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ロッド・カルー 3000本安打試合 チケット

少しマニアックなコレクティブルだが、ロッド・カルーが3000本安打を達成したときの「観戦チケット」である。特にこのような記念品を集めてはいないのだが、いろいろ集めていると、ひょんなことからこうしたものが手に入ったりする。コレクターは自分が集めていないものには冷淡なもので、私もこれを持っていても別段どうということもない。誰かロッド・カルーの好きな人がいたら贈呈しようくらいの気持ちで持っている。おそらくコレクターというのは誰もそうしたものをいくつも持っているのだろうと思う。
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数学でつまずくのはなぜか 小島寛之

題名から推測して平易な本かと思って読んだのだが、哲学書と数学の関連を強く想起させる大変内容の濃い本であった。この本に「つまずいて」しまってはシャレにならないのでじっくり読んだがそれだけの価値が十分にある内容だった。最初の方で(マイナス)×(マイナス)=(プラス)となるじょうずな説明の仕方が載っている。確かにうまい説明で、これなら納得がいくというものだ。しかし、そのうまい説明の仕方を知っても算数が得意になりそうもないところに、「記憶したルールで計算をこなす」という我々が受けた数学教育の欠陥の本質が垣間見えているようにも思われる。それにしても18世紀頃にはマイナスの数字の存在すら一般には信じられておらず、(マイナス)×(マイナス)=(プラス)がさほど定説でもなかったというくだりには驚かされた。また、MIU言語という論理ゲームの部分や、デカルトが「座標軸」というものを発明した話、デデキント無限の話なども、非常に面白かった。(「数学でつまずくのはなぜか」小島寛之、講談社新書)
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ジョン・ビュサイク サイン NHL 

NHLボストン・ブルーインズの伝説の名選手、ジョン・ビュサイクのサイン。伝統あるブルーインズの歴代最高得点記録の保持者である。WHLで数年プレーした後、デトロイト・レッド・ウィングスに移籍してNHLデビュー、更にボストンに移ってそこで才能を開花させた選手だ。1958年に彼がブルーインズに移った時、ホッケー界は「そんなばかな」と唖然としたという。当時まだ全く無名だった彼と、史上最高のゴール・キーパーと言われたテリー・ソーチェックとの交換トレードだったためである。当時はボストンファンからも「史上最も釣り合わないトレード」「最悪のトレード」と揶揄されたらしい。その後彼は、そうした悪口を封じるために懸命にプレーしついにブルーインズの歴代得点記録を更新するまでに至り、当時「最悪のトレード」と言ったボストンファンを恥じ入らせたという。少しできすぎだが良い話だ。
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はなうた日和 山本幸久

これも先日書いた「本の雑誌」の過去の書評から見つけた本。作者の本は「美晴さんランナウェイ」(2007年10月30日紹介)に次いで2冊目だが、本書の方が断然良かった。昔の書評を読んで本を買うという新しい本選びの手法は、なかなか良いものだと思った。文章の長さ(短さ)、文章のテンポ、軽めの内容がちょうどマッチしていて読みやすいし無駄がない。最初の短編のつかみも良いし、2つ目の短編で短編集としての質の高さが感じられ、3つ目の短編でさらに本書がバラエティに富んでいることが判る。なお、各短編では東急世田谷線の各駅が1つずつ舞台になっているという趣向が施されている。世田谷線はかつて「玉電」と呼ばれていたが、終戦前に東急世田谷線になったらしい。我々の世代は、かろうじてまだ「玉電」と呼んでいる人が周辺にいたのを記憶している。こうした舞台もそうだが、本書の登場人物のメンタリティは、おしなべて随分と古風だ。それも、私には読みやすい原因の1つかもしれない。びっくりするような本ではないし、こうした分かりやすい本ばかりでは読書が味気なくなる気がするが、こうした本も時には良いと感じる。(「はなうた日和」山本幸久、集英社文庫)
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ニコライ・アントロポフ サイン NHL

NHLトロント・メープルリーフのアントロポフのサイン。NHL8年間の成績は、年間平均20ゴールにも達していないが、そのプレーの華麗さが非常に印象的な選手だ。かなり前になるが実際のプレーをみた時も、他の選手とは明らかにスケートのなめらかさが違っており、流れるようなスケートに「うまいなぁ」と感心するばかりだった。NHLの醍醐味は、大きな選手同士のぶつかり合いではなく、このアントロポフとかグレツキーの華麗なスケートを見るところにあるという気がする。
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松井稼頭央 ジャージ MLB

松井稼頭央のユニフォームをあしらったコレクティブルである。こちらも何故かまだ紹介していなかったので紹介しておく。新庄のものよりはオーソドックスなデザインで好感が持てるし、「守備」の写真が使われているのも彼らしくて良いのだが、肝心のユニフォーム部分が地味すぎる。地味なデザインと地味なアウェイのユニフォームという組み合わせで、全体に華やかさがないのが大変残念だ。
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憲法9条を世界遺産に 中沢新一・太田光

2年近く前にベストセラーになった本書。あえてここで感想を書くまでもないかもしれないが、日米関係の見直し議論が少し熱くなっている現状を考え、日米関係のスタート地点に位置する日本国憲法について少し考えてみることにした。それから本書の著者の太田光の発言を、最近NHKで時々耳にするようになった。彼の発言は、聞いていて大変面白い発想のように思うのだが、言葉で聞くとどうも良く判りにくい。それならば文章になっていれば、少しは錬れていて判りやすいのではないかとも思った。本書の彼の発言は、思った通り、生の発言よりも随分判りやすく、彼の発言の意図がしっかり伝わってきた。本書の内容だが、最初の「宮沢賢治」の章はどうも「宮沢賢治」に関する評価だけ何故か思考停止状態になっている感じがしてもどかしく感じたが、その次の章の「憲法9条を世界遺産に」という本題に入って、やたら面白くなった。日本国憲法に「インディアンの精神」が受け継がれている話とか、憲法をドン・キホーテに喩えた展開などは、「憲法を擁護したいけれどどの様に擁護してよいか判らない」という私の様な人間には、大変有意義な視点を提供してくれている。2年前にこの本がベストセラーになったにも関わらず、憲法改正反対の機運が盛り上がらないのは何故か不思議だが、この本が結局「ガス抜き」の様な役割を果たしてしまったのではないかと危惧する。(「憲法9条を世界遺産に」中沢新一・太田光、集英社新書)
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新庄 ジャージ MLB

元大リーガー、新庄選手のユニフォームをあしらったコレクティブル。とっくに紹介済みと思ったのだが,まだだったので紹介しておく。このコレクティブルは、どうもデザインがあまり良くない。まず、デザインに統一性がなくごちゃごちゃですっきりしていない。またコレクティブルとして最も大切な要素である選手の写真が2枚も使われているのだが、大きさも中途半端で、印象が薄い。守備の時の写真が使われていて、新庄が大リーグで「守備の人」と認識されていたことがうかがえるものの、今一つ地味でぴんと来ない写真だ。さらに全体としてユニフォームの部分が引き立つデザインになっていないのもよくない。基本的なところをないがしろにしてしまったような気がする1枚である。
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ジム・パーマー ジャージ&帽子 MLB

ついでにジム・パーマーのコレクティブルも紹介しておく。これは、ユニフォーム2種と帽子の一部が埋め込まれた少し贅沢なコレクティブルである。裏の写真もつけてあるが、その上の方に「2/3」という刻印がある。これは、このコレクティブルが3枚だけ製造されたのうちの1枚であることを示している。当然ながら、最も数が少ないのは「1/1」「1of1」となっているもので、それは製造枚数が1枚でまさにそれがその1枚であることを示す。こうしたコレクティブルは年々豪華になり、かつ希少価値の高さを競うものになってきており、これもそうした傾向を示すものの1つである。これだけ小さくユニフォームをカットしているのだから数百枚単位で製造できるはずだし、帽子が小さいといっても100枚や200枚は製造できるはずなのだが、あえて製造枚数を抑制して希少価値を高めコレクター心理を喚起しようというものだ。そうした傾向に対する反発は数年前にかなり大きくなったが、反発した人々がコレクションそのものから手を引いてしまったのだろうか、最近はあまり批判を聞かないように思われる。
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ジム・パーマー サイン MLB

大リーグの往年の名投手、ジム・パーマーのサイン。何故かもうすでに紹介済みと勘違いしていたが、まだ紹介していなかった。通算268勝、シーズン20勝以上を8回も達成している大投手だ。また、現役全てをボルチモア・オリオールズでプレーしたフランチャイズプレーヤーである。野球殿堂入りも資格を得た年に93%の高い得票率で1発選出されている。子供の頃から「オリオールズは強い」という印象があるが、その強さを支えていたのが彼とカル・リプケン・Jrの2人ということになるだろう。
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ジンジャー・ロジャース 衣装 恋愛手帖

往年の名女優ジンジャー・ロジャースの衣装をあしらったコレクティブル。2種類の衣装が埋め込まれており、非常に美しいコレクティブルである。ジンジャー・ロジャースは、アメリカン映画女優オールタイムランキングで第14位となっている。同ランキングでは、ビビアン・リーが16位、ソフィア・ローレンが21位となっており、14位というのは大したものだ。ちなみに男優の14位はローレンス・オリビエである。出演作は、現在あまりおなじみのものはないが、フレッド・アステアとの共演作が多い。1940年には「恋愛手帖」でアカデミー主演女優賞を受賞している。
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ジーン・ケリー 衣装 雨に唄えば

今年6月17日、名画「雨に唄えば」でジーン・ケリーと共演したシド・チャリシーが死去したとのニュースがあった。こちらはそのジーン・ケリーの衣装をあしらったコレクティブルである。「雨に唄えば」の関連ではヒロインのデビー・レイノルズのサインを紹介済みである(2008年5月21日)。アメリカ映画協会のオールタイムベスト男優ランキングでは15位となっている。因みに、このコレクティブルは、下の「ICON」の部分全てに衣装がはめ込まれているやや希少性の高いものである。
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卵の緒 瀬尾まい子

表題作の方は「こういう関係は素晴らしいけど現実にはちょっとあり得ないだろうなぁ」という気がしてしまって、そこがどうしても気になるところだが、いずれにしても読んでいて大変心が和む小説だ。作者の作品は本書で3作目か4作目だが、まさにその感覚が作者の作者らしいところだろう。もしかすると、このように考える人が世の中にはいるかもしれないし、自分の感性だけで世の中をみてはいけない、ということなのかもしれない。小説だから「所詮は作り事」と割り切ってしまうには惜しいほど暖かい掌小説であることは間違いない。本書にもう1つ収められている「7's Blood」の方はそうした違和感もなく読めた。離れて暮らしていた姉弟が心を通わせていく様を、静かに暖かく綴っている。大変切ない話なのだが、こちらも何故か何とも心が和む。いままで読んだ作者の作品の中のBEST作品のように感じる。(「卵の緒」瀬尾まい子、新潮文庫)
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チッパー・ジョーンズ バット MLB

大リーグ、アトランタ・ブレーブスの看板選手、チッパー・ジョーンズのバットをあしらったコレクティブルである。1993年以降一貫してブレーブスに在籍するフランチャイズ・プレーヤーである。既に2000本安打も達成しているし、本塁打も400本近くを打っており、ブレーブスの永久欠番、殿堂入りはほぼ間違いのない大選手だ。オールスター出場も5回を数える。しかし、彼の記録をみると、不思議なことに、年間成績では打撃部門のタイトルを1つも取っていない。年間記録にならない記録としては、17試合連続長打という大リーグ記録が光っている。アトランタでの彼の人気は絶大なものがあるようで、私の知り合いでアトランタに留学していた人物もこのチッパー・ジョーンズの大ファンだった。
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やわらかい遺伝子 マット・リドラー

生物学で「遺伝か環境か」という問いを巡って長い間論争が続いていたことは良く知られているが、それがどのように決着したのかを知る人は少ない。私も知らなかった。素人としては「多分明確な決着はつかず『どっちも』ということに落ち着くだろう」と考えてしまうが、生物学界での結論も、ほぼ素人考えと同じで、なんとも平凡な「遺伝も環境も」ということなのだそうだ。これでは、あまりにも平凡で「そんなこと言われなくても判っている」と言われそうで、熱くなって論争していた多くの生物学者も、なんとなく割り切れない感じなのだそうである。死闘を繰り広げてきた戦いの末引き分けで「勝者なし」となったような感じなのだろう。そこで登場したのが本書で、引き分けといっても多少の有利不利はあったはずなので、どちらが有利だったかをジャーナリストの目で判定しようと試みたわけだ。その結論が「やわらかい遺伝子」という言葉に象徴される「遺伝子は環境によって振る舞いを変える」という考え方だ。なるほどともいえる考え方だが、私としては、先日読んだ「利己的な遺伝子」の考え方の方が魅力的だし、そもそも遺伝子派にはあまり強く主張しすぎると「差別論者」と言われるハンディがある。どちらかというと、遺伝子派の肩を持ちたい気がする。(「やわらかい遺伝子」マット・リドラー、紀伊国屋書店)
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