2度目に訪れたのは、10年以上経過した後、社会人になってからでした。
夏休みに長期休暇を取ることが推奨されるようになり、1週間休むのはいいけど趣味の無かった当時、あまりに時間が有り余り、途方に暮れ、それなら旅行に出てみようと思い立ち、小学生の頃訪れた信州をもう一度巡ってみようと出かけたのです。
この時も2泊3日だったかな。
白い河床が印象に残る木曽川。真夏の強い日差しを反射させ、まだ旅慣れぬ私を変わらぬ白さで迎えてくれました。
車で木曽路を北上し、薮原から国道19号を離れ、より山奥へと入っていきます。
途中林の中に別荘地があり、前に来たときログハウスの喫茶店に寄ったのを思い出しました。
店先に水受けがあり、冷たそうな水が導水管から落ちて、透明な水面に浮かんだ青いリンゴをくるくると回していたっけ。
走り進める内、現れる峠のゲートや茶店の佇まいに記憶が刺激され、
「ああ、ここはこんなだった。」
「この角を曲がったんだった。」
「このトンネル変わってないなぁ。」
と懐かしさの嵐です。
初日は白骨温泉付近の道端に車を止め、夏の深緑が作る陰の下、斜面を流れ落ちる小さな滝から吹き寄せる涼しい風に、それまでの興奮の疲れをなだめられ、気持ちよく昼寝したのがメインイベントでした。
その日は平湯温泉の観光案内所で宿を取り宿泊。
旅館に一人泊まるのは初めて。
晩飯は食堂で、グループや家族、カップルで食べている他の宿泊客の中、一人豪華な夕食を食す。
さすがにこの時は寂しかった。
(今は全然平気なんだけど・・)
でも食べるものは食べる。
朴葉味噌がおいしかったッス。
部屋に戻ると八畳間の真ん中にポツンと布団が引かれてました。
・・なんか落ち着かない。
有り余る空間に囲まれて就寝。
たびたび目が覚めたように思う。
さて二日目、ようやく乗鞍岳のお話。
乗鞍スカイラインのドライブを楽しむ予定にしてたのです、が。
昨日と違いその日は
。
この状況で上っても上の方は雲の中なのは明らか。前回経験済みです。
天気が良くなるのを願って、スカイラインへの道を少し上ったところにある広い駐車場に車を止め、喫茶店で時間を置くことにしました。
夏休みとは言え平日だったからかお店は空いていて、半分外に張り出した造りの窓際のいい場所を一人で占めて読書を。
開いた窓から少し肌寒いくらいの山の空気が流れ込んできます。
本から目を上げれば窓外には山の木々。
後からお客さんが入ってくることも無く、誰に邪魔されること無く一時間近く落ち着いた時間を過ごすことができました。
結局天気は回復せず、仕方なく出発。
中腹辺りからガスが漂い始め、山上はやはり雲の中でした。
なかなか山で良い天気に恵まれるというのは有り難いのだ、ということを感じたものでした。
さて、白一色の駐車場に車を停め、レストランで食事して、土産物をなんか買ったのだと思います。
さすがに2700mの山上、日が差さないこともあって寒い。
なんにも見えないし、山を歩くつもりも元々無かったので、そうそうに車に戻りました。
すると、!!
ライトが点いてる・・
光はすでに弱々しい。
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あちゃー、これはダメだな。
一応セルを回そうとしましたが、ピクリとも動きません。
タハハ、どうしよう。
その車は家の借り物で、自身はJAFに加入しているわけでなく、当然ブースターケーブルも持っていない。
誰に助けを求めようか。
ホテルか土産物屋の誰かにお願いしたら助けてくれるかしらん。
と思い歩いていたら、道路公団かなにか正式名称は分かりませんが、道路を維持管理する組織の小さな事務所が目に入りました。
ここの人ならブースターケーブルも自前のを持ってはるでしょう。
扉を開けるとお年を召した作業着姿の方が一人。
私が何をしに事務所を訪れたのか分からないようで、助けてもらえないか3回くらい訳をお話して、ようやく理解してもらいました。
ケーブルはあるが積んでる車は今パトロールに出ているとのこと。
帰るまで待ってろと言われるので、急ぐ旅でもなく、優柔不断な若者だった私は言われるがまま、事務所で待たせてもらうことにしました。
事務所といってもデスクが並んでいるわけでなく、山小屋の中みたいでなんにも無かったように思う。
折りたたみ椅子を勧められ、石油ストーブに当たりながら子一時間くらいそのおっちゃんと他愛ないことを話して時間を潰しました。
しかし真夏にストーブに当たるとは思はなんだ。
ようやく、パトロールから4tトラックが帰ってきました。
パトロールに行っていた方におっちゃんが説明してくれ、トラックのバッテリーを繋いでエンジン始動。
いやいやよかった。
変なことで強烈に記憶に残る旅となりました。
お礼して山を後にしたのでした。
・・
当初予定ではその日に帰る案もあったのですが、なんだか帰りたくなくなり、まだ休みもあるのでもう一日旅を続けることにしました。
翌日は立山へ。
そこも霧の中でした。
やれやれ。
その話はまた別の機会に。
夏休みに長期休暇を取ることが推奨されるようになり、1週間休むのはいいけど趣味の無かった当時、あまりに時間が有り余り、途方に暮れ、それなら旅行に出てみようと思い立ち、小学生の頃訪れた信州をもう一度巡ってみようと出かけたのです。
この時も2泊3日だったかな。
白い河床が印象に残る木曽川。真夏の強い日差しを反射させ、まだ旅慣れぬ私を変わらぬ白さで迎えてくれました。
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車で木曽路を北上し、薮原から国道19号を離れ、より山奥へと入っていきます。
途中林の中に別荘地があり、前に来たときログハウスの喫茶店に寄ったのを思い出しました。
店先に水受けがあり、冷たそうな水が導水管から落ちて、透明な水面に浮かんだ青いリンゴをくるくると回していたっけ。
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走り進める内、現れる峠のゲートや茶店の佇まいに記憶が刺激され、
「ああ、ここはこんなだった。」
「この角を曲がったんだった。」
「このトンネル変わってないなぁ。」
と懐かしさの嵐です。
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初日は白骨温泉付近の道端に車を止め、夏の深緑が作る陰の下、斜面を流れ落ちる小さな滝から吹き寄せる涼しい風に、それまでの興奮の疲れをなだめられ、気持ちよく昼寝したのがメインイベントでした。
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その日は平湯温泉の観光案内所で宿を取り宿泊。
旅館に一人泊まるのは初めて。
晩飯は食堂で、グループや家族、カップルで食べている他の宿泊客の中、一人豪華な夕食を食す。
さすがにこの時は寂しかった。
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(今は全然平気なんだけど・・)
でも食べるものは食べる。
朴葉味噌がおいしかったッス。
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部屋に戻ると八畳間の真ん中にポツンと布団が引かれてました。
・・なんか落ち着かない。
有り余る空間に囲まれて就寝。
たびたび目が覚めたように思う。
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さて二日目、ようやく乗鞍岳のお話。
乗鞍スカイラインのドライブを楽しむ予定にしてたのです、が。
昨日と違いその日は
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この状況で上っても上の方は雲の中なのは明らか。前回経験済みです。
天気が良くなるのを願って、スカイラインへの道を少し上ったところにある広い駐車場に車を止め、喫茶店で時間を置くことにしました。
夏休みとは言え平日だったからかお店は空いていて、半分外に張り出した造りの窓際のいい場所を一人で占めて読書を。
開いた窓から少し肌寒いくらいの山の空気が流れ込んできます。
本から目を上げれば窓外には山の木々。
後からお客さんが入ってくることも無く、誰に邪魔されること無く一時間近く落ち着いた時間を過ごすことができました。
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結局天気は回復せず、仕方なく出発。
中腹辺りからガスが漂い始め、山上はやはり雲の中でした。
なかなか山で良い天気に恵まれるというのは有り難いのだ、ということを感じたものでした。
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さて、白一色の駐車場に車を停め、レストランで食事して、土産物をなんか買ったのだと思います。
さすがに2700mの山上、日が差さないこともあって寒い。
なんにも見えないし、山を歩くつもりも元々無かったので、そうそうに車に戻りました。
すると、!!
ライトが点いてる・・
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光はすでに弱々しい。
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あちゃー、これはダメだな。
一応セルを回そうとしましたが、ピクリとも動きません。
タハハ、どうしよう。
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その車は家の借り物で、自身はJAFに加入しているわけでなく、当然ブースターケーブルも持っていない。
誰に助けを求めようか。
ホテルか土産物屋の誰かにお願いしたら助けてくれるかしらん。
と思い歩いていたら、道路公団かなにか正式名称は分かりませんが、道路を維持管理する組織の小さな事務所が目に入りました。
ここの人ならブースターケーブルも自前のを持ってはるでしょう。
扉を開けるとお年を召した作業着姿の方が一人。
私が何をしに事務所を訪れたのか分からないようで、助けてもらえないか3回くらい訳をお話して、ようやく理解してもらいました。
ケーブルはあるが積んでる車は今パトロールに出ているとのこと。
帰るまで待ってろと言われるので、急ぐ旅でもなく、優柔不断な若者だった私は言われるがまま、事務所で待たせてもらうことにしました。
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事務所といってもデスクが並んでいるわけでなく、山小屋の中みたいでなんにも無かったように思う。
折りたたみ椅子を勧められ、石油ストーブに当たりながら子一時間くらいそのおっちゃんと他愛ないことを話して時間を潰しました。
しかし真夏にストーブに当たるとは思はなんだ。
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ようやく、パトロールから4tトラックが帰ってきました。
パトロールに行っていた方におっちゃんが説明してくれ、トラックのバッテリーを繋いでエンジン始動。
いやいやよかった。
変なことで強烈に記憶に残る旅となりました。
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お礼して山を後にしたのでした。
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・・
当初予定ではその日に帰る案もあったのですが、なんだか帰りたくなくなり、まだ休みもあるのでもう一日旅を続けることにしました。
翌日は立山へ。
そこも霧の中でした。
やれやれ。
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その話はまた別の機会に。
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