書評、その他
Future Watch 書評、その他
ハーバート・フーバー サイン アメリカ大統領
第31代大統領ハーバート・フーバーのサインである。ここで紹介するアメリカ大統領のサインの4人目。彼は在任中の1929年に起きた「世界大恐慌」に適切な政策を打ち出せなかった大統領として、退任後の人気や評価が低く、このサインも他の大統領のサインに比べて比較的容易に手に入れることができた。しかし、大恐慌の際に彼が言い放ったとされる「全く問題はない」「そのうち景気は良くなる」という発言も、当時としてはやむを得なかった面があるし、何もせずに放置していたわけでもない。ラスベガスにいくと、近場の観光スポットとして有名なのが「フーバー・ダム」。これは彼が在任中に景気対策を兼ねて行った公共事業である。それに一般的な評価は低いが、彼と一緒に仕事をした同年代の政治家の彼に対する評価は極めて高いらしい。彼の行った貧困撲滅政策なども革新的なものであったと言われている。在任中に大恐慌が起こらなければ歴史的にも高い評価を受けていただろうと思うと、やや不運な政治家といえるかもしれない。ただ、彼は大統領を退任してから最も長生きをした大統領という記録を持っているそうで、一概には不運とも言えない気もする。
阪急電車 有川浩
ミコ・コイブ RC NHL
フィンランド出身のNHL選手、ミコ・コイブのルーキー・カード。1987年生まれ、NHLのデビューは2005年、22歳の時なので、NHLの選手としては若干遅めのデビューだ。兄のサク・コイブは、私が最初にサインやコレクティブルを集め始めた思い出深い選手だが、その8つ違いの弟がもう27歳というのは少し驚きだ。NHLでの成績は、年を追うごとにアップしており、昨シーズンはチーム(ミネソタ)のキャプテンとして70ポイントという文句のない好成績をあげている。この70ポイントというのは、偉大な兄サク・コイブのシーズン・ベストの75ポイントに迫る数字で、すでに兄と遜色のない活躍を見せているということの証だ。
隻眼の少女 麻耶雄嵩
読む前にまず本書の奥付の著者略歴をみると、島田荘司、綾辻行人、法月倫太郎等の推薦を受けてデビューした作家とある。要するに新本格派に属する作家ということだ。私が考える新本格派の作品を楽しむコツは、言い方は悪いが、多少不自然な設定であっても、構わずに読むということだ。読んでみて、本書はまさにそうした読み方をする本だと思った。おどろおどろしい人間関係、閉ざされた世界、探偵に挑戦するかのような複雑な犯行を繰り返す犯人など、舞台設定は新本格派の決まり事のようだし、本書には新本格派が好む首なし死体が5つも登場する。ほんの数分で人の首を切り落とすことなどできるのだろうか、そのときの返り血はどうなったのかなどと突っ込んではいけない。本書で最も面白かったのは、信じられないような犯行の動機だ。書評誌にある「本格ミステリ史」というのは「新本格派」という意味だということで、至極納得した。(「隻眼の少女」麻耶雄嵩、文藝春秋)
パルテノン 柳広司
ヨー・ヨー・マ サイン チェロ奏者
ソリストとして名前を知られたチェロ奏者というのは、それほど多くはいない。まず思いつくのは、それまで通奏低音を専門に担ってきたチェロという地味な楽器をソロで演奏する楽器に変革したパブロ・カザルス。それにリヒテル・オイストラッフとトリオを組んだロストロポーヴィッチ、天才と謳われながら病魔に倒れたジャクリーヌ・デュ・プレ、そしてこのヨー・ヨー・マのせいぜい4人くらいだろう。日本人の堤剛を入れても5人だ。もちろん他にもスターン・トリオのローズなどあと数名は名前をあげられるが、それらは大半が有名な三重奏団、四重奏団のメンバー、アンサンブルの一員であり、ソリストという感じはしない。もともと作曲家自身がチェロを主役にした楽曲を作曲しようという考えがほとんどなかったために、チェロ奏者が活躍できるクラシックの楽曲は数が少ない。チェロ奏者の演奏会を聞きに行っても、演奏される曲の多くは、他の楽器のために作られた曲のアレンジだ。チェロの独奏曲として有名なバッハの「無伴奏チェロソナタ」もカザルスが再発見しなければ、単なる練習曲として扱われ続けたと思われる。こうした状況のなかで、比較的チェロが活躍できるのが三重奏、四重奏であり、チェロ奏者は必然的にそうしたアンサンブルの中で活動せざるを得ない。こう考えると、ヨー・ヨー・マの世界的な成功というのは奇跡に近いことのように思える。
アレキサンダー・ハリトーノフ サイン NHL
ロシア出身の元NHLプレーヤー、アレキサンダー・ハリトーノフのサイン。NHL選手といってもNHLでプレーしたのは2年間だけで、あとは全てロシアのリーグでプレーをしている。現在は、KHLという2008年に創設されたロシアを中心とする、ヨーロッパ最強といわれるユーラシア・リーグに所属している。このKHL、まだアイス・ホッケーの最高峰イコールNHLという常識を揺るがす存在にはなっていないが、このような動きの背景にロシアの経済発展があると考えれば、ある意味大変興味深い気がする。
ブルース・ガーディナー サイン NHL
マーク・ストレイト ジャージ NHL
ドン・ゲイ サイン ロデオ・チャンピョン
もちろんこのサインを入手するまで全く知らなかったが、このドン・ゲイという選手は世界チャンピョンに8回輝いた、その世界のスーパースターである。父親も有名な選手だったらしく、世界で唯一ロデオ殿堂入りを果たした親子ということらしい。世界チャンピョンとか、世界で唯一とかいうが、ここで言う「世界」とはほとんど「アメリカ」と同義であることは間違いない。大リーグの優勝決定戦を「ワールド・シリーズ」というあのノリだ。
白銀ジャック 東野圭吾
内容は、スキー場がハイジャックされるというショッキングな事件を追う、サスペンス調のミステリー。ストーリーは一直線、ほとんど悩むことなく一気に読めてしまう。人物の視点をいくつも変えながらストーリーの同時進行で読ませるという手法が多い中で、こうしたシンプルな展開は、読むほうにとっては大歓迎だ。最後のあっと驚く真相だが、作者に挑戦して「当ててやろう」と立ち止まることもなく読み切ってしまったので、自分自身当てられたかどうかは判らないが、多分立ち止まって考えたとしても当てられなかっただろうと思う。言われてみれば非常に合理的な結末だが、まさかという読者の思い込みを上手く突いている。少し前の軽いノリの東野作品という感じがするが、お買い得作品であることは間違いない。(「白銀ジャック」東野圭吾、実業之日本社文庫)
ミッチ・ゲイロード サイン 体操選手
デイブ・スコット サイン トライアスロン・チャンピョン
イスラエル 三井美奈
ロベルト・ルオンゴ ジャージ NHL
カナダの正ゴールキーパー、ロベルト・ルオンゴのジャージである。彼の成長ぶりをみていると、月日の経つのは本当に早いものだと感じる。つい最近デビューしたと思っていたら、あっという間にカナダの国民的な英雄になってしまった。ワールドカップ、世界選手権、スタンレー・カップの全てで金メダルを獲得、正にカナダナショナルチームの大黒柱として活躍をしている。NHLでの年間勝利数でも史上2番目の記録を達成したりと、今やNHLを代表する選手だ。
« 前ページ |