明治図書刊『現代教育科学』という雑誌があって、発売中の3月号を最後に廃刊となる。
教育関係者しか読まない雑誌だから、採算がとれない状態が続いてたのだろう。
「大学への数学」とか「月間ベースボール」とかは職場でも見かけるが、この雑誌を読んでる人はここ何年も見たことがない。
たぶんそれは高校現場だからということではなくて、一般的に月刊誌を読んでまで勉強しようとする教員は少なくなっている感覚がある。もちろん、自分も含めてだが。
時間的な余裕がないこと、そして直接すぐに役立つ話が書いてあるわけではないことが二大理由だろう。
俵原正仁先生『なぜかクラスがうまくいく教師のちょっとした習慣』は、すぐに役立つ知識、技術、ネタが満載の、小中高、大学の先生までふくめて買って損はない本だ。
野中信行先生のブログでその存在を知り、すぐに注文して読み、野中先生も触れられた頁に別種の感慨をもった。
本編ではなく章の間に設けられコラムの一つ。
~ プロ教師なら朝に必ずやること10箇条
◇ プロの教師になりたいなら,たとえ朝に弱くともこれだけは!
私は、毎朝1日も欠かさずに、以下の10箇条をおこなっている。
「自分は、プロの教師である」という確固たる信念なくしては、到底25年間も続けることはできなかったであろう。
ただ、以下に述べる10箇条をやり続けたことで、今の私があることは、明白なる事実である。
若い先生方も、鋼の精神力でクリアしていただきたい。
1 朝、自分一人で起きる。
2 布団から出る。
3 着替える。
4 朝ごはんを食べる。
5 歯磨きをする。
6 トイレに行く。
7 靴を履いて出かける。
8 学校のある場所へ向かう。
9 まちがえずに、学校に着く。
10 確実に自分の教室に行く。
(とくに、難易度の高いのが1である。一人が難しければ、誰かに手伝ってもらってもよい)
◇なんじゃ、こりゃ!…と、つっこめたあなたは大丈夫
はい、どうもすみません。
当たり前のことばかりですね。
でも、クラスがうまくいかなくなると、この当たり前のことができなくなるんですよね。
朝、起きられなかったり、食欲がなくなったり、学校に行くのが怖くなったりするわけです。
つまり「なんじゃ、こりゃ!」「当たり前じゃないか。」と、つっこめたり、これを見てププッと笑えるような余裕のある人なら、たとえ、今、クラスがうまくいってないな…と感じていても、大丈夫。
絶対にクラスはよくなります。
(俵原正仁『なぜかクラスがうまくいく教師のちょっとした習慣』学陽書房) ~
今までの教師生活を振り返ってみて(ほんとけっこう長いわ)、一番低空飛行だった時代、この頁を読んでたら泣いてたかもしれない。今も、他人(ひと)の心の傷みがわかるナイスダンディに成長しているので、少しうるっとくる。
朝起きられない先生って、日本中には何人もいらっしゃると思う。
プロの教師、つまりお給料をもらえる教師であるためには、学校へ行くことが第一。
授業のうまさなんてのは二の次だ。
教師としてのたたずまいで生徒の前に立てること。まずそこからだ。
それが一番難しいけど、それさえできればなんとかなる。
あと自分でこういう本を見つめて読むことができて、そこから少し踏み出して他の本を読み、その本を書かれた先生の話を聞きたいと思えるようになったら、ぜったい一人前になれる。
わが吹部OBで先生になった諸君、目指している諸君、よかったらアマゾンで注文してみて。
1700円はほんと安いよ。今の自分なら、これはわかる、やれてるなんて頁もあるけど、そうなるために何十万円使ったことか。それでも高いとか言うなら先生買ってあげるから。