今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

ぶらり都内富士登山

2007年07月01日 | 東京周辺
6月30日は、小さい大晦日で、7月1日は小さい元日。
神社の大祓(おおはらい)も半年ごとだし。
時の流れは、物理学的には一定で一方向だが、地球科学的には自転・公転の周期運動が加わり、
文化人類学的には、ある日は人生の、あるいは毎年の特別な日となって、時間にハレとケの区別、メリハリが発生する。

今日7月1日は、富士山の山開きというハレの日。
昨年から富士信仰に関心を持った私は、それを記念して、
本物の富士登山は日程的にきついので、都内の富士山をハシゴして登ることにした。
以下、「ぶらり都内の富士登山」

まずは実家から徒歩で、文京区向丘の海蔵寺に行く。
ここは富士信仰の中興の祖にして富士山中で入定した、食行身禄の墓がある。
墓自体が、富士山の溶岩でミニ富士が作られた頂上に鎮座している。
せっかくのミニ富士なので、登って墓参をした。

次に徒歩で同じ文京区本駒込にある駒込富士神社に行く。
ここは土で盛られた古墳のような丘の頂上に神社がある。
ちょうど神事が終わるところで、地元の主催者たち(確か富士講はもう存続していないはず)と一緒に、神前での参拝ができた。
昨日から明日までが縁日で、境内には屋台がならぶ。
ここはほとんど私の地元で、子どもの頃によくきた。
ここの名物である富士山を模した落雁を買う。

駒込から山手線に乗って、鴬谷で下車。
台東区下谷の小野崎神社境内に富士浅間社があり、
やはり昨日と今日は開山祭。茅の輪をくぐる(母体回帰による再生の儀式)。
境内の奥に人工の富士山があり、一年で昨日・今日だけ登拝できるという。
溶岩で築山した富士山は、ちゃんと登り口から各合目を経由してつづら折りの道で頂上に達する。
老人など途中でへばって、まさに富士登山(写真)。
といっても隣の民家の2階ほどの高さ。
さすがに今日はカメラマンがいて、テレビ東京のリポーターが登ってきた(6日の「レディース4」で放映予定)。
みやげに地元の土産らしい「蛇の土鈴」を買ったら、幣(ぬさ)でお祓いをしてくれた。
鴬谷駅に戻って、品川で京急に乗り換え、南馬場で降りて、目の前の品川神社に行く。

ここも茅の輪をくぐって、階段途中に富士への道が分れ、やはり各合目を経由して頂上に達する(五合目から上が森林限界で眺めがいい)。
頂上からの眺めはいいが、周囲のビルの方が高い。
後ろの品川神社境内には、小屋のようなものがあり、近所の富士講の人たちなのか、
登拝の行事が終わったばかりらしく、後片づけをしていた。
境内には木曽御嶽講の堂や石碑もあった(富士講と御嶽講の同居って珍しくない?)。

以上、身禄の墓を含めて、都内の富士を4つ登った。
盛大な縁日をやっているのは、駒込富士神社。
開山祭の間だけ登拝可能なのは、下谷小野崎神社。
今日登拝の神事をする品川神社のは小野崎神社とともに民俗文化財となっている。

ついでに近くの東海寺に立寄って(墓地が工事中)、そこから東急バスで目黒の五百羅漢寺に行く。
今日は、亡父の命日に近い日曜なので、家族で墓参をする日なのだ(墓参そのものは毎月行く事にしている)。
形通り墓参をすませ、年一度の今日は、そのまま帰らず、境内の茶店「羅漢茶屋」で軽食をとる。
そしたら、今日われわれが墓参することを知っていた従兄がやってきた。
夕方になったので従兄と別れたわれら家族は実家に帰る。

今日は、姪の乃の佳ちゃんの「食初め」をやる日(生後100日目は明日なのだが日曜なので今日やる)。
前もって買っておいたお食い初めセットに、料理を盛って、乃の佳ちゃんの口に箸で各料理を次々に当てる。
しかし本人はその間ずっと口を閉じてぐっすり眠ったまま。
その後は祝いの主役をさしおいて、他のメンバーで乾杯し、近所で買ってきた寿司を頬張る。

と、このように今日は公私に特別な行事が重なり、充実した一日。
来年のこの日を迎える時、「もうあれから一年たったのか」とまた時の流れの速さを痛感するだろうが。