書評、その他
Future Watch 書評、その他
ロッド・カルー 3000本安打試合 チケット
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数学でつまずくのはなぜか 小島寛之
題名から推測して平易な本かと思って読んだのだが、哲学書と数学の関連を強く想起させる大変内容の濃い本であった。この本に「つまずいて」しまってはシャレにならないのでじっくり読んだがそれだけの価値が十分にある内容だった。最初の方で(マイナス)×(マイナス)=(プラス)となるじょうずな説明の仕方が載っている。確かにうまい説明で、これなら納得がいくというものだ。しかし、そのうまい説明の仕方を知っても算数が得意になりそうもないところに、「記憶したルールで計算をこなす」という我々が受けた数学教育の欠陥の本質が垣間見えているようにも思われる。それにしても18世紀頃にはマイナスの数字の存在すら一般には信じられておらず、(マイナス)×(マイナス)=(プラス)がさほど定説でもなかったというくだりには驚かされた。また、MIU言語という論理ゲームの部分や、デカルトが「座標軸」というものを発明した話、デデキント無限の話なども、非常に面白かった。(「数学でつまずくのはなぜか」小島寛之、講談社新書)
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ジョン・ビュサイク サイン NHL
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はなうた日和 山本幸久
これも先日書いた「本の雑誌」の過去の書評から見つけた本。作者の本は「美晴さんランナウェイ」(2007年10月30日紹介)に次いで2冊目だが、本書の方が断然良かった。昔の書評を読んで本を買うという新しい本選びの手法は、なかなか良いものだと思った。文章の長さ(短さ)、文章のテンポ、軽めの内容がちょうどマッチしていて読みやすいし無駄がない。最初の短編のつかみも良いし、2つ目の短編で短編集としての質の高さが感じられ、3つ目の短編でさらに本書がバラエティに富んでいることが判る。なお、各短編では東急世田谷線の各駅が1つずつ舞台になっているという趣向が施されている。世田谷線はかつて「玉電」と呼ばれていたが、終戦前に東急世田谷線になったらしい。我々の世代は、かろうじてまだ「玉電」と呼んでいる人が周辺にいたのを記憶している。こうした舞台もそうだが、本書の登場人物のメンタリティは、おしなべて随分と古風だ。それも、私には読みやすい原因の1つかもしれない。びっくりするような本ではないし、こうした分かりやすい本ばかりでは読書が味気なくなる気がするが、こうした本も時には良いと感じる。(「はなうた日和」山本幸久、集英社文庫)
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ニコライ・アントロポフ サイン NHL
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松井稼頭央 ジャージ MLB
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憲法9条を世界遺産に 中沢新一・太田光
2年近く前にベストセラーになった本書。あえてここで感想を書くまでもないかもしれないが、日米関係の見直し議論が少し熱くなっている現状を考え、日米関係のスタート地点に位置する日本国憲法について少し考えてみることにした。それから本書の著者の太田光の発言を、最近NHKで時々耳にするようになった。彼の発言は、聞いていて大変面白い発想のように思うのだが、言葉で聞くとどうも良く判りにくい。それならば文章になっていれば、少しは錬れていて判りやすいのではないかとも思った。本書の彼の発言は、思った通り、生の発言よりも随分判りやすく、彼の発言の意図がしっかり伝わってきた。本書の内容だが、最初の「宮沢賢治」の章はどうも「宮沢賢治」に関する評価だけ何故か思考停止状態になっている感じがしてもどかしく感じたが、その次の章の「憲法9条を世界遺産に」という本題に入って、やたら面白くなった。日本国憲法に「インディアンの精神」が受け継がれている話とか、憲法をドン・キホーテに喩えた展開などは、「憲法を擁護したいけれどどの様に擁護してよいか判らない」という私の様な人間には、大変有意義な視点を提供してくれている。2年前にこの本がベストセラーになったにも関わらず、憲法改正反対の機運が盛り上がらないのは何故か不思議だが、この本が結局「ガス抜き」の様な役割を果たしてしまったのではないかと危惧する。(「憲法9条を世界遺産に」中沢新一・太田光、集英社新書)
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新庄 ジャージ MLB
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ジム・パーマー ジャージ&帽子 MLB
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ジム・パーマー サイン MLB
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ジンジャー・ロジャース 衣装 恋愛手帖
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ジーン・ケリー 衣装 雨に唄えば
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卵の緒 瀬尾まい子
表題作の方は「こういう関係は素晴らしいけど現実にはちょっとあり得ないだろうなぁ」という気がしてしまって、そこがどうしても気になるところだが、いずれにしても読んでいて大変心が和む小説だ。作者の作品は本書で3作目か4作目だが、まさにその感覚が作者の作者らしいところだろう。もしかすると、このように考える人が世の中にはいるかもしれないし、自分の感性だけで世の中をみてはいけない、ということなのかもしれない。小説だから「所詮は作り事」と割り切ってしまうには惜しいほど暖かい掌小説であることは間違いない。本書にもう1つ収められている「7's Blood」の方はそうした違和感もなく読めた。離れて暮らしていた姉弟が心を通わせていく様を、静かに暖かく綴っている。大変切ない話なのだが、こちらも何故か何とも心が和む。いままで読んだ作者の作品の中のBEST作品のように感じる。(「卵の緒」瀬尾まい子、新潮文庫)
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チッパー・ジョーンズ バット MLB
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やわらかい遺伝子 マット・リドラー
生物学で「遺伝か環境か」という問いを巡って長い間論争が続いていたことは良く知られているが、それがどのように決着したのかを知る人は少ない。私も知らなかった。素人としては「多分明確な決着はつかず『どっちも』ということに落ち着くだろう」と考えてしまうが、生物学界での結論も、ほぼ素人考えと同じで、なんとも平凡な「遺伝も環境も」ということなのだそうだ。これでは、あまりにも平凡で「そんなこと言われなくても判っている」と言われそうで、熱くなって論争していた多くの生物学者も、なんとなく割り切れない感じなのだそうである。死闘を繰り広げてきた戦いの末引き分けで「勝者なし」となったような感じなのだろう。そこで登場したのが本書で、引き分けといっても多少の有利不利はあったはずなので、どちらが有利だったかをジャーナリストの目で判定しようと試みたわけだ。その結論が「やわらかい遺伝子」という言葉に象徴される「遺伝子は環境によって振る舞いを変える」という考え方だ。なるほどともいえる考え方だが、私としては、先日読んだ「利己的な遺伝子」の考え方の方が魅力的だし、そもそも遺伝子派にはあまり強く主張しすぎると「差別論者」と言われるハンディがある。どちらかというと、遺伝子派の肩を持ちたい気がする。(「やわらかい遺伝子」マット・リドラー、紀伊国屋書店)
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