思わず回答してしまったではないか

2019-10-25 07:47:45 | その他旅行き
次は林原美術館。
ここでは映像作品とパフォーマンスを鑑賞。
入口受付でチケットにスタンプを押してもらい、展示スペースの通路に入ると、小学生くらいの女の子が何やら語り始めたところだった。
いつの時代なのか売りに出された少女?を演じ、自分の境遇やその周辺を一人語りする。
劇団に所属しているのかどうか知らないが演劇を練習しているのだろう、長いセリフを間違えることなく小さな振り付きで堂々と演じていた。

一人語りだと思っていたのだが、演じている最中に観客に問いかけてきた。
その時見ていたのは6名くらいだっただろうか、通路でのパフォーマンスだから演じている少女は数歩先である。
「質問してもいいですか?」と振り付きで我々に順に問いかけてくる。
初めはただのセリフだと思っていたのだが、問いかける観客を変えて何度も聞くので回答してあげないと進まないのだと気付いたとき、問いかけられたのが私だった。

思わず頷くと「仕事が忙しすぎて時間がないのと、仕事がなくて時間が有り余っているのとどちらがいいですか?」(だったと思う)と聞かれた。
毎日忙しいので思わず「時間がある方」と答えたら、「それはなぜ?」と2つ目の質問。
うわ、その答えは単純化が難しい。
なんとか「やりたい事がなんでもできるから」と答えると、「なるほど、よく分かります。」だったか、肯定も否定もしないセリフが返ってきた。

質問はそこまでで再び一人語りに戻った。
語る内容が突然難しくなり、かつ意図せず心の内を吐露させられた私は動転して、彼女が何を話しているのか理解できなくなってしまった。
頭が白くなってしまったのだ。
パフォーマンスはその難解なセリフが最後で、演者は横にある部屋へカーテンの隙間から滑るように去って行った。
お辞儀するわけでもなく、いつが一人芝居の終わりなのか分からぬままだったので、拍手もできずじまい。
拍手するものではないのかもしれない。

気を落ち着かせて次の作品を見に歩き始めると、さっきまで演じていた場所の背後の壁に映像が映し出された。
ロボットのような顔をしたアニメ顔の登場人物が英語で何か話している。
たぶんこの映像のセリフを日本語にしたのがさっきのパフォーマンスだったのだろう。
とすると売られて一人語りしていた役柄はロボットだったのか。
後の作品は動く絵の映像と動かない絵を背面からライトアップした作品だった。
椅子があったので座って鑑賞していたら、今になって変な汗が噴き出してきた。
ああ、動転動転。





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