福島原発事故の健康被害については、まずは(元)住民への影響が気になるところだが、一番心配だったのは、敷地内での作業員の人たちだった。
なにしろ、敷地内はμSvではなく,その千倍のmSvが使われる世界(竜田一人のマンガ『いちえふ』に詳しい)。
そして、このマンガの頃は作業員の線量管理が厳重になったようだが、線量がもっと高かったその前は、線量計をつけなかったり、値をごまかしたりして、その結果、正確な被曝量がわからなくなっていた。
だから、健康被害が出るとすれば、作業員からだと思われた。
とうとうそれが現実になったしまった(詳細は知らないが、厚労省が認定したのだから確かだろう)
作業員の防護装備(全面マスク、タイベック、ゴム手など)は、β線やα線(内部被曝)を防ぐためのもので、空気中の線量で測れるγ線による外部被曝は身体に筒抜けである。
すなわち、mSvがレベルの所に居れば、その量の外部被曝にさらされ続ける。
だからこそ、厳重な管理が必要なのだが…
本来防げた、いや防ぐべき被害なのに…
※わが愛読書『エビデンスで知る がんと死亡のリスク』(安達洋祐著)(中外医学社)には、核施設従事は白血病のリスク要因としてすでに挙げられていた。