書評、その他
Future Watch 書評、その他
ジュリア・ウィンター サイン ベルーカ チヨコレート工場
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フレディ・ハイモア サイン チャーリー チョコレート工場
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廃墟建築士 三崎亜記
作者の作品の多くにはある共通した手法が使われている。日常的な決まり事や社会のシステムの根幹部分の一部を非常識なものに変え、そこから淡々と静かに話を進めるという手法だ。最初の出発点がずれているのでそこから構築される世界は何とも奇妙で非現実的なのだが、話を進める論理に乱れがないので、できあがった世界もどこかにありそうな世界になる。ホラーとも違う得体の知れない不気味さとか不安が漂う世界だ。本書に収められた4編でも、広い意味での「建物」というものにスポットを当てて上記の作業が行われ、我々の常識を揺さぶる。4編のなかでは特に「図書館」が印象的だ。「図書館の野生をコントロールする」ことを職業とする女性の話だが、そのヒロインは以前の作品で「架空の動物を人々の心に見せる」ことを職業する女性として登場していた。こうした形で続編なり連作に出会えて、なんだか妙に嬉しい感じがした。作品のなかに「地方の衰退」という社会問題が取り入れられていてそれも妙に面白い。「七階闘争」という作品は、なぜか建物の7階で不幸な出来事が続き、不安になった住民から「7階を撤去せよ」という運動が立ち上がり…という話だが、「7階を撤去しても8階が新たな7階になるだけではないか」というまっとうな意見が封殺されてしまうところなどもおかしくて好きだ。「作者の作品ではまだ「鼓笛隊の襲来」を読んでいない。次の作品が出ないうちに読んでおかなければと思う。「(「廃墟建築士」三崎亜記、集英社)
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ロードオブザリング スケッチ ⑦ GRANT GOULD
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ロードオブザリング スケッチ ⑥ HODGES
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墨攻 酒見賢一
作者の作品を読むのは「後宮小説」「聖母の部隊」に次いで3冊目。先の2冊は全然タイプは違うがいずれも心に残る名作だった。本作も150ページにも満たない文庫本だが小説における「虚実皮膜」の醍醐味を十分に味わえる作品だった。「墨子」という人物あるいはその思想については全く予備知識が無く、どこまでが史実でどこまでが創作なのか正確には判らないが、作者の他の作品から類推して、思った以上に「創作部分」が多いのではないかという感じがした。そもそも題名の「墨攻」も成語の「墨守」をもじった作者の造語である。そうしたどこまでが史実なのかを見つけようとする読者を相手に、その虚と実の境界を感じさせないのが作者の技量なのだと思う。最近歴史小説をいくつか読んでみて、歴史小説というのは「面白い題材を見つけてくる」ことがまず重要な要素だと思うことが多い。本書にもそれはいえるのだが、本書の場合はそれはとっかかりだけのような気がする。虚と実の境界が判らないので、史実であったかどうかを追いかけても楽しめないことがすぐに判るからだ。あとから解説などを読んで、ここまで史実だったんだと変に感心してしまった。
なおこの作品はマンガや日中韓合作映画になっており、いずれも処方面で高い評価も受けているらしい。両方とも見たことはないが、話としての面白さや「墨子」という謎の多い題材が、さまざまなジャンルの人々の創作意欲を掻き立てるのかもしれない。本書読了で、寡作の作者の主要作品の未読作品としては「陋巷に在り」が残った形だ。全13巻という大物だけに、個人的にはこれをいつ読むかが結構悩ましいところである。(「墨攻」酒見賢一、新潮文庫)
なおこの作品はマンガや日中韓合作映画になっており、いずれも処方面で高い評価も受けているらしい。両方とも見たことはないが、話としての面白さや「墨子」という謎の多い題材が、さまざまなジャンルの人々の創作意欲を掻き立てるのかもしれない。本書読了で、寡作の作者の主要作品の未読作品としては「陋巷に在り」が残った形だ。全13巻という大物だけに、個人的にはこれをいつ読むかが結構悩ましいところである。(「墨攻」酒見賢一、新潮文庫)
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ロードオブザリング スケッチ ⑤ VECCHIA
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モダンタイムス 伊坂幸太郎
彼の本は「鴨とアヒルのコインロッカー」以来、新刊を追いかけつつ、昔の作品も少しずつ手を出すという具合でずっと読み続けている。特にファンという訳でもなく、本屋さんで新刊を見つけてもすぐに購入したりもしないのだが、しばらくすると「大変面白い」という評判が立つので、つい購入してしまうという感じでずっときている。読めば確かにストーリーとして面白いし読ませる。ただ、個人的には「次の新刊が待ち遠しい」というのではなく、何故かいつの間にか知らない題名の作品が本屋さんに並んでいるのを見つけるという感じだ。1つ読み終わった後にもっと別の作品を読みたいと思うのをファンだとすれば、あまり熱心なファンでないことは確かだ。さて本書は、ある男が拷問を受けようとしているところから始まる。その舞台だが、現在の日本のようでいて、どこか変な感じがする。読み進めていくと、設定は今から100年後くらい未来の話らしいことが判ってくる。ただし、現在と全く変わらないサラリーマンの日常などが描写され、100年後の日本なのに人間の行動パターンや心理など全然変わっていない。100年後も今起きつつある問題は全然解決していませんよ、生活もそんなに進歩なんかしていませんよ、と言っているようで面白い。それから、先週の作家村上春樹のエルサレム賞授賞式でのスピーチの断片をニュースでみたが、そのなかで語られた「社会のシステムに押しつぶされそうな個人」というイメージは、まさに本書の主要テーマである。世の中の精神的な現状を敏感に捉え、それを表現することに長けた2人の作家が、全然別の形ではあるが同じようなメッセージを発している点には深く考えさせられた(「モダンタイムス」伊坂幸太郎、講談社)
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アデュール・ティシュラー サイン モーリー HEROS
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ロードオブザリング スケッチ ④ WATERHOUSE
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ロードオブザリング スケッチ ③ BRIAN ROOD
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ロードオブザリング スケッチ ② HODGKINS
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ロードオブザリング スケッチ ① MANDRAKE
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ティッピ・ヘドレン 衣装 ハリウッド
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K3PO サイン スターウォーズ
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