今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

震度6弱の被害

2018年06月23日 | 防災・安全

先日の大阪北部地震は、「大都市を見舞った震度6弱」として、
他の大都市にとって「他山の石」となる(ここでいう大都市は人口2百万以上を意味しており神戸は除外)。

東日本大震災をもたらした東北地方太平洋沖地震は東京では震度5強だった。
一方、想定されている首都直下地震は、震源に近い地域は震度6強で、その周囲は震度6弱が想定されている。
南海トラフ連動地震では名古屋とその周辺も広範囲に震度6弱が想定されている(はやり中心部は6強)。
それ以外の地震としても、単純に震度6弱は震度6強よりは発生確率が高いとみなせる。 

もっとも、防災上は、上に挙げたような蓋然性の高い特定地震の想定震度ではなく、
常に最大震度(震度7)を想定すべきであることはいうまでもない。

それでも実際に大都市に広く想定されている震度6弱が実際には発生したらどうなるのか、
今回の地震が参考になる。

まず、耐震性のない構造物は倒れる。
補強のないブロック塀や石塀、それに室内の本棚が倒れ、死者を出した。
室内の本棚による死者は数年前の静岡での震度6弱でも発生したし、
既存不適格の建物での死者は震度5強の東京でも発生した。

家屋の火災が発生したが、幸い単発だったので、延焼はしなかった。
火災の規模は、地域・季節・時刻・気象などの要因が大きい(関東大震災が最悪)。
停電、水道管の断裂、都市スの停止は即座に発生し(ガスは自動制御で)、
エレベータに閉じこめられた人があちこちで発生した。

広範囲に影響を与えたのは公共交通のストップで、事故はなかったものの、安全確認に手間取った(人員不足)ためだ。
それを補うためか道路の大渋滞も発生したので、緊急車両の通行に支障が出たはず。
震源地より南西の大阪市の大部分は震度5強以下だったので、
市内の強制的な通行ストップの処置はとられなかった(言い換えれば大阪市が震度6弱だったら被害はもっと大きかったろう)。
結局、大勢の通勤・通学者が行くも戻るも不能という状態に陥った。 
3.11の東京がそうであったように、都心部に発生する大勢の帰宅困難者の問題がやはり大きい。
ただ、都市機能が麻痺するほどの重篤な影響はせいぜい数時間だった。
交通インフラが直接被害を被らなかったおかげだ。 

倒壊被害は、都心部よりも古い町並みが残っている地域の方が心配だ(地方都市を訪れるたびにそう思う)。

以上、これらは震度6弱しかも都心部はさらに揺れが小さかった結果だ。

これが震度6強以上になるとこうはいかない。
兵庫県南部地震時の神戸市、あるいは熊本地震時の熊本市のような、ビルや交通インフラが直接の被害を受けるだろう。

読者のみなさんも、居住地域の地震ハザードマップで想定された震度の分布を見てみよう。
同じ地域(震源から等距離)で震度6弱と6強が混在していたら、それは地盤の違いによる。 
自宅はどちらにあてはまるだろうか。