学年だより「意志力」
今年のセンター試験は、全体的に昨年より難化し、平均点がかなり下がっている。
おそらく来年は易しくなり、みなさんが受験する再来年は、ほどよく難しい試験になるだろう。
そして、それは、きちんと勉強した人ほど結果が出やすいという望ましい試験になるはずだ。
あと二年弱。二年後どうなりたいのか、どんな自分でありたいのか。
将来へ向けての明確なビジョンをもち、計画的に取り組んで行ければそれにこしたことはない。
しかし、それはわれわれ凡人にはなかなか難しいことでもある。
じゃ、どうすればいいのか。
自分は二年後のセンターに向けてどういう計画を立てて勉強していけばいいのか 。
実は、そんなことを考える必要はまったくないのだ。
もう計画は出来上がっている。それに従って取り組んでいけば、自然に結果は出るようになっている。つまり、毎日の授業内容をきちんと身につけ、定期試験でそれを確認していけばいいだけのことだ。ことセンターに関してはそれがすべてと言っていい。
今までの試験をふりかえってみよう。中間試験や期末試験の点数が、大体80点平均ぐらいという人は、センターで8割とれる。60点平均だった人は、センターで6割になる。
だから東大に行きたい人は定期考査で9割を目指すべきだし、埼大を目指す人は7割は必ずとっておかないといけない。
やるべきことに愚直に取り組みさえすれば、受験勉強に関しては必ず結果がついてくる。
実際、みなさんの先輩はそうだったから。
そのためには、授業の予習復習は、かりに短時間であっても必要だ。
部活の練習がきつくても、大会や行事で帰宅がおそくなってに、毎日必ず机に向かうという一点だけはゆるがせにしてはならない。
勉強の中身や時間以上に「毎日やる」ことが重要なのは、それが人間の意志を鍛えることになるからだ。
人間の意志の力は、筋肉のように鍛えられることが、最近の研究であきらかになっている。
~ 体のどの部分であれ、筋肉はエクササイズによって鍛えることが可能です バーベルを持ち上げて上腕二頭筋を鍛えたり、携帯メールの達人になって親指を鍛えたり。
自己コントロールも筋肉ならば鍛えることが可能なはずです。体のエクササイズと同じで、自己コントロール筋を使うと疲労するかもしれませんが、トレーニングを重ねることで強化されるにちがいありません。 (ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』大和書房) ~
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このような考えに基づいて行われたさまざまな実験で、脳には「自己コントロール筋」のようなものが存在することが明らかになった。
それは、使わなれければ、使わない筋肉が衰えていくようにどんどん衰えていく。
一方日々の過ごし方によっては、どんどん鍛えられていき、意志力全般が強くなっていくという。