乗鞍の春は遅い

2010-04-03 02:00:51 |  乗鞍話し
ほんの少し春めいたところで、久しぶりに乗鞍の春のお話を・・。

夏休みに何度も訪れているうち、夏だけでなく他の季節の表情はどんなか見てみたくなりました。
で、春はゴールデンウィーク頃に遊びに行った事があります。
大阪近郊の木々は新緑がすっかり進み、初夏の空気が満ちつつある頃です。
いつものように、名神、中央道、木曾街道を走り、街から山へ徐々に高度を上げていくと、緑がどんどん淡くなって行くのが分かりました。
さすがにこれだけの高度差があると、季節はぐいぐい巻き戻り、まだ肌寒い春に連れていってくれます。
藪原から西に入り、急になった坂道を上った境峠辺りの萌え方が、その頃の私好み。
高度が1400mくらい。
その後一旦下り、上高地乗鞍林道で近道して鈴蘭へ。
途中、ちょうど斜面の角度に沿った光線が幼木を照らす場所がありました。
新緑が光を透かす様をしばし観賞。


鈴蘭の駐車場からは乗鞍岳の真っ白な姿が。
乗鞍エコーラインはまだ雪に閉ざされ走る事は出来ません。
それで駐車場にほど近い一の瀬園地を歩いてみることにしました。
立ち木がそこここに立ち、平らな草地が広大な所で、遊歩道が園地をぐるりと巻いてます。
バーベキューができるスペースがあったりして、いい気候の頃に来たら、気持ち良さげな所です。
というのは、その頃から雲が広がり曇天に。
ぐっと気温が下がり、春を越えて冬まで遡ってしまった感じ。
下界では汗をかくTシャツに長袖のシャツの格好も、冷気の侵入を防げず、洟をすすりながら震えて歩きました。
立ち木の樺の木は冬枯れたまま。
土色の下草は雪の重みで平たく潰され、そこここに残雪も見える。
とても寒々しい。
その時、山は異世界なのだと体で理解したように思います。

今は温暖化が進んで、違うのかもしれませんが、乗鞍高原で新緑を楽しむには5月中旬以降が良さげです。
この他にも、乗鞍高原には見所がたくさんあるようです。
突然具体性がなくなるのですが、林の中に遊歩道が敷かれ、滝や池を巡る事ができるらしい。
いつもすぐ山上を目指し、この時以外、高原散策をしたことがなく、よく分かりません。
今考えると、そんな遊歩道を歩かず置いておくなんて私らしくない。
今度機会があれば、歩いて報告したいと思います。