書評、その他
Future Watch 書評、その他
スキート・ウルリッヒ サイン ジェイク ジェリコ
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
変調二人羽織 連城三紀彦
作者のデビュー作を含む初期短編集。5つの作品が収められているが、どれもあまりにも意外な謎とその結末に、正直言って「ここまで凝らなくても良いのに‥」という戸惑いすら感じる作品だ。しかも、作者のリリックな文章がその謎全体をさらに不思議なものに感じさせるという効果があり、非現実的であるとか、常軌を逸しているというようなことはどうでも良いことのように思えてくる。これまでに読んだ著者の作品は、ここに収められた作品のある部分をシンプルに際立たせたものなのだと思う。(「変調二人羽織」連城三紀彦、光文社文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
悪意 東野圭吾
昨日、加賀恭一郎を主人公にしたTVドラマ「新参者」が終了した。それに便乗して、最近、横浜の本屋さんで「加賀恭一郎フェア」フェアをやっていた。加賀恭一郎ものは、「容疑者xの献身」しか読んだことがなかったので、2冊ほど見繕って読むことにした。
本書はそのうちの1冊だが、5分の1ほど読んだところで事件の全容が判ってしまい、さらに5分の1ほど読んだところで真犯人というか真相が大体判ってしまった。残りの5分の3くらいは、加賀恭一郎がどのようにして論理的に真相にたどり着くかということだけが興味の中心になってしまうのだが、それでも最後まで飽きることなく読むことができた。これが、作者の力量なのだろうし、加賀恭一郎シリーズの面白さの一面なのだろう。読んでいると、最後のどんでん返しのサプライズのない「容疑者X…」のように思われた。(「悪意」東野圭吾、講談社文庫)
本書はそのうちの1冊だが、5分の1ほど読んだところで事件の全容が判ってしまい、さらに5分の1ほど読んだところで真犯人というか真相が大体判ってしまった。残りの5分の3くらいは、加賀恭一郎がどのようにして論理的に真相にたどり着くかということだけが興味の中心になってしまうのだが、それでも最後まで飽きることなく読むことができた。これが、作者の力量なのだろうし、加賀恭一郎シリーズの面白さの一面なのだろう。読んでいると、最後のどんでん返しのサプライズのない「容疑者X…」のように思われた。(「悪意」東野圭吾、講談社文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
ダニエル・ヒートリー ジャージ NHL
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
ジェレニー・ブルーム サイン SKI
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
ピーター・ボンドラ サイン NHL
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
醜い日本の私 中島義道
川端康成がノーベル賞授賞式で行った記念講演「美しい日本の私」をもじった題名の本書だが、今まで読んだ著者の本の中では、書かれた目的が最もよく判る本だ。日本人の美意識について、「きれいなものを愛でる鋭利な感覚」と「不快なものをやり過ごす鈍感さ」のアンバランスを厳しく追求するのだが、本書では、著者が醜いと感じる「風景写真」がかなりの数、掲載されており、著者の言わんとすることは、他の本よりも直截的で判りやすい。そのせいかどうか判らないが、著者の言い回しが幾分おとなしいような気がする。
風景についていえば、私自身、著者とは違う意味でマイノリティなのかもしれないと思うことがある。昔からそうなのだが、美しい風景とか景観、きれいな花などにほとんど興味が沸かないのだ。景色の良し悪しや花のきれいさは人並みに理解できていると思っているし、そういうものを見ていて悪い気持ちはしない。ただ、良い景観とかきれいな花などというのは、興味の対象としての順位はかなり下の方で、それに熱心な人々の気持ちがよく判らない。第一、ある景色に感動するかどうかはその時のシチュエーションの要素が大きいのではないか。世界的に有名な絶景でも、人ごみのなかで人の頭越しに見たのではあまり感動しないが、ありふれた風景でも自分ひとりが独占しているような場合には妙に感動したりする。「景観とか花見とかに全く関心がない」ということはあまり周囲には言わない。著者の言う「感受性のファシズム」という考え方がよく判るし、そのなかで何を言ってもなかなか判って貰えないという悩みもよく判る気がする。(「醜い日本の私」中島義道、新潮文庫)
風景についていえば、私自身、著者とは違う意味でマイノリティなのかもしれないと思うことがある。昔からそうなのだが、美しい風景とか景観、きれいな花などにほとんど興味が沸かないのだ。景色の良し悪しや花のきれいさは人並みに理解できていると思っているし、そういうものを見ていて悪い気持ちはしない。ただ、良い景観とかきれいな花などというのは、興味の対象としての順位はかなり下の方で、それに熱心な人々の気持ちがよく判らない。第一、ある景色に感動するかどうかはその時のシチュエーションの要素が大きいのではないか。世界的に有名な絶景でも、人ごみのなかで人の頭越しに見たのではあまり感動しないが、ありふれた風景でも自分ひとりが独占しているような場合には妙に感動したりする。「景観とか花見とかに全く関心がない」ということはあまり周囲には言わない。著者の言う「感受性のファシズム」という考え方がよく判るし、そのなかで何を言ってもなかなか判って貰えないという悩みもよく判る気がする。(「醜い日本の私」中島義道、新潮文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
バラク・オバマ
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
サミー・ソーサ ユニフォーム MLB
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
ドン・マッティングリー バット MLB
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
トム・フィッツジェラルド サイン NHL
彼の持つ記録を調べてみると、1つのマイナーペナルティの間に2回ショートハンド・ゴールを決めるというありえないような記録がある。ショートハンドゴールというのは、ペナルティで1人の選手が退場処分の間に、ペナルティを受けているチームが得点することで、なかなか珍しいものだ。一人の選手が同一ピリオドに2回のショートハンドゴールを決めたという記録は、彼以外にもあるのだそうだが、さすがに同一のマイナー・ペナルティでというのは彼だけらしい。初代キャプテンというよりもずっとインパクトがある。いろいろ珍しい記録があるものだが、何にせよ名前が残る記録というのは良いことだ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
ターナー・スティーブンソン サイン NHL
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
狂人三歩手前 中島義道
著者の本はこれで3冊目、立て続けに読んでいる感がある。中毒になってしまったようでもあるし、自虐的な文章がただ面白いだけかもしれない。どの本も、テーマが題名から大きくはずれていくため、結局は似たような内容といえるので、いずれ飽きるだろうという予感があるし、実際少し辟易としてきているのだが、依然といて読んでいて楽しいという状況から抜け出せないでいる。不思議な現象だ。
本書のなかで、自分の学術的功績として「時間というものを私のような考えた人は他にはいない」と言っておきながら、「他に誰もそう考えないということはおそらく間違っているのだろう」という箇所には、思わず吹き出した。また、本書の中で著者は、「私の本の読者は私の本を読み続ける傾向がある」とか「私はそうした私の本の読者が大嫌いだ」と言っている。なんだか見透かされたような気がするが、著者に嫌われて本望という気もする。(「狂人三歩手前」中島義道、新潮文庫)
本書のなかで、自分の学術的功績として「時間というものを私のような考えた人は他にはいない」と言っておきながら、「他に誰もそう考えないということはおそらく間違っているのだろう」という箇所には、思わず吹き出した。また、本書の中で著者は、「私の本の読者は私の本を読み続ける傾向がある」とか「私はそうした私の本の読者が大嫌いだ」と言っている。なんだか見透かされたような気がするが、著者に嫌われて本望という気もする。(「狂人三歩手前」中島義道、新潮文庫)
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
キング&クイーン 柳広司
「ジョーカー・ゲーム」が大ブレイクして注目されている著者の最新刊。「ジョーカー…」の虚無的な雰囲気の作品から、ジュビナイル本まで作風が幅広いので、著者の本は、今度はどういう本だろうという読む前の楽しさがある。
本書は、暗殺者に狙われている日本に潜伏中のチェスの世界チャンピォンを守ろうとする元SPの女性の活躍を描いたサスペンスだが、何故彼が命を狙われているのか、命を狙っているのは誰なのかといった謎とは別に、小説全体に大きな仕掛けが施されていて最後にびっくりさせられる。(ネタばれになるが)典型的な叙述トリックに久しぶりに出会った気がする。雰囲気は「ジョーカー…」に似た部分もあるが、内容は軽め。しかも最後の方はあまりにも急ぎすぎで、バタバタと説明だけして終わってしまった。やや粗製乱造の感は否めない作品になってしまっている。
昨年はチェスに関する小説の当たり年だったが、本書も偶然が重なったのか、それともそうしたブームにあやかってその時に企画されようやく刊行されたということなのか、どちらなのかは不明だ。(「キング&クイーン」柳広司、講談社)
本書は、暗殺者に狙われている日本に潜伏中のチェスの世界チャンピォンを守ろうとする元SPの女性の活躍を描いたサスペンスだが、何故彼が命を狙われているのか、命を狙っているのは誰なのかといった謎とは別に、小説全体に大きな仕掛けが施されていて最後にびっくりさせられる。(ネタばれになるが)典型的な叙述トリックに久しぶりに出会った気がする。雰囲気は「ジョーカー…」に似た部分もあるが、内容は軽め。しかも最後の方はあまりにも急ぎすぎで、バタバタと説明だけして終わってしまった。やや粗製乱造の感は否めない作品になってしまっている。
昨年はチェスに関する小説の当たり年だったが、本書も偶然が重なったのか、それともそうしたブームにあやかってその時に企画されようやく刊行されたということなのか、どちらなのかは不明だ。(「キング&クイーン」柳広司、講談社)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
偏食的生き方のすすめ 中島義道
高野秀行がエンタメノンフの大傑作と太鼓判をおす本書。大きな本屋さんをいくつも回って探したがどこにもなく、アマゾンで探しても中古本が1冊だけ。まさにそれを入手しようと思っていたところだったのだが、昨日何気なく入った近くの小さな本屋さんで本書と邂逅。2005年の初版本で、5年間その本屋さんの棚にひっそり置いてあったのかと思うと本当に不思議な気がした。ということで、読みかけの本を読むのを全て中断し、早速本書を読んでみた。
著者の本は2冊目だが、天下の奇書の名にふさわしい、読んでいて頭がどうにかなりそうな本だ。著者の「偏食ぶり」には理解不能のところが多いが、要するに本書を読んで理解できるのは、理解できない他人がいることをまず理解するところから始めなければならないということだ。高野秀行によれば「出版社や家族とのトラブルを丸ごとさらけ出して読者をどん引きさせる芸風は他の追随を許さない」となるが、四方八方に振り向けられる「マイナスのこだわり」を持つことの意味、それによる「生きていくことの難しさ」を何とか伝えようとする著者の努力は、正に他の追随を許さないものだ。奥さんが一生懸命作ったオムライスを「楕円形でない(丸すぎる)」という理由で食べなかったなどという偏食ぶりのエピソードには、背筋が寒くなる。題名の「偏食的」が、食べ物に対するこだわりだけではなく、生き方全般に対する「マイナスのこだわり」だということが判ってくると、そうした一見理解不能の著者の所業が全てつながっていることが了解される。前に読んだ著者の本の紹介で、解説が素晴らしかったと書いたが、この本の解説も大変面白い。とにかく著者の本の解説を書くというのは大変な覚悟がいることだろう。(「偏食的生き方のすすめ」中島義道、新潮文庫)
著者の本は2冊目だが、天下の奇書の名にふさわしい、読んでいて頭がどうにかなりそうな本だ。著者の「偏食ぶり」には理解不能のところが多いが、要するに本書を読んで理解できるのは、理解できない他人がいることをまず理解するところから始めなければならないということだ。高野秀行によれば「出版社や家族とのトラブルを丸ごとさらけ出して読者をどん引きさせる芸風は他の追随を許さない」となるが、四方八方に振り向けられる「マイナスのこだわり」を持つことの意味、それによる「生きていくことの難しさ」を何とか伝えようとする著者の努力は、正に他の追随を許さないものだ。奥さんが一生懸命作ったオムライスを「楕円形でない(丸すぎる)」という理由で食べなかったなどという偏食ぶりのエピソードには、背筋が寒くなる。題名の「偏食的」が、食べ物に対するこだわりだけではなく、生き方全般に対する「マイナスのこだわり」だということが判ってくると、そうした一見理解不能の著者の所業が全てつながっていることが了解される。前に読んだ著者の本の紹介で、解説が素晴らしかったと書いたが、この本の解説も大変面白い。とにかく著者の本の解説を書くというのは大変な覚悟がいることだろう。(「偏食的生き方のすすめ」中島義道、新潮文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ |