2011-09-29 00:37:12 | その他旅行き
前回の続き。

穏やかな時間を満喫し、ファームガーデンを出発。
村内案内板があったので見てみると、林道で細そうですが三重県側への近道を見つけました。
やめて置けばいいのに、いつも同じ道はつまらないと、そちらに向う事に。
倶留尊山の方へ上って行くと、ある地点から急に道は細くなり、さらにでこぼこしてきました。
杉の葉が一面に散らばっていて、台風が通ったばかりである事を思い出しました。
道の不安がない時にすれば良かったかな。

近道は途中で分岐、より近い方を選択して更に奥地へ進みます。
車が転回できるスペースは無くなりドキドキしてきました。
大丈夫かしらん。
さらに分かれ道があり曲がった先は、横の壁から流れ出した泥がコンクリの舗装を覆いひどい状態。
それを見てその先に進む気を無くし、分かれ道までバックして方向転換しました。
次に近い道の方へ。

こちらは道幅も広く、気分的にも余裕が戻ってきました。
牧場の横を通って行くのですが、何ヶ所か進入を躊躇わせる、鋼鉄パイプで作られたバリケードが車線の真ん中に置かれています。
牧場側からやって来る人に「この先行けないよ」、と教えていました。
あのまま行かずにおいて良かったのかも。
バリケードの間を通り抜け、牧場を後にし、さて国道に出ようと走って行くと国道側へ下る分岐にまたしてもバリケードが。

あれ、ここも駄目なんだろうか。
でもこれを降りないと山に入り込んだ意味が無くなるなあ、と様子を伺いに入ってみました。
すると前方にテレビで見たような光景が広がりました。
植林されたV字谷の右手の斜面が深層から崩れ、谷の底を走る道路を土砂と倒れた杉の木が埋めていたのです。
杉の木は青々とした葉を付けたまま薙ぎ倒され、ゴミ箱に都度都度捨てられた割りばしの様に、秩序なくあちこちを向いて絡まっています。

これはまた…。
こんな光景は自分の目で見なければ、起こった事象を理解できないんだ、とその時悟りました。
目の前の出来事はそれほどに衝撃的。
映画やドラマで架空の世界を見慣れた頭では、ニュースの実況であってもTV画像というフィルターを通すと、実態を感じとる事ができなくなるのだと分かりました。
天災発生時、各所の長や立場ある人が被災地を訪れますが、その訳が理解できます。
実態を見ずして事に当たれないのでしょう。
せき止め湖の土砂崩れはこの比では無いし、震災津波の跡なんて本当に想像を絶するのでしょう。

ショッキングな光景ですが、透明な秋の日はそんな事を意に介せず、崩れた跡をくっきりと照らし出していました。
ひと気の全くない事も非現実感を高め、気の弱い私は長くその場にいられず、早々に引き返しました。
結局、いつもの降り口近くから幹線道路に出て帰る事に。

その後も二ヶ所で道がふさがれ、工事中。
現場は見えませんでしたが、小規模のようです。
村内の細い道へ迂回を指示されました。
山の中ですが幹線道路なので、復旧を急いでいるのでしょう。
先ほどの大崩落地点は利用頻度が低そうな道だったので、しばらくは放置、場合によっては廃道になるかもしれませんね。