
マゴチ(真鯒)

【語源】

神官が持つ「しゃく・こつ」に体形が似ていることから付いたと
言われています。また、骨が硬いことからコツ(骨)と言う説も
あります。

いずれもそれが「コチ」に変化したというものです。

また、漢字の鯒は、魚偏に踊るを組み合わせたものとか、痛いを組み
合わせたという説があります。

「踊る」は砂底から飛び出る様です。捕食の際の様。

「痛い」はコチの持つ鋭いトゲの事だと思われます。







【旬】

マゴチは魚屋の店頭には、多く出回りません。

漁獲が少なくほとんどが料理屋に直行してしまうからです。

マゴチは高級魚なんです~。

薄造りの刺身は別名「テッサナミ」と呼ばれ、河豚(ふぐ)に匹敵
する美味しさであると評価されています。天ぷら、ちり鍋も絶品。

太陽が照り込む程に味がよくなるといわれるこの魚を東京湾では
「照りゴチ釣り」とよんで夏の風物詩になっています。

ゆえに、旬は夏です。

しかし、比較的年中美味しい魚で、旬知らずの魚といえます。




【うんちく】

コチには表裏一体の二つの俗言があります。

まず一つ目は「コチの頭は嫁に食わせ」と言うもの。

これは、棘だらけで食べるところがないコチの頭を食べさせて、
にっくき嫁を、いびるというもの。

二つ目は、「コチの頭には、姑が知らぬ身がある」です。

これは、実はコチは頭部にある頬肉がカサゴなどと同様、一番旨い。

どんなにつまらなく見えるものでも、よく探せば捨てがたい価値が
あるものだという意味らしいです。

また、コチは生まれてから2歳まではオスばかりです。

ところが3歳頃から成熟が始まり、体長50㌢以上ではほとんどがメス
に転換するのです。

成熟してから性転換する前まではオスとして、性転換後はメスとして
の役割を果たします。







【ブランド・産地】

ブランド化はされていないようです。漁獲量も少ない為、特別な産地
もないと言えるでしょう。

新潟、宮城の以南に生息しています。




【産地ならではの漁師料理】

マゴチは、なんと言っても薄作りのお刺身。

河豚に匹敵する味と言われています。その他は天ぷら、鍋、ブイヤ
ベースなどにもむく魚です。

漁師さんのお気に入りは、マゴチのちり鍋。

昆布で出汁をとり、少し隠し味に味噌を入れるのだとか。

付けダレはネギたっぷりのポン酢で・・・・!

忘れてはいけないのが、マゴチの肝。これも鍋に入れると
美味だとか。

「夏の暑い時季に汗をかきながら食べるのは最高~!」と言わしめ
ます。


【栄養と効果・健康】

高たんぱく、低エネルギー、低脂肪、低コレステロール~!

しかも美味しい。究極のダイエット食と言えるでしょう。

夏バテの多くは、たんぱく質の欠乏。夏が旬のこの魚は、最高の
夏バテ防止食材と言えるでしょう。

ミネラルではカリウムが豊富。腎臓の機能を高めます。また、
塩分を体外に排出する機能もあります。

ビタミンでは、B6が豊富。これは、体内でたんぱく質を作るときに
必要とするものです。

たんぱく質も多く、B6も多い・・・たんぱく質を多く摂取したい
方には、うってつけの食材と言えます。















