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構図がわかれば絵画がわかる 布施英利

「構図」という切り口で様々な絵画や彫刻をみることで、絵画を見る楽しみが増えることを教えてくれる本書。じつに様々な視点があるのだなと単純に感心してしまう。遠近法についても、1次元、2次元、3次元、4次元と話が進み、その次に印象派の視点が「複数の視点」であるという解説にはなるほどと思ってしまった。そういう考え方をすると、色々な視点からみていることがえからも明らかな「キュビズム」と、一見それとは関係ないように思えるセザンヌの絵が、同じ改革の線上にあることが判る。本書で惜しいのは、著者が「こう見える」といって解説している絵がどうしても「そう見えない」ことがたまにあること。著者自身の感性のようなものを押し付けられているわけではないので、不快になるということはないが、もう少し適切な例があるのではないかとどうしても思ってしまう。このあたりは美術鑑賞を人から教えてもらうことの難しさでもあり、限界であるのかもしれない。ただ、そうした点を含めても良さが損なわれることのない新しさ、面白さが本書にはある。(「構図がわかれば絵画がわかる」 布施英利、光文社新書)

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