国道19号に戻り暫くすると雨がやってきた。
山肌の緑が白くまだらに見える。
と思ったら凄い雨がきた。
豪雨だ。
固体の粒が当たる様な凄い音がバラバラと車の屋根から響き続ける。
ワイパーを動かしても効果のなし。
うひょー、車の中にいる時で良かった。
国道19号から国道361号に右折し、権兵衛峠トンネルをくぐる。
昔このトンネルがまだ無い頃、伊那谷から木曽谷に抜けようとして権兵衛峠への道を上ったことがある。
信州で遊んで大阪に帰る夕刻、はびろ農業公園のみはらしファームにある日帰り温泉に入って、さあ峠越えだと走り出したら、台風だか大雨だかの土砂崩れで通行止めの表示が出ていた。
ありゃりゃ、地図でみても細い山道だからなあ。
今なら中央道に乗ってさっさと帰るのだが、お金がなかったからかなにか目的があったのか、あくまで木曽路で中津川まで下って高速に乗ろうとしていた。
それでひとつ北にある峠を越える事にした。
その名も牛首峠。
日はとっぷりと暮れ、最後の集落を過ぎ、明かりの無い曲がりくねった林道を進む。
ヘッドライトが樹々の幹を照らし闇から浮かびあがらせる。
私の苦手の眺めである。
道が曲がりくねっているので浮かび上がった木の向こうにできる影が動き、何か出て来そうな不気味さがあった。
思考はよろしく無い方向に向かう。
無人のはずの後部座席から声がかかったらどうしよう、とか。
カーブを曲がり切ったら、道の真ん中に鎌をもった老婆が般若の顔して立っていたらどうしよう、とか。
若い頃は想像力豊かだ。
散々自分を怖がらせて運転した。
唐突に国道19号に出た。
広い国道は不気味さなど微塵もなく平穏な雰囲気。
さっきまでのあの不気味さはなんだったのだろう。
なんて事を思い出した。
権兵衛峠トンネルができて、もうそんな怖い思いをせずとも多少雨が降ろうとも、安心して峠越えができるようになった。
が、それはそれでさみしい気もする。
天邪鬼だなあ。
日本にはまだ未整備の道はたくさんあるから、探し出して行ってきな。
雨はいつしか小降りになり、伊那谷の山腹を一直線に下る。
高遠にとった宿へと向かった。
山肌の緑が白くまだらに見える。
と思ったら凄い雨がきた。
豪雨だ。
固体の粒が当たる様な凄い音がバラバラと車の屋根から響き続ける。
ワイパーを動かしても効果のなし。
うひょー、車の中にいる時で良かった。
国道19号から国道361号に右折し、権兵衛峠トンネルをくぐる。
昔このトンネルがまだ無い頃、伊那谷から木曽谷に抜けようとして権兵衛峠への道を上ったことがある。
信州で遊んで大阪に帰る夕刻、はびろ農業公園のみはらしファームにある日帰り温泉に入って、さあ峠越えだと走り出したら、台風だか大雨だかの土砂崩れで通行止めの表示が出ていた。
ありゃりゃ、地図でみても細い山道だからなあ。
今なら中央道に乗ってさっさと帰るのだが、お金がなかったからかなにか目的があったのか、あくまで木曽路で中津川まで下って高速に乗ろうとしていた。
それでひとつ北にある峠を越える事にした。
その名も牛首峠。
日はとっぷりと暮れ、最後の集落を過ぎ、明かりの無い曲がりくねった林道を進む。
ヘッドライトが樹々の幹を照らし闇から浮かびあがらせる。
私の苦手の眺めである。
道が曲がりくねっているので浮かび上がった木の向こうにできる影が動き、何か出て来そうな不気味さがあった。
思考はよろしく無い方向に向かう。
無人のはずの後部座席から声がかかったらどうしよう、とか。
カーブを曲がり切ったら、道の真ん中に鎌をもった老婆が般若の顔して立っていたらどうしよう、とか。
若い頃は想像力豊かだ。
散々自分を怖がらせて運転した。
唐突に国道19号に出た。
広い国道は不気味さなど微塵もなく平穏な雰囲気。
さっきまでのあの不気味さはなんだったのだろう。
なんて事を思い出した。
権兵衛峠トンネルができて、もうそんな怖い思いをせずとも多少雨が降ろうとも、安心して峠越えができるようになった。
が、それはそれでさみしい気もする。
天邪鬼だなあ。
日本にはまだ未整備の道はたくさんあるから、探し出して行ってきな。
雨はいつしか小降りになり、伊那谷の山腹を一直線に下る。
高遠にとった宿へと向かった。
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