今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

十条富士に登る

2008年06月30日 | 東京周辺
江戸時代に流行った”富士講”により、都内には富士塚がたくさん作られた。
だが、今でも富士講が7月1日の山開きに大々的に祭礼をする所は、残り少ない。
北区十条の”十条冨士神社”は、その数少ない所のひとつ(ここは6月30日~7月1日)。

本当なら本物の富士山の山開きに行きたいが、仕事のある身ではそういう訳にもいかない(言い訳っぽい)。
江戸時代の人と同じく近場の富士塚に参詣して、富士登山の代わりとしよう(昨年は駒込・下谷・品川の富士に行った)。

ここは京浜東北線「東十条」で降りて、岩槻街道に出ると、囃子の音楽が聞こえ、祭礼の幟で飾られた富士塚が見えてくる(写真)。
入り口(登り口)には、地元講社「伊藤元講」の人たちがお札や蛇のわら人形(駒込富士と同じもの)などを売っている。
オリジナルのお札(竹に挟んである「冨士仙元大菩薩」と書かれた四手(しで)つきの赤い札)を買った。
石段を登った頂上には、線香が売られており、御神火を模しているのか奉納で立てるというより、焚き上げの燃料として放り込む。
売っていた講社の人によると、数年後に岩槻街道(片側1車線)が幅20mに拡張されるので、この塚も今後どうなるかわからないという。

都の道路計画って、戦前からの拡張計画をそのまま引きずっている(うちの実家近所にもある)。
状況や時代の変化(近くに高速や地下鉄が開通したり、今後の人口減少など)にまったく対応する気がない。
そして一旦車道を造れば、次はそれを拡張し、その次にはそれらの幅広い道路同士を結ぶ道路が必要とされる(道路が潰されて民家や公園になった所って聞かない)。
道路沿いの建物は次々と後退を余儀なくされる。
そして日本国中が舗装道路で敷き詰められるまで、道路工事計画が続くのか…。

ここから赤羽線の十条駅まで続く道は縁日の露店が連なっている(車両通行止め)。
せっかくなので何か食べようと左右の店を見ながら歩いていると、線路を渡ってあの有名な”十条商店街”に突き当たってしまった。
商店街にはいると、焼きそばは安く買える。
それにどこもかわりばえしない露店のお好み焼きや焼きそばより、地元商店街の店に入った方が”街歩き”の趣旨に合う(都内は車社会化した地方都市と違って、商店街が元気でうれしい)。
というわけで、500円のお好み焼きの代わりに、商店街の中華レストランで600円の五目焼そばセットを食べた。

せっかく山開きの日なので、地下鉄南北線に乗って、駒込富士神社にも行った(こちらの祭礼は6/30ー7/2)。
こちらの山頂では本場のわら人形と富士型の落雁が売ってある。