版) ~
学年だより「才能×努力(2)」
一時期、テレビで目にしない日はないほどの売れっ子だった島田紳助氏だが、若いころのエピソードを知ると、彼の芸を支えていたのは並々ならぬ努力であったことがわかる。
漫才で身を立てようと決心した18歳。芸人の世界には教科書がない、まず自分で教科書をつくろうと若き島田紳助は考えた。
~ 僕は自分が「オモロイ!」と思った漫才師の漫才を、片っ端からカセット・テープに録音していきました。その頃は、録音機材といったら大きなラジカセしかなかったから、それをテレビの前に置いてね。劇場まで持って行ったこともありました。普通に持って行ったら怒られるから、鞄に忍ばせて。そうやって録音した漫才を、今度は繰り返し再生して紙に書き出していく。書き出すことで、なぜ「オモロイ!」のかが段々とわかってきたんです。そして、教科書が出来上がった時、僕は相方を探し始めました。 (島田紳助『自己プロデュース力』ヨシモトブックス) ~
テープおこしというとてつもなく時間がかかる作業をしながら、「このコンビの漫才はオチのパターンが2種類しかない」「このコンビは1分間に20の間をつくっている」というように、徹底的に分析する。当時憧れていたB&Bのネタは、そのシステムを完全に自分のものにできたという。
まさに、5の才能をもった人が5の努力をして、25の結果を残せた芸人さんだろう。
努力とは書くことだ。授業や講習がはじまってからおもむろにノートを出すとか、プリントにメモして終わりにしようというメンタリティで、成績が上がることはない。
23歳で年収2億のカリスマホステス、進撃のノアさんはこう語る。
~ 当時、水商売初心者のわたしがつけていたのが営業ノートです。
水割り派、お湯割り派、ソーダ創り派、ロック派など、お客さんの飲み方やカラオケの十八番、その日の会話などを、いただいた名刺と一緒に貼り付けて、一冊に情報を集約していたんです。
情報はほんま大事。メモするだけじゃなくて、覚えることが大事。
わたしは、営業ノートにメモしておいたお客さんのカラオケの十八番は必ず覚えるようにしていました。そのおかげで、若いコが知らないような曲もたくさん覚えることができた。「百万本のバラ」を歌えるようになったことで、「なんで若いのに、こんな曲知っとるん!」と不動産会社の社長さんにえらく気に入られたこともありました。
今はノートの代わりにスマホでメモを取っています。お客さんの写真を撮って、どんな人だったかをメモするだけだから、営業ノートのときよりめっちゃラク。
写真を撮りたがらないお客さんには、「この画像アプリ、めっちゃおもろいで!」とか言って、アプリ試すふりして写真をゲットすればええと思います。 (進撃のノア『好かれる力』光文社) ~
どんな分野の仕事でも、たくさん書いて、たくさん蓄積することが、努力の基本だ。