犬島の一日

2019-04-26 06:14:34 |  2018-2019瀬戸内逍遥
いよいよ本日、2019年の瀬戸内国際芸術祭が開幕する。
昨秋はいろいろと見学する気満々だったのに、冬の間に常設展示の作品をいくつか見ていたら結構満足してしまって、今のところ行きたい度はだいぶ低下している。
会期外に行くととても人が少なく、ストレスなく見学できるので、わざわざ混んでる時期に見に行かなくてもなあ、と思うのだ。
見に行くなら常設展示以外の会期中にしか見れない作品に絞って訪れることになるかな。

あと、なんども訪れていると、アート作品だけでなく、元からある島の町や自然そのものの魅力にも気付かされる。
そんなのを見て回るなら反対に会期外である方がいい。
静かな普段の姿を見られるからな。

さて、昨秋に犬島を見学した時にたくさん撮った写真がまだブログにアップできていなかった。
この開幕を機会にアップしよう。
フォトチャンネルにしたので、おヒマなら見てよね。
犬島、まだ行かれてない方、オススメですよ。

<犬島の一日>



海と桜

2019-04-13 21:22:47 |  2018-2019瀬戸内逍遥
香川、岡山辺りの瀬戸内の島で、桜の綺麗な所がないか調べてみると、いくつかの島で桜が見られるとあり、一番規模の大きいのは女木島だった。
てことで今年のお花見メインは女木島、桜撮影の旅。
高松港を出るフェリーめおん2は、前回乗った冬の時期と違い、座席は乗客で埋まっていた。



瀬戸内国際芸術祭はまだ会期前だから、女木島で降りる人はみんな桜目的に違いない。
行き先選択に間違いはなさそうだ。
桜は山の上の鬼の洞窟へ行く道と、山上の展望台、あと方向は違うが島の南端にある灯台への道にたくさん植わっているらしい。



前回来た時は港近くのアート作品を見て回っただけで鬼の洞窟方面へは行っていないから、重なりなく島を巡れてよろしい。
船が港に近づき、甲板から島の山肌を観察すると、なるほど淡いピンク色が見える。
期待できそう。



港から洞窟までは徒歩、バス、レンタサイクルのいずれかで向かう。
時間はあるし、途中の景色も撮りたいから当然徒歩を選択。
途中にあった看板に洞窟まで2.3kmとあった。
集落内を通り抜ける中に立つ桜は、開ききっていない蕾が少し残るだけのちょうど満開の頃合いだった。



畑地に入り、これから登る斜面が見えた。
道路のあるだろう位置に桜が並んで咲いているのが見える。
登り道の始まるところに神社がある。
前回狛犬に注目した住吉神社だ。
再び遊びに来た挨拶をした。



坂を登り始めると、ひばりのさえずりが姦しいくらい。
日差しは暖かく、桜の花の向こうに色彩豊かな畑地が広がり、本格的に春が来たことを実感。
感動に近いその感覚に肌が粟立ってしまった。



山の上への道に沿って並んで咲く桜が何ヶ所も分かれてあり、ヘアピンカーブを曲がる度に短い並木が眼前に現れ、道中見るモノに困ることはない。
これはバスで通過するより、徒歩か自転車で時間をかけて眺めたい景色だ。
自転車は電動自転車のレンタルがあるから、歩くより楽ちんそう。



標高が上がるにつれ海が良く望めるようになり、屋島や高松の街が春霞の向こうに近い。
ゆっくりと登るもんだから、次のフェリーで来たお客さんを乗せたバスが通過していった。



徒歩だと最後のひと登りを林の中の階段を上ることでショートカットできる。
登り切ると洞窟の鬼さんが出迎えてくれた。
駐車場があり、さっき追い越していったバスが港に帰るのを待っている。
港で駐車中に潮がかかるのだろう、部分的に錆だらけになって頑張ってるバスだ。



洞窟は素通りして、その上にあるという展望台に向かう。
反対側の海が見え、男木島が望めた。
その向こうは豊島らしい。
海沿いの遊歩道を辿ると、山頂の広場だ。



山頂の桜は種類がいくつもある。
白いのや赤いのがそこここに植わっていて、ブルーシートやベンチでお花見する方々。
こんなに眺めがいいのに人でいっぱいということもなく、適度な人口密度。
穴場ですな。



木製の展望台があって、階段を登ってみるとぐるり360°を見回せた。
んー、いい眺めだ。
ひとしきり眺めを楽しんで、買ってきたおにぎりを広場でいただいた。


人形の館

2019-04-09 06:36:08 |  2018-2019瀬戸内逍遥
香川県では高松ばかりで遊んでいるので、今回はちょっと外して坂出にもやって来た。
坂出駅から少し歩いたところにある鎌田醤油の工場の横に、人形作家四谷シモンの作品が展示された館がある。
そこを見学した。



館内写真撮影可という素晴らしいところ。
淡翁荘という名で、会社の迎賓館として使用されていた建物がそのまま展示施設として使われている。



この建物は昭和初期に建てられたもので、登録有形文化財だそう。
個性豊かな人形が時代を経た部屋に佇む様子は、とても雰囲気がマッチしていて面白く鑑賞できた。



一種独特なデザインの人形達なので、こんなの見に来る人は少ないんだろうなと思ったが、失礼ながら意外に人気があって次々と来客があり、システマティックな受付体制ではないので、受付の方はなかなかに忙しそうであった。



何しろ一人で来館者全員に館の説明をしてくれるのである。
人形とともに館の調度品についてもじっくり鑑賞させてもらった。




こだま

2019-02-26 06:25:12 |  2018-2019瀬戸内逍遥
そういえば500系新幹線に乗ったこと無かったよなあ。
うーん、どうだったっけか。
主力で走ってた頃は出張なんてなくて、長距離旅行も車ばかり使ってたからなあ。
乗ったことあったかもしれないけど、そろそろ退役しそうだから今のうちに乗っておこうと思い、こだま号で帰ることにした。
座席を予約すると、なんとこちらも4列シート。
ウェブで調べると、数年前に4列シートに改装したそうだ。
岡山から新大阪まで約一時間半か。



岡山駅に早目に到着すると、すでに入線して停車してたので、ゆっくり撮影。
あれ、自由席を覗いてみると5列シートだ。
改装したのは指定席だけか。
指定席車両に入ると、行きのさくら号と同じくゆったりとした座席。
さくら号は座席の間の肘置きを引き上げて背もたれの間に収納できたが、こだま号のは固定式。
幅10cm以上あるな。
ぜいたく。



発車した。
車両形状がミミズみたいな円筒形だから窓が内側に傾いている。
窓側の席は頭上に少し圧迫感がある。
型が古いからか、年食っているからか、700系より揺れは大きい。
ビビリ音がするのは後者の所為だな。
すぐに停車駅に到着。
止まってるのに座席がなんか小さく揺れるので、後ろの人が座席を蹴ってるのかと思ったら、突然車体が大きく揺れてのぞみが通過した。
ええ、そんなに遠くから震度が伝わるものなの?



しばらくして出発。
でも次の駅へもすぐに到着。
そしてのぞみ待ち。
揺れる。
しばらくして出発。
これの繰り返し。
のぞみの時の、出発を急ぐホームの情景はこだまにはない。
なんとものんびり。
せっかちな人は乗ってられないだろうな。


高松駅への帰り道

2019-02-23 19:18:34 |  2018-2019瀬戸内逍遥
八栗ケーブル登山口駅から歩いてことでん八栗駅へ向かう。
途中に大きな手打うどん屋さんがあるので、お昼には少し早いが讃岐うどんを食することにした。
早い時間が幸いしたのか、有名店らしいのだが待つことなく席に案内された。
わかめうどんを注文。
すぐに持ってきてくれた。
私の讃岐うどんのイメージはシコシコ腰の強い麺なのだが、ここのはモチモチした麺だった。



これはこれでよろしいな。
つゆも美味しい。
冷えた身体があったまった。
食べてる最中にどんどんお客さんが入ってきて、見える範囲はすぐに満席になった。
食べ終わって外に出ると、広い駐車場には次々と車が入って来る。
すごい人気だな。
うまいこと入店したもんだ。



八栗駅までさらに歩き、駅前に見つけてあったコーヒー屋さんで食後のお茶にした。
スペシャリティ・コーヒーを扱うお店で、サイフォンで淹れてくれる。
サイフォンなんて久しぶりだな。
スッキリとした飲み口のコーヒーだった。
店内は落ち着いた雰囲気でゆっくりできるのだが、飲み終えてまったりしていたら眠くなってきた。
突っ伏して眠るわけにもいかないのでまた寒い外に出る。



<八栗駅で撮り鉄>






やってきた電車に乗って瓦町駅へ。
予定していたより一時間も早い電車に乗れた。
寒かったから思ったより長居できなかったなあ。
志度線は瓦町駅が終点なので、高松築港駅へ行くには乗り換えねばならない。
志度線ホームと琴平線/長尾線のホームは結構距離があるのだ。
そこを歩く間、ここで後一時間遊ぶか、それとももう帰ってしまうか悩む。
もう一時間遊ぶなら八栗で遊んどかないとな。
ここも寒いし、帰ることにした。

<瓦町駅ホームから>



雪だよ雪

2019-02-21 06:30:34 |  2018-2019瀬戸内逍遥
八栗ケーブル山上駅から八栗寺に参拝せんと外に出ると、鳥居が迎えてくれる。
その時は不思議に思わなかったが、そういえばここはお寺だった。
こちらのご本尊は聖観音だが、併せて歓喜天も祀られているからだそうだ。



まずは本坊と御成門を見学。
庭に積もった雪に足跡はなく、中に入ることなく山門から覗くに留めた。
うーん、きれい。
普段とは全く異なるのであろう情景が、私の中の八栗寺のイメージとなった。



本坊から本堂への道しるべに従い歩く。
参道途中にあった境内案内図を見て驚いた。
八栗寺は山中にあるのにとても広い境内を持つお寺だった。
ポツンと本堂だけあるのかと想像していたが、谷を囲んでぐるり大きな建物が並んでいた。



参道の横は石の壁で重厚感ある眺め。
ことでんの八栗駅からケーブルの駅までの間に石屋さんがいっぱいあった。
庵治石の産地だからここの境内も同質の岩体でできているのかもしれない。
狛犬に見張られ鳥居を再びくぐると、本堂と聖天堂が並び建つ中心部に到着。
お参りした。



本堂の後ろにある五剣山はあいにくの雲に隠れてしまっていた。
面白い形の山らしい。
あれ?こんなところに手水舎がある。
その向こうに大きな門もある。
ここまで来て気づいたが、参道を逆行してるじゃないか。
ケーブル駅からなにも考えずに来ると、裏手から入ることになるんだ。



ケーブルカーに乗らずに歩いて登って来ると、きちんと門から入ってお参りできるんだな。
ケーブル駅からでも途中で境内を出て、ぐるっと回ってこちらに来れるのだが、知ってないとその道で来るのは無理だな。
そのぐるっと回る谷の道を通り、ケーブル駅へ戻った。




ボンネットバスならぬ

2019-02-18 06:30:35 |  2018-2019瀬戸内逍遥
さて高松に戻し、次の観光先は牟礼。
八栗寺という四国霊場八十五番札所があるのだが、メインターゲットはそのお寺への足として使われる八栗ケーブルの方。
古いケーブルカーが現役で頑張ってるそうなので見て乗ってみたかった。



ことでんの志度線にある八栗駅が最寄り駅。
そこから北へ五剣山という山の方へ歩く。
最初平坦だった道は徐々に坂道となる。
大きなうどん屋さんを過ぎると登山口駅が見えてきた。



駅手前にガランとした広い駐車場があり、ケーブルカーは駐車場と地続きのホーム横に止まっていた。
車両はボンネットバスに似たデザインで個性的。
バシバシ写真を撮ってやった。



すると駅員さんが出てきて、そろそろ出発しますが乗りますか?と聞かれた。
はいはい。
ダイヤは15分間隔で麓と山上を行き来する。



往復切符を買ってホームへ進入。
乗客は少なく、私を入れて5人だ。
斜面を見下ろす一番後ろの席に陣取る。



シートに腰を下ろすとお尻が想像以上に沈み込み、うわあドッキリ。
昔ながらのスプリングの座席で、もしかしてずっと交換していないのかヨワヨワの反発力しかない。
車内に貼られていた車両製造表示札には昭和39年製とあった。
すばらしい。



たぶんドアの開閉のため、乗務員の方が一人同乗する。
笛が吹かれ出発。
乗り心地はゆるゆる走るケーブルカーゆえ、他のもっと新しいケーブルカーと変わりはない。
が、出発と同時に車内にかかる音楽がまたとても時代を感じさせる。



途中の行き違い場所で上から降りてきた赤い車両と行き違う。
あっと言う間に山上駅に到着。



八栗寺の様子はまた次回の記事で書くとして、参詣を終えて山上駅へと戻ると建物の中はおばちゃん達でとても賑やかだった。
どこに隠れてたのだろう。
私の後の便で登って来て、私がぐるっと参道を回ってる間にお参りを済ましたのだろうか。
寒かったから、境内でゆっくりする気にならなかったんだろう。



下りは赤い車両に乗りたかったが、待ってたのは上りで乗ったのと同じ青い方だった。
座席はおばちゃん達で埋まり、出発。
下りの車内音楽は喜多郎だった。
他にもレパートリーがあるのだろうか。
気になるところだ。



麓の駅に着いてホームから出ると、駐車場には観光バスが止まっていた。
他に自家用車もたくさん止まっていて、私が到着した時の閑散とした雰囲気は無くなっていた。
意外と需要があったのね。
これからも末永く運行してください。




男木島よ、また会う日まで

2019-02-10 07:40:50 |  2018-2019瀬戸内逍遥


男木島には少なからぬ移住者が新たに居を構えて暮らしているそう。
そんな移住者のやってるカフェがイケてるそうなので寄ってみた。
なるほど、「昭和」な男木島にそこだけ「今」なお店だった。
洒落た店内の小さなショーケースには美味しそうなケーキやパンが並ぶ。
お茶していきたいところだったがフェリーの時間が迫っていたため、お土産に買って家で味わう事にした。
なので購入した物品をフェリーで撮った写真しかない。
路地探索に再訪したら、その時は疲れた足をここで休めさせてもらおう。

<クッキー>


<パン(クルミとイチジク入り)>


<コーヒー豆>



ここのねこは逃げない

2019-02-08 06:22:33 |  2018-2019瀬戸内逍遥
男木島はねこの島だそうだ。
何かで200匹いると読んだが、雨だからか見かけたのは5匹だけだった。
可愛がられているのか人懐っこく、なにもしていないのに脚に身体を擦り付けてくる奴が1匹いた。



まとわりつく感じではなく、グリグリ身体の側面を押しつけながら通り過ぎるのである。
前にも別の場所で別のねこに同じように身体を擦り付けられた事があるのを思い出した。
こちらを見上げながらそうするのなら、食べ物をねだってるんだなと思うのだが、顔はあさっての方を向いている。
そして歩き過ぎてから視線を送ってくるのだ。



何を意図しているのだろう。
前の別のねこもそうだった。
ねこのすました遺伝子が一部の個体にそうさせるのだろうか。
その遺伝子を引き継いで持ってる「人」もいるように思う。




男木島の道

2019-02-05 06:24:09 |  2018-2019瀬戸内逍遥
タンク岩に着いた頃、雨が上がった。
折りたたみ傘をカバンにしまうと、手を取られるものがなくなった。
なんか身軽になった感じ。
さて、港へ戻ろう。
海へと降りる道は灯台から登ってきた道より斜度がある。
下りでよかった。
行きに歩いた海岸線の道の途中に降り立ち、平らになった道をぽくぽく歩く。
空が明るくなってきた。
集落が見えてくると、また道は路地となる。
ほんとにここの路地は味がある。
嫌った雨だったが、しっとりと落ち着いた風情がでて、余計魅力的になったのかもしれない。
全ての路地を歩いていないので、路地撮影の為だけにもう一度訪島したいくらいだ。

<豊玉姫神社へ>


<民家に入らないよう注意>


<島民の足>


<交差点から>


<灯台への道>


<水仙の道>


<タンク岩からの下り>


<雨上がり明るくなった>


<石垣の黒いのは玄武岩だろう>