今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

免疫力を上げるには

2020年02月27日 | 新型コロナウイルス

新型コロナウイルスが市内感染段階に入って、感染を防ぐことが困難になった今(マスクで防げると思っている人はいないよね)、対処のウエイトを”感染阻止”から、一歩退却して、次の防御策に移動すべきである。
自分の免疫力を高めて、たとえ感染しても、せめて重症化しないことへ。

前回の記事(「感染が避けられないステージでの対応」)では、「免疫力を下げない」ことを記した。
ここでは、それを前提として免疫力を上げる方法(食事以外)を考えてみたい。

ちなみに”免疫力”とは、世間では非定量的(いい加減)に使われているが、医学的には、複数種ある免疫細胞のそれぞれの活性(細胞数など)の問題になる。
医学では、免疫細胞ごとに研究されるので、いわゆる「免疫力を上げる」と称される情報は、おおざっぱすぎて、特定の免疫細胞に限定した話であることを隠してしまうので注意。

たとえば「ストレスが免疫力を下げる」という言説は、より正確には、交感神経興奮によって分泌されるアドレナリン・ノルアドレナリンがT細胞とマクロファージの活性を低下させる、ということである。
逆に、「リラックスは免疫力を上げる」ということは、副交感神経興奮で分泌されるアセチルコリンが、 T細胞とB細胞の活性を増加させるということである。

私自身は交感神経興奮に偏っているので(心拍変動の分析結果でわかる。年配の♂はそうなりがち)、最近、アセチルコリンの元物質であるコリンのサプリを飲み始めた(過剰摂取すると魚臭くなるから注意)。

ここでは免疫力を上げることがテーマなので、アセチルコリン以上に「免疫力を上げる」ホルモンを紹介しよう。
その名はサブスタンスP。
サブスタンスPは、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球のいずれも活性化させるという、ありがたいホルモンだ。
サブスタンスPは、トウガラシに含まれるカプサイシンによって分泌が活発になるというから、免疫力を上げる食材としてトウガラシをお勧めしたい(以上は、精神神経免疫学の諸文献にもとづく)。

そのほかに、「体温を上げると免疫力が上がる」という話を耳にする。
この話の出所は、おそらく免疫の本をたくさん出していた安保 徹氏(故人)かと思う。
氏の著作・論文に、体温上昇によってリンパ球が活性化するという主張があった。
また深部体温37℃以上(深部体温だからこれで平熱)でミトコンドリアが活性化するともいう。
この説によれば、いわゆる低体温の人は、免疫力も低いということになる。

深部体温を上げるには、持続的な運動のほかに、入湯(湯舟での入浴)も即時的効果がある。
これは私自身も体験済みで、深部体温の代わりに婦人体温計を舌下につけて入湯すると、36℃台の体温が37℃台に上昇する(脇の下で測ると、深部体温より皮膚温に近いし、湯温の影響を受けてしまう)。
私は、入湯中は、体温上昇を図るだけでなく、深呼吸を繰り返すことで身体のリラックス、すなわち副交感神経からアセチルコリンの分泌も促す(吸気の時に交感神経が、呼気の時に副交感神経が興奮。だから呼気をゆっくり吐くといい)。
もちろん、仕事を終えての入浴は、精神的リラックスをももたらす。

こう言いきっていい。
入湯の目的である「暖まる」ことは、深部体温を上げることだ、と。
入湯で深部体温が上るのを確認するには、私のように入湯時に婦人体温計のスイッチを入れてそれをくわえればいいが、婦人体温計をお持ちでない特に男性に対して、体温上昇の目安をいうと、40℃前後の湯温で10分以上入ると、体温が37℃を越える。
この10分は、連続でなくてよい。
5分入って、湯舟から出て、体を洗ってまた5分入湯しても結果は同じ。
体感をヒントにすると、耳の奥で心拍音が響くようになると、37℃を越える。
あるいは、うっすらと額から汗がにじみ出る頃でもある。
体温計が37℃を越えたら、目的を達したので湯舟から出ていい。
これ以上入湯を続けると、体温が38℃に上って熱中症的になる。

ちなみに、免疫力は上げすぎると、活発(過敏)になりすぎて、自己が攻撃対象となる自己免疫疾患をもたらすかもしれない(特に若年者)。
何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし、だ。