真夜中の冒険

2010-09-11 23:10:51 | その他旅行き
では、乗鞍話しで度々触れた立山のお話しをしたいと思います。
乗鞍と違い、立山には二回しか行った事がありません。
あー、立山の麓まで訪れたのも数えると三回だ。
では、初めて行った時のお話しから。

あれは社会人になって初めて取った夏の長期休暇時でした。
乗鞍を二回目に訪れ(畳平でバッテリーを上げ)た旅の3日目の目的地に選んだのでした。
確か山を下った後に行こうと思い立ったはず。
あっ、思い出した。
立山黒部アルペンルートの存在は知っており、それに大町側から入るか立山側から入るか迷って、とりあえず大町へ向かったのでした。
もう日は暮れて、当然アルペンルートの乗り物も運転終了している。
宿も取れないだろうから、扇沢駅までのどこかで車を止めて車の中で眠ろうと考えました。
一人での初めての車中泊です。

ところが良い場所を見つけられず、そうこうする内に大町へ到着。
大町から西へ曲がり、山の中へ入っていくと窓外の雰囲気が一変。
山道は街灯がなく真っ暗です。
加えてなだらかな上り坂なので、直線的でガードレールがなかった(と思う)ためか、なんか普通の道と違うイメージが残っています。
初めての車中泊です。
スペースは十分にあったと思うのですが、こんなところじゃ怖くて泊まれません。
またしても、そうこうする内に扇沢駅へ。

道の行き止まりに灯を落とした大きな建物が、闇に沈んだ山を背に現れました。
大きな駅舎です。
営業終了してだいぶ時間が経ち、全館消灯済み。
入口の照明だけが部分的に点いた中、係員が戸締まりしてるよう。
その他にはまったく人気がありません。
建物の前には駐車場なのかバスのロータリーなのか舗装された広場があり、照明がないので建物の薄暗い明かりを写して黒々と広がっています。
こんなに広いのに、車が一台も止まっていない。
沢山の人々のための施設に人がいないというのは、それだけで怖い。
夜の校舎のようです。

森閑とした中、広場の隅に車を止めてしばらく様子を伺ってましたが、・・ここに一晩泊まる?
無理だな。
今にも出て来そうな係員に見とがめられ、声をかけられるのも面倒なので、立ち去る事にしました。

この大町・扇沢間の道は、それからしばらくして死体遺棄事件があった所です。
ニュースを見て、ああ、あの道か、と納得しました。
夜はホントに怖いとこでした。
今なら真っ暗なとこでも泊まれますが、あそこはどうかな。