前記事の続き。
JP Flyerなるところの色覚補正メガネ(色弱メガネ)をアマゾンで購入した。
このメガネは、メガネスーパーの7万円の色覚補助メガネと同じく、赤いレンズがミラーコートされている(値段は1/10)。
また、つけていると色覚が改善するようなことも書いてある(完治はできないとも書いてある)。
赤い色は、メガネスーパーで合せてもらったものより濃く、 まさに赤い色メガネをつけたという思い。
ただ、フレームが大きめなので、視力補正のために日常つけているメガネの上に装着が可能な点が嬉しい(メガネ使用者にはこれ重要)。
さっそく、パソコンに保存してある石原式検査表をチェックすると、難なく全問正解。
実は全問正解するには、赤いプラスチックシートを通して見ても可能。
では、このメガネをつけて街に出てみる。
ちなみに、以下の体験は、私固有の色覚状態によるものであり、同じ色弱でも人によって異なりうることを前提とする。
黄葉のイチョウの葉は黄色ではなくむしろ白になる。
青空は濃いグレーで青でなくなる。
つまり空はいつでも雲に覆われた無彩色状態となる。
赤信号は目立つが、これは裸眼でも目立つので大差ない。
驚いたことに、 LEDの青信号(青緑)が見えない!
同じ色の右折可の矢印も見えない。
いずれも消灯しているようにしか見えない。
運転には使えないな。
街中の看板では、明るい赤が白っぽく(薄く)なって目立たなくなる。
黄色は色相を失ってほとんど白になるので、赤と黄色で組み合わされたあちこちの派手な広告が一挙に目立たなくなる。
青は黒っぽくなるので、車内広告の渋い青が入ったウイスキーのラベルが、味わいをなくす。
緑は濃いものは黒っぽく、黄緑は白っぽくなる。
電光掲示板の緑は見えなくなる(赤はよく見える)。
地下鉄の路線図を見ると、千代田線(濃い緑)と東西線(水色)がともに濃紺になり、区別がつかない。
鮮やかになるのは、暗い赤や暗い紫。
そのせいで紅葉はより派手に見える。
花屋の店先に並べてあるポインセチアは、赤い花がより明るく、緑の葉がより暗くなるので、明暗対比が強くなって、見た目に映えるが、色相対比自体は逆に弱まる感じ。
結局、色彩世界が赤と暗い青(青黒)に2極化され、鮮やかな黄も緑も青もなくなる貧しい世界になってしまった。
まさかこれが”正常”な色彩体験ではあるまい(石原式検査の中だけの”正常”のはず)。
見えていた色が見えなくなった代わりに、見えなかった景色が見えるようになったということでもない。
メガネをはずして、世界がこんなに多彩だったと改めて痛感するにはいい体験。
せっかく買ったので、装着していることで色覚に改善効果があるのか、ほとんど期待しないがそれも試してみたい。