漢方をきちんと学んでいない頃は、風邪の引き始めは「葛根湯」だと思い込んでいた。
だが昨年の春に引いた風邪は、いくら葛根湯をのんでもよくならず、風邪が脱けるのに数ヶ月を要した。
ようするに風邪→葛根湯という単純な関係ではなく、風邪の症状別に対処することが必要なのだ。
そこで漢方を含む中国医学を勉強すると、葛根湯は、首の後が強張り、汗が出ない時の場合で、
悪寒や鼻がぐずつくような、私がよく経験する風邪の初期症状には、「桂枝湯」がいいことがわかった。
薬屋に行くと、葛根湯は粉末剤・錠剤からドリンクまで多種類でている。
一方、桂枝湯は探すのに苦労した。
みつけたのは、名古屋の松浦薬業という会社が「かぜのひき始め」というパッケージで、隅の方に小さく「桂枝湯」と記してあるもの。
さて、昨晩睡眠中に風邪を引いて、起きる前から鼻詰まりに悩まされた。
その状態で授業を2つこなしたが、授業中も鼻をかまざるをえないほど。
そしてなんか熱っぽく、気分がすぐれない。
”今、自分は風邪をひいている”ということを痛感する身心の状態。
帰宅して、風呂に長めに入り、
食事前に、買っておいた上の「桂枝湯」を1袋をお湯とともに飲んだ。
すると、鼻はまだ出るものの、気分はどんどん軽くなっていく。
夕食後、もう1袋飲んだ(時間間隔にして3時間弱)。
すると、風邪を引いているという実感が消え、風邪を引く前の正常に状態にもどった。
鼻のぐずりもほとんど消えた。
漢方といえども、症状と適合すると、かように速効する。
この桂枝湯、成分の芍薬が鼻水などの津液を内部に誘導するという。
また桂皮(シナモン)は、インフルエンザにも効果がある(ウイルスの増殖を抑える)。
また、寒気・発熱・節々が痛む、すなわち風邪の初期から進行した段階では、「麻黄湯」がいいらしい。
これも市販薬があり、常備している。